ヴァンパイアと都市伝説
どうも子寝虎です。
最近、小説を書いてると「これ、エンディングどーすればいいのだろう」ってなりますw
まぁ、今はそんなの気にせずに楽しく書いていきたいですw
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では、いい夢を
一瞬、沈黙の時間が続いた。僕の目と声が真剣だったためだろう。
しかし、次の瞬間
「ギャハハハハハハハ」
サクヤはまた笑い出した。どうやらなんかのツボにはまってしまったらしい。
「笑わないでよ。こっちは真剣なんだよ」
「いやぁ、でもさまさかまだそっちに怯えてるのかって思うとな」
「へいへい、僕はどーせビビりですよーだ」
「それにしてもヴァンパイアかぁ」
サクヤはそういうと残っていたハンバーガーをほいっと口に放り込んだ。そして
「いやでもありえないな」
と僕の恐怖なんてどーでもいいかのように否定してきた。
「なんでだよ」
「場所だよ」
サクヤはすかさずに続けた。
「もしもこの事件がヨーロッパやらで起きてたらあり得る話だが、ここは日本だ」
サクヤの口はまるで若者研究に口を挟む名誉教授のような口調で
「ヴァンパイアやなんなのっていった怪奇伝説の類はその場所に依存するんだよ。よっぽどのことがない限り出張サービスなんかしないんだ。そしてもしそのよっぽどのことが起こってた場合、うちの上……『ソロモンの知恵袋』のお偉いさん方は毎晩お祭り騒ぎの様に忙しく仕事をしているだろーよ」と語った。
『ソロモンの知恵袋』サクヤが所属しているオカルト宗教団体の事だ。そこから情報を得ているらしく、サクヤの答えはみょうに綺麗に的を射ているので反論をしようにも言葉が見つからなかった。
するとサクヤはさっきまで馬鹿面(いや、顔はかなり可愛い方だと思うよ。性格がオッさんなだけで…)が嘘だった様に真剣な顔をし急に低いトーンの声で話しだした。
「お前さ、『都市伝説』って知ってるか」
「都市伝説?ト○ロの正体が死神って感じのやつ?」
「いや、そっちじゃなくて人の名前だよ」
サクヤはそういうと地面に置いてあったカバンを肩にかけ立ち上がり
「最近、ここの近くに現れては変な爪痕を残してを繰り返すやつのことらしい」
といった。
「変な……爪痕?」
「さぁな、俺が知っているのはそんだけだ。なんでもお偉いさん方はやばいやばいいいながら走り回っているそうだけど」
「いや、それがどうしたのさ」
サクヤはまるで「本当に知らないのか?」と問いかけるような顔を僕に見せてきた。やばい、本当に彼女が何をいいたいのかわからなくなってきた。都市伝説?なんの話だ?
「じゃあ俺、先帰るわ」
そういうと彼女は自分のトレーを持ち出口へと歩いっていった。
「まってよ。わけがわからないよ。それとヴァンパイアが関係あるっていうの?」
「そりゃ俺にもわからん。しかし、もし都市伝説を名乗るやつに出会ったら確実に俺かハヤミさんを呼べ」
そういうとサクヤはフードコートの自動ドアのトビラを開け、店から出ていった。
「なんだよあいつ」
僕はそう呟くと飲みかけのジュースを一気に喉に流し込み静かに席を立った。
『都市伝説』………。サクヤが僕にその言葉を問いかけた時、僕がその名を知らないことに驚いていた。
「ヴァンパイア」には少し因縁がある。ただそれだけだが、『都市伝説』という言葉には全くといっていいほど縁がない。
そう思いながら店の出口を出ると空はもう綺麗な暗い藍色に染まっていた。
「もう8時か……」
季節は夏が訪れようとしている一歩手前の春。夜と呼ぶにはまだ明るい時間だ。
コンビニか何処かで夕飯でも買って帰ろうと思っていた時、チリリリリリリとポケットにいたスマホが喚きだした。
バイト先からのメールらしい。内容はかなりどーでもいいものだった。
僕は一言「了解です」と打ち込み、メールを送信した。
「さて、と」
僕は足を帰り道の方向に向けゆっくりと進めていった。
天気は晴れ、そして空はまるで僕の存在を嘲笑うかのように奇妙な笑みを浮かべていた。