初まりの始まり
序章の序章です
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では、「urban legend」スタート!
「昨日午後9時半頃T県N市の廃工場にて、13体の失血死した遺体が発見されました。なお、遺体が発見された場所から血痕が見当たらなかったことから警察は、犯人らは別の場所で犯行を及んだのちに遺体を運んできたと考え調査を続けるとのことです。では、次のニュースです。」
薄暗い部屋で光る箱が騒ぎ出した。
「………やっとか」
少年はまるで待ち焦がれていたゲームの発売日が決まったような声で呟くと、騒がしい箱に目をやった。
光る箱は駄々を兼ねるように騒ぎ散らしている。
「ピッ」
少年は光る箱を黙らせると椅子に腰をかけ、静かにチェスの駒を進めた。
少年の駒のほとんどが戦場にいない。しかし、彼は笑っていた。まるで、この状況を予測していたかのように……いや、予測していたのだ。この絶望的な状況も含め少年が書いたシナリオなのだ。
この時代、この世界、この世、この戦場の何処を探したって「神様」の二文字は存在しない。それを少年は知っている。
もし、神様というものが存在するのならば、少年は今このような事態とは遭遇してなどいない。世界は血の色を知らないはずだ。
少年は決意した。この世界を平和にすると
少年は決意した。みんなを笑顔にすると
少年は決意した。この世界から血の色をなくすと
少年は決意した。この世に神を創り世界を救済すると
酷く平凡な日常。なのに残酷で哀しみが溢れる日常。そんな日常を変えるべく少年は立ち上がった。
彼の名は「✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎」
又の名を「都市伝説」