空の色
図工の時間の絵の苦手な子の苦しみ
何て言われるかって気にしちゃうんです
女の子は空の色をぬりました
まず、木を描いて、きれいな緑を
草を描いて、きれいな黄緑色を
そして、いろんな色のお洋服と
友達の顔、人の顔
そのままの色を描きました
そして、空の色をぬりました
薄い水色です
雲は白です
のつもりでした
そのはずでした
ぬってみると
あれ?
よく見ると、空はいろんな色に
何度も色を重ねます
もうちょっとこうかな?なぜかこれだけが違う色
う-ん 難しいなぁ
雲は少し灰色
あそこは少し濃い青 こっちは濃い青
描いているうちに
青や緑や白や灰色まで
入った色になってしまいました
「これは違うって言われるに決まってるわ」
でもこれ以上ぬれないのでしかたありません
女の子は少し心配でした
しばらくして、みんなの描いた絵が、教室に貼られました
みんなの絵を見ました
自分の絵を見ました
女の子は絵を見てうれしくなりました
大嫌いな図工の時間
でも飾られてみたら、あらまあまあじゃん
人生でこんなこと多かった気がする。