それいけ! おひめさまをすくえ!
プレイヤーの性格。
長女オリジナル 真面目ボケ
次女神聖皇帝 冷静に見えて実は純情
三女魔王 コドモ
キャラクターたち。
ミザリィ 原則真面目だがクズっぽい発言もする半妖精の僧侶。(プレイヤーはオリジナル)
ヒサシ お人よしな盗賊。女の子にイケメン発言を素でする罪なヤツ。(プレイヤーは神聖皇帝)
サラマンダー 真面目でマッチョな魔法使い。ひとは良いが自分の実力をわきまえた行動を心がける冷静さもある。(プレイヤーは魔王)
「では、盗賊の頭目は叫びます。『おのれ冒険者どもめ、かくなるうえは姫を殺して俺も……』」
怯む三人の冒険者。
慣れぬ近接戦を制したヒサシ、戦士同等の重武装を行えるため、彼と背を合わせて戦うミザリィ。そして初歩的だが凶悪な範囲技である眠りの術を駆使して戦う魔法使い『さらまんだーでいいや』さん。
既に矢はつき魔法は使い果たし、僧侶魔法にいたってはこのレベルの僧侶ははなからまったく使えない。
姫君に何かあれば今後のシナリオに響く……もとい良心が痛む。
「やめて! そんなことをしたらあなたのお父さんお母さんが泣くわ!」
乱入してきた魔王。
魔 王 の 台 詞 で は な い 。
「あ、あんただれ?」「魔王です」
盗賊の頭目に平然と告げる魔王。
ちなみに小柄で細身の綺麗な美少女の姿に見える。
間違っても魔王には見えない。
「あ、あの。ディーヌスレイトさん?」「はい?」
可憐に振り返って笑う魔王。
やっぱり魔王には見えない。
「出番奪わないでください。元の世界に戻って。お願いです」
ヒサシ(中身は神聖皇帝)に叱責されてしゅんとなる魔王。
「あ。続けてください。盗賊さん。お騒がせしました」「あ、いえいえ」
完全武装のプレートメイル着て、血まみれのメイスを握った僧侶がそういうのはちょっと問題があるミザリィ(中身はオリジナル)。
では改めて物語開始。
「おらおら。ほっておいたらこの女の首が飛ぶぞぉおおおっ?!」
怯む三人の冒険者、勢いづく盗賊たち。
じりじりと囲みを近づける生き残りの盗賊団に早くも絶体絶命である。
『ですが、皆さんにも運が残っていたようです。騎士団の皆さんが追いついてきました』
GMナイスフォロー。援軍が到達である。
盗賊たちは『覚えていろっ!』と月並みな台詞を吐いて逃げ出した。
こたつに座って無言でアイスを食べる三人の魔王たち。
「やっぱり、盗賊さんたちは悪政で行き場を失った」「いや、たぶん解雇された兵士」「おそらく農奴のなれの果てだな」
どこぞの黄門様や将軍様の雑魚は無限に湧く。リアルな話はやめてください。