きゃらくたーめいきんぐは戦場である
「じゃ、皆さんにはこの世界に降り立ってもらうためのキャラクターを作ってもらいます」
「普通にその場に行けばいいではないか」「だな」
不思議そうに答える『オリジナルディーヌスレイト』と『魔王ディーヌスレイト』。
彼女たちは異世界を行き来する能力がある。創作の世界でも普通に出入りできる。
「異世界の魔王の強さを見てみたいです! 先輩より強いのかな?!」ウキウキな『魔王ディーヌスレイト』だがそれは全力で勘弁してほしい。魔王魔王で世界がマッハで滅ぶ。
というか、序盤で出会う盗賊が哀れだろう。
お姫様の馬車を襲っていたら魔王が助けに来ました。
罰ゲームか。
「いや、構わぬ」
履歴書もどきを手に不敵に笑うは『神聖皇帝ディーヌスレイト』。
力のない人間に身をやつして戦うカッコいい私な妄想に駆られているなど他の二人には想像もできない領域である。
「さいころをふればよいのか」「そうです」
神聖皇帝は鉄より硬く重いアダマンタイトで出来たサイコロを百八十万コほど召喚した。
みっつのサイコロで決まる普通のキャラの六十万倍である。
念力ですべてのサイコロの目を『六』にするのも怠らない。
「どうだ」ドヤ顔だが黄金の仮面で顔は解らない。
GMは冷徹に応えた。
「こたつが壊れたので無効です」
やりすぎは良くない。
魔王三人は泣きながらこたつの修理に励んだ。
コタツは安息の地。切り札である。