サイバーカラテ柔道接骨医
『チャーリー!』
楽しそうに手を振る三人の美女。
よく見れば、よく見なくてもぼろぼろ状態。
「おはよう。ディーヌスレイト三姉妹」
チャーリーは機嫌最悪なのだが、なんだかんだいって青の宝玉を奪ってきた三人の手腕を評価……したくはなかった。自分死にかけたし。
「怪我は良好かね」
『サイバーカラテ・柔道接骨医 マジカ』
古ぼけた看板の柔道接骨医。
実はチャーリーとコネのある最新医療とサイバネティックス医療、魔法使い専門療棟を地下に持つという医者だ。
「お前ら、いい加減借金返さないとバラシて売るぞ」
少々マッドで、実際三人の臓器やサイバーウェアを勝手にうっぱらう男だが三人に一番出資している親切な男でもあるので三人は逆らわない。
「血が足りねえ」
そういって合成肉を喰らう神聖皇帝。
意外なことにご飯で栄養補給可能らしい。
ほとんどサイボーグなのに。
「最近のサイボーグはごはんを食べるのね」「実はガソリンより栄養効率がいいのだぞ。人工筋肉はそうだ」「へえ」
美味しそうに合成コメと合成パンを食べる二人。
少し昔までは天然ものが超高級品だったが、昨今は化学物質の汚染と合成食品の味と品質の向上により立場が逆転しつつある。
魔法使いにとっては化学物質の有無は魔力と密接しているため食費は膨大なものになる。
「酒はないのか」「怪我をしているのだぞ。ひかえろ」
そういうチャーリーは今どき珍しい本物の煙草を吸いながらウイスキーを煽る。
「いいか、頼むから大人しくしていろ。傷が治るまでな」「あ、そうそう。お前らの改造をやっておいてやったから、パワーアップしているはずだぞ」
勝手に何をやっているのですか。
またも借金が増えた三人は軽く鬱になってそのまま寝込むのであった。




