本日のセッションはお休みだ
『二日酔い酷い。死ぬ』『魔王よ。緑茶と梅干を』
魔王は本来酒に酔わない。自分で『毒無効能力』をオフにしなければ呑んでもマズイらしい。
死屍累々GM。魔王と神聖皇帝。
オリジナル様は手持無沙汰にサイコロをころころ。
「温泉の用意があるのだが、二日酔いでは大変だな」混浴ではない。念のため。
「ヒサシィ~。そっちはどう?」「いや、絶景だな」
キャラクターたちはオリジナル様の戯れのお蔭で思いっきり温泉を楽しんでいた。
「傷も癒えたし最高だな」「サラマンダーおつかれさん」獺祭の残りにちゃっかりあやかっている二人。ミザリィはというと僧侶という名前に反した身体でおばちゃんたちの賞賛という名前の嫉妬絡みを受けていた。
「隣、いいか」「あ。オリジナルさん。どうも」礼儀正しい。
「ヒアシ!」「うばっぶッ?!」
隣の浴場がやかましい。
どうやら酔った神聖皇帝様がやらかしたらしい。
「ひゃははは。さらまんだーみっけ!」「ま、ま、摩耗様ッ?!」
マモーじゃない。魔王だ。
若い娘が二人乱入で盛り上がる他の男ども。ちなみに着衣しているので『ぬげー!』とかおっちゃんたちが叫んでいる。顔を赤らめあうミザリィ嬢とオリジナル様。結構純情。
「ぬーげ! ぬーげ!」「貴様ら神聖皇帝たる私の肌を見たいとは」
「ぬーげ! ぬーげ」「失礼した。このバカどもは連れ帰る」
解毒魔法を使い、無理やりしゃんとさせた妹二人をぽいと女湯の湯船に放り投げるオリジナル様。大きな水柱が二つ上がった。温泉宿の人たちごめんなさい。
「まったく。風情がありませんね」「GMどのもいたのか」
彼女は彼女で優雅に湯船で呑んでいたらしい。底なしか。
「いえ。一度解毒の魔法を」懲りない。
「では、次のセッションはこちらでやりましょうか」
お盆の上にはサイコロ。
キャラクターシートはもとより半プラスティックの濡れない紙で鉛筆さわりも良い代物。
耐水バインダーにキャラクターシートを挟んで準備完了。
「ゆっくり飲みながらやりましょう」「いいですね!」
「ちょ、ちょっと待ってよ!? 私まだ温泉にいたいんだから!」
サイコロを手に取ろうとする魔王たち。
慌てて脱衣所に走るミザリィ以下プレイヤーキャラクターたち。
「本日の冒険はって……」
三人のキャラクターの装備品欄。
なぜか『パンツ』『ふんどし』『バスタオル』になっていた。
こ、これが噂の『温泉回』!(ぴきーん)




