第45話 最終決戦3
燃は血の滴る腕を掲げて黒い衝撃波を放った。
シンはそれを剣で受けた。
「くっ!!」
だが、シンは受けきれず、吹き飛ばされた。
シンは背中に何か当たるのを感じた。
壁だと思ったが、それは燃の手であった。
燃はその至近距離から衝撃波を放った。
「ぐあっ!!」
シンは吹き飛ばされ、壁にぶつかり、その壁は崩れた。
「はあ・・・はあ・・・はあ・・・げほっ、ごほっ!」
燃も相当ダメージが大きい。
「くっ・・・まさかここまでとはな・・・これからは本気で行かしてもらうぞ。」
シンは傷だらけの体を起こしながら言った。
シンは気を纏い始めた。
今までシンは生身で戦っていたのである。
一瞬、燃の視界からシンが消えた。
燃は後ろから気配を感じ、かがんだ。
剣は燃の頭ギリギリを通り過ぎ、燃はその状態から思い切りはねた。
燃は天井に足をつけ、辺りを見回した。
「後ろだよ!!」
シンも天井に足をつけていた。
「なっ!?」
シンはそのまま燃に剣を切りつけた。
「ぐあっ!」
燃は袈裟切りをくらい床に落ちた。
「ふっ・・・終ったか・・・」
シンは倒れている燃を見ながら言った。
「後はお前達だけだな。」
シンは燃に背を向けて慎之介と達也に言った。
「まけ・・・られ・・・ない・・・」
シンが驚いて後ろを向くと燃は立ち上がっていた。
燃は再び黒いオーラを纏った。
「何度やっても無駄だぞ?」
シンは呆れたように言った。
「やってみなければ・・・分からない・・・」
「ふん。まあいい。」
シンはそう言って再び燃の視界から消えた。
燃は全く動かない。
「馬鹿が。」
シンはそう言って燃の後ろから剣で突き刺そうとした。
燃はそれを避けずに動かなかった。
シンの剣は燃の腹部を貫通し、剣の先端の部分は燃の血で真っ赤に染まっていた。
「なっ!?何故避けない!?」
シンは驚いたように声をあげた。
「こうする為だ!!」
燃は笑いながら後ろを振り向き、シンの体を引き裂いた。