第40話 逃走
燃たちはすぐさま逃げ出した。
近未来的な道を燃たちは急いで走っていく。
「兄貴!どういうことだよ!?」
燃は怒りながら訊いた。
「いやあ、転送する場所が変わったのかな?・・・前は山ん中落とされたから・・・」
慎之介はのんきなことを言っていた。
「なあ、お前・・・あの声って・・・?」
正人は相当あんなの声が気になっていたようだ。
「ああ、あれは相手の喉をエネルギーでコピーして自分に貼り付けただけだよ。おじさん、相当気になってたみたいだね。」
あんなは笑いながら答えた。
「まあな。正直恐かったからな。」
正人も笑いながら答えた。
「あっ!そういえば達也、お前その拳銃・・・」
燃は思い出したように訊いた。
「ああ・・・答えは簡単さ。・・・大蔵正人の息子だから、で十分だろう?」
「おお!何かものすごく説得力あるな。あっという間に納得できた。」
「おい!お前ら!人の悪口をいう時はもっと聞こえないようにやれ!」
達也と燃が話していると正人が叫んできた。
「皆さんあんまり騒ぐと・・・」
慎之介は苦笑しながら振り向いた。
「な・・・何が・・・ゼェゼェ・・・起こる・・・はあはあ・・・っていうんだ・・・」
正人が息切れしだした。
「あははは!親父・・・はあはあ・・・もう・・・はあはあ・・・歳・・・何じゃねえの?」
達也も息切れしだした。
あんなは悪戯で正人を後ろから押したりしている。
「あ・・・にき・・・どういう・・・事だよ・・・」
燃も息切れしている。
「それは・・・ほら。酸素が少ないっていったろ?だからだよ。」
「なる・・・ほど・・・」
燃たちはもう死にそうだった。
「どっかで少し休むか・・・」
燃たちは適当に空いている部屋に入り休息をとった。
「ゼェゼェ・・・」
「はあはあ・・・」
「ふうふう・・・」
「あははは!!」
「ぐえっ!ちょっと・・・・お前・・・まじで・・・死ぬから・・・・」
「いつもの仕返しだよ〜〜〜!」
「ぐおおおおおおお!」
正人は戦う前に死んでしまいそうだった。
「とりあえず皆に地図を配っておきます。」
慎之介はそう言って皆に紙切れをを渡した。
「いたぞ!!」
ドアから敵が覗いていた。
「やべ!!」
燃たちは部屋から外に出た。
「走れ!!」
正人が怒鳴り、皆が急いで走った。
後ろから大人数の足音が聞こえた。
燃が後ろを見てみると10人ほどレーザーガンを構えていた。
あんながエネルギーで巨大な盾を作った。
その10人の中に燃は見覚えのある顔があった。
「あいつは・・・」
その10人が一斉にレーザーガンを放った。
皆はあんなの盾があるから完璧に油断をしていたが、正人は何かに気づいたらしく燃を横に弾き飛ばした。
「なっ!?」
燃は驚きの声をあげた。
9つのレーザーはあんなの盾によって弾かれたが、弾かれず残った1つがエネルギーの盾を貫通した。
「正人さん!!」
燃は思わず声をあげた。