第4話 病室
白い病室のベットの上で1人の少女が目を覚ました。
「・・・?」
なにやら混乱しているらしく辺りを見回した。
「おっ、起きた起きた。」
病室に1人の少年、燃が入ってきた。
「大丈夫か?あんた道端に倒れてたんだぞ?」
「・・・?」
「あれ?言葉が通じないのかな?」
その少女は何かを探し始めた。
何かを見つけたらしく、それをなにやらいじリ始めた。
「お〜い?どうした?」
少女は首を振り、
「なんでもない。」
とだけ答えた。
「なんだ・・・言葉が通じないのかと思った。」
「ちゃんと通じるよ。」
「そうみたいだね。・・・そういえばさあ、色々聞きたいことがあるんだけど?」
「答えられる範囲なら答えるよ。」
「じゃあ、まず名前は?」
「リン。」
「・・・苗字は?」
「無い。」
燃は複雑な表情をした。
苗字が無いとはどういうことなのだろうか。
このリンという少女はどこかの外国の少女なのだろうか。
燃は何か複雑な理由があるのかと思い、あえて聞かないでおいた。
「年齢は?」
「16歳。」
「・・・・・」
燃は疑問に思った。
なぜなら燃から見ると1、2歳ぐらい年下に見えるのだ。
よもや同い年だとは思っていなかったのだろう。
「何?」
リンは不機嫌そうに聞いてきた。
燃の考えを感じ取ったのだろう。
「言っとくけど本当だからね。」
「べっ・・・別に何にも言ってないよ?」
「目が語ってた。」
燃は気まずいムードになっていくことを感じ取った。
「じ・・・じゃあ、別の質問!」
「・・・・何?」
リンは明らかに不機嫌だ。
コンプレックスだったのだろう。
「え・・・え〜っと、あの嵐は何なの?ほら、リンも巻き添え食ったろ?・・・って分かるわけないか・・・」
話題そらしに適当に言ってみた。
するとリンの顔色が一気に悪くなった。
「あ・・・嵐って?」
今までに無くリンは戸惑っている。
「あ・・・え〜っと、空から光が落ちてきたり突風が吹いたりで・・・リン?」
リンはなにやら考え事をしている。
しばらくして、突然思いついたようにリンは口を開いた。
「ごめん、何か具合が悪くなっちゃったから今日はもうこれくらいに・・・」
「え?あ・・・そうか、分かった。」
そういって燃はリンに背を向けた。
「それじゃ、また明日来・・・」
燃の言葉は背中に走った激痛によって止められた。