第13話 再会
「おい!?」
カールが怒鳴った。
「何だよ?」
燃は不思議そうに答えた。
「何だよじゃねえよ!何で縛ってんだよ!?」
燃はカールの手足をどこからともなく取り出したロープで縛っていた。
「大丈夫、大丈夫。何も変なことはしないからさ。」
「してるだろ!現在進行形で!」
「警察にわたすだけだよ。」
「は?」
「だって、殺人未遂だろ?警察に突き出すのは当たり前じゃないか。」
「いやいや、ちょっと待てよ。何も突き出すことないだろ?」
「はぁ?何で?殺人未遂って重罪だぞ?」
燃は意味がわからなくなってきた。
「え・・・え〜っとだな・・・こ・・・これはお前のために言っているんだ。」
「ふ〜ん。」
燃はいかにも興味が無さそうである。
「お・・・俺にもしものことがあったら俺の部下が、大人数でお前を襲いに来るぞ。」
「へ〜。まあ、お前にとっては好都合じゃん。俺のこと殺そうとしてたんだろ?」
「い・・・いや、まあそうなんだけどよ・・・」
カールは何とかして逃れようと必死に考えている。
「じゃあ、何で俺のこと殺そうとした。それに答えれば警察は止めよう。」
「う・・・それは・・・」
「どうした?」
「・・・・・・」
「言えない事情でもあるのか?」
「・・・・・・」
「言わないと警察に突き出すぞ。」
「・・・・・・」
「どうしたんだよ?」
カールは怪しい笑みを浮かべながら顔をあげた。
「俺を早く警察に連れて行くべきだったなぁ。」
「なっ!?」
その瞬間、カールのところに強い光と共に風も吹いてきた。
「うわっ!」
燃は吹き飛ばされた。
「大丈夫?カール?」
燃その声に聞き覚えがあった。
「はい・・・なんとか・・・」
カールは助かったと言わんばかりの顔をその女性に向けた。
燃にとってその女性・・・というより女の子の顔は苦々しい思い出と共にあった。
「リン・・・」
燃はその女の子の名前を口に出した。
「あなたは・・・」
リンも驚きを隠せずに入られないようだ。
「よっ、久しぶり。」
燃は恐怖を隠すために明るく振舞ってみた。
「久しぶり・・・というか、なんであなた、生きてるの!?」
「秘密。」
「あの〜」
カールが口をはさんだ。
「知り合いですか?」
「ええ。確か殺したはずなんだけど・・・」
「あの世から蘇ってきちゃった。」
「そんな訳ないでしょう。」
燃は冗談を言ったのだが、真に受けられてしまった。
「じゃあもう一回殺してみる?」
「そうね・・・それが一番いいかもね。」
二人は戦闘態勢に入った。