穏やかな日にさす闇の影
さぁ 今日は宴。
いつもと何か違う商人に不快、不安を感じるミラ。
商人に一体 何があったのか。
とある夕暮れ、町商人が城の中へと入ってきた。馴染みの商人のためか顔パスらしい。甘いものだ。
堅苦しい城での暮らしは私にとってはただただツライの一言だ。私の名はミランダ・サルサ。私達サルサ家はトルサルジェという大きな国を従える、いわゆる国王なのだ。そして私は、母であるバルサ・サルサと父の、つまり国王のカルサ・サルサとの間に生まれた1人娘なのだ。いわゆる令嬢とかいうやつ。女であり未来が約束されている私は幼い頃から礼儀やらけ剣術やら勉強やらと毎日が目まぐるしかった。女なのになぜ剣術かというと私が頼み倒したのだ。大人しくハープを奏でるのも大好きだが、やはり体を動かす方が楽しい。
私は竪琴をしまうと正装をはじめた。おそらく今宵は宴であろうからだ。あの商人が来る時は必ず宴なのである。私は長いドレスの下にマチカとよばれるズボンをはき短剣を装備しておくことにした。あの商人に異様な空気を感じたからだ。いつもと空気が違うのを感じた。何かあってからでは遅いからな。宴までしばらくあるし仮眠でもとろうか。とベッドへ歩みを進めた時、ドアがノックされた。扉の向こうから聞こえて来た声はあの商人の声だった。