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001話

メモ帳の設定案をもとに作品を作ってみました。


※注意事項


この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。



人類は銀河を支配し、星系間を一日で渡ることができる時代を作った。人類は宇宙船でワープすることができる技術を手に入れ、星系を支配する星間国家を誕生させた。


その中でも、「シュレヒト共和国」と「ヘーラウスラーゲント王国」は二大勢力として知られ、3700年にわたって冷戦と武力衝突を繰り返してきた。人工ブラックホール、生物兵器、そして戦艦の影が星の夜を覆った。


だが、今から14年前の「銀河大戦」を最後に、両大国は「ヘーラウスラーゲント講和条約」と呼ばれる講和条約を結んだ。その影響で、ヘーラウスラーゲント王国は崩壊して、新たにヴァイマルク共和国という間接民主主義(代表民主制)の国が誕生した。


そして、2ヶ月前。ヴァイマルク共和国は政変により崩壊して、新たにヘーラウスラーゲント帝国が誕生した。


グロース民族党と呼ばれる急進的勢力が権力を掌握し、ルドルフ・ロボーター総統が「グロース民族の優越性を確立し、人種的に純粋な国家の建設」という目標を掲げ、ヘーラウスラーゲント帝国の成立を宣言した。


この新国家は、静かに、しかし確実に軍備を整えつつあった。


そして今――再び、戦争の火が灯る。


宇宙要塞チュウオウ。球型の宇宙要塞で直径100km。人口約8500万人(軍事要員1340万、市民および技術者7160万)。シュレヒト共和国の宇宙要塞。平時の今は、チュウオウ回廊の検問所の役割を担っている。


その空に、今、1隻の船が降下していた。艦名アハトウントアハツィヒ。登録は民間貨物船だが、その実態は、帝国軍所属の装甲駆逐艦だった。


艦長は、帝国軍少佐、クラウス・フォン・タンシュタイン。


◇◆◇◆◇◆◇



【宇宙暦6409年3月30日 シュレヒト共和国 宇宙要塞チュウオウ 装甲駆逐艦 艦橋】


「艦長、もうすぐで宇宙港に入ります。」


副長が私に報告する。


「わかった。突入部隊の準備は、大丈夫か?」


「大丈夫です。皆、覚悟を決めています。」


副長はそう答える。


私は視線を窓へ向けた。


窓の外に広がる空は、どこまでも静かで穏やかだった。

雲が流れ、夕日が薄く船を染める。

信じられないほど美しい。でも、誰もその美しさを口にはしない。

皆わかっている。この空の下に、地獄が待っていることを。


今はまだ、ただの空。

だがこの静けさも、あと数分で破られる。

誰かが息を吐く音が聞こえた。戻れるか分からない。

だが、それでいい。それが私たちだ。


そして空は、何も語らずただそこにあった。

まるで「どうする」と問いかけてくるかのように。


今回の任務は、斬り込みだ。

民間貨物船に偽装して宇宙港を入る。

到着後は、目に入ったものをとにかく破壊する。

そして、突入部隊が要塞の内部に突入して、目に入った人間をとにかく射殺する。


敵の本軍が来たら、素早く撤退。

乗り遅れた者は、置いていく。


皆、緊張していた。


誰もが無言だ。

だが、この沈黙は、怯えではない。

頭を空っぽにしようとする者。準備を何度も反復する者。

あるいは、心の中で最悪の事態を受け入れようとしている者。

緊張は、全員の中に確かにあった。


それでも、誰一人として逃げる者はいない。

それが、ここの空気だった。


「こちら、チュウオウ第8宇宙港。アハトウントアハツィヒ、第7離着陸場に着陸してください。」


管制塔から指示が出た。


20代前半くらいの女性だろうか。若さの中にどこか落ち着きを帯びた、美しい声が耳に届いた。

その声は、水面に落ちる小さな雫のように静かで清らかで、何気ない言葉にすら不思議な引力があった。


「工作員のエリカ・フォン・ネーベルシュタイン中尉です。作戦は順調です。」


副長が私に言った。


エリカ・フォン・ネーベルシュタイン中尉。

父の親友。ヴェルナー・フォン・ネーベルシュタイン大佐の一人娘だ。


私は前に会ったことがある。

昔、ネーベルシュタイン大佐が家族を連れて家に来た時だ。


彼女は金髪碧眼で清楚な可愛い美少女だった。

まるで童話の中から抜け出してきたお姫様の様な美少女だった。


船がチュウオウ第8宇宙港に入港した。

もうすぐでここは戦場になる。


船が着陸した。


船の周囲には、要塞の作業員20名、警備兵5名が出迎えに立っていた。

彼らは知らない…これがただの貨物船ではないことを。


「攻撃開始!」


私は命令を出した。


次の瞬間、船の乗組員は攻撃を始めた。


偽装していた主砲、対空砲が周りの船、施設、人に向けて発砲する。

出入り口が開いて、中で構えていた乗組員・突入部隊が、機関銃で待っていた人間を射殺する。警備兵たちは反応する間もなく倒れ、作業員たちは悲鳴すら発せずに崩れ落ちた。そして、突入部隊が突撃する。


タンカーに砲弾が当たる。

次の瞬間、大爆発が起きる。

大小様々な破片が、周りに飛び散る。


周りに被害を与えた。


破片が隣のタンカーに当たる。

また、大爆発が起きて破片が飛び散る。


連鎖反応が起きた。


突入部隊が、中へ中へと突入した。

火炎放射器で前を燃やし、次に機関銃で射殺する。


わずか数分で地獄と化した。


◇◆◇◆◇◆◇


要塞の内側には、市民が住む街が広がっていた。

住宅、公園、商業施設、公共施設がある普通の街が。


そこには、市民がいた。


「撃て、撃て。目に入った人間を殺せ。」


突入部隊の隊長が冷然と告げる。

戦意の有無、武装の有無、市民か否か。すべては無視された。


突入部隊が目に入った市民を射殺した。


一発、また一発。乾いた連射音が空気を裂き、平和だった街の空気が一瞬で緊張に変わった。


突入部隊は、市民に向けて無差別に引き金を引く。銃弾は歩道に、車に、そして人に容赦なく当たり、悲鳴がこだまする。何が起きているのか理解できないまま、走り出す者、転ぶ者、叫ぶ者。その一人ひとりに現実が襲いかかる。


血が滲むアスファルトの上で、何人かが動かなくなっていた。誰かが助けに駆け寄ろうとして、また一発。二重の悲鳴が上がる。


店の中に逃げ込もうとした親子の背後で爆発が起き、ガラスの破片が雨のように降り注ぐ。母親は自分の体で子どもをかばったまま、声を失っていた。


恐怖は伝染する。叫び声は遠くまで広がり、車のクラクション、警報、泣き声、混ざり合って何が何だか分からない。地面に這い蹲るようにして建物の影に逃げる人々の手足は震え、ただ「死にたくない」と願うばかりだった。


そして、数十分後。銃声が止んだ。


「隊長、敵の本軍が来ます。」


兵士が隊長に報告した。


「わかった。撤退するぞ。」


隊長が部下に指示した。


◇◆◇◆◇◆◇


【宇宙暦6409年3月30日 シュレヒト共和国 宇宙要塞チュウオウ ◯◯公園】


「シオリ、話したいことって何?」


私は、共和国軍チュウオウ回廊方面軍の作戦参謀、カトウ・ナオキ少佐。

この前は前線で艦を率いた実戦指揮官の副官だったが、今は作戦計画の立案と艦隊再編の中核を担う軍務官だ。


今日は休日だから、家に篭ろうと思っていたが、私の数少ない親友が、私に話したいことがあるという事なので、今私服で公園にいる。


「え、えっとね……。」


目の前で顔を赤くしているは、同じ作戦参謀のユガワ・シオリ大佐。

冷静沈着な性格と卓越した分析力で、司令部内で信頼されている優秀な女性士官だ。

この前の職場の上司で、士官学校からの親友だ。


髪は黒くて、目は青い。基本ポニーテール。

どうやら、彼女はよくモテているそうだ。何故?


「あの……その……変なこと言うかもしれないんだけど……。」


顔が赤い……熱でもあるのだろうか?


「うーん……ちょっと、えーっと……。」


もじもじしながら私をチラチラと見ている。


「シオリ、大丈夫?」


「う、うん…。」


すごく緊張している。何かあったのだろうか?


「あのね……前からずっと、あなたのことが……。」


「撃て、撃て。目に入った人間を殺せ!」


ダダーン、ダダダダッ


一発、また一発。乾いた連射音が空気を裂き、平和だった街の空気が一瞬で緊張に変わった。


「シオリ、逃げよう。」


私はシオリの手を取って走った。


2、30人……武装集団が機関銃を撃っている。こんなところにいたら、死んでしまう。


ダダダダダッ


逃げ遅れた人たちが撃たれた。


「キャー」


後ろから悲鳴が聞こえる。


「大丈夫ですか……。」


高校生ぐらいの少年が倒れた人を助けようとする。そこへ、五、六発。少年が悲鳴を上がる。


「アアアアアアーッ」


どうする? どうする?


「ナオキ、ここはとにかく逃げよう……。」


シオリがそう言った。


確かに……。


遠くへ、遠くへ……。


2、3分走ると、歩道に出た。


無人タクシーがある。


「ヘイ、タクシー!」


私は手を挙げた。


車が来て、後部座席のドアが開いた。


「シオリ、入って。」


私はシオリを先に入れて、入った。


ドアが閉まった。


「イラッシャイマセ。ドチラマデイカレマスカ?」


AIが質問してきた。


「あの武装集団がいないところだ。安全な場所だ。」


私はそう答えた。


「ハイ、ワカリマシタ。アンゼンナバショ?ナンデスカ?」


AIが質問してきた。言葉が矛盾している……。


「カンッ、カンッカンッ」


車体に銃弾が当たった。連射音……機関銃?


「撃て、逃げているぞ。」


さっきの武装集団が追いついてきた。30mぐらい?


「とにかく、出せ!」


「ドコヘデスカ?」


やばい、やばい……すぐそこに武装集団がいる。なんで車が出ないんだ。こいつ、私を殺す気か?


「要塞司令部へ」


シオリが言った。


「ハイ、ワカリマシタ。クルマ、デマス。」


AIが言うと、車が出た。


「あ〜助かった。」


これで助かる……。


「ナオキ、こういう時は冷静に考えると、問題は解決する!」


シオリが言った。


そういえば、さっきの武装集団、帝国軍の軍服を着ていた……ということは、


帝国軍の奇襲?


これは、早く司令部に行かなければ……


◇◆◇◆◇◆◇


その頃、管制室にいる職員たちは、恐怖を感じていた。


「なんだ、これは…」


誰かが言った。管制室の中に緊張が走り、誰もが青ざめた顔で立ち尽くした。指先が震え、無線機を持つ手が汗で滑った。こんな光景、マニュアルには載っていない。いや、載っていても意味などなかっただろう。


下では炎が上がり、宇宙船が燃え始めていた。アハトウントアハツィヒの乗組員たちは空港の施設へと進軍し、民間人などお構いなしに攻撃を続ける。



あたりは、もう戦場だった。



私たちは高度数百メートルの管制塔の中にいて、比較的安全なはずだった。けれど、そこから見える地上の惨状は、逃げ場のない悪夢のようだった。


「彼らは…なぜ宇宙港を…?」


誰かが震える声でつぶやいた。


遠くで爆発音が鳴った。通信機器を備えたサブタワーが、砲撃を受けて炎に包まれた。煙が黒く空に立ち上り、視界がゆがんでいく。思考も混濁していた。


管制室の壁が揺れた。砲弾が着弾したのだ。誰かが床に倒れ込み、誰かが窓の外を見て絶叫した。


管制塔の出入り口が破られた。


「……来るぞ!管制塔を狙ってる!!」


銃声。硝煙。血飛沫。

もはやここも安全ではない。


私は机の引き出しから、帝国軍の軍隊手帳を取り出した。

これで、私が、帝国軍中尉のエリカ・フォン・ネーベルシュタインであることを証明できる。


「みんな!今すぐ逃げる準備を!」


誰かが言った。


次の瞬間、すぐ近くで銃声が鳴った。ガラスが砕け、管制室の一部に火の手が上がった。


私はすぐさま物陰に隠れた。


周りはパニックになっていた。


「嫌だ、死にたくない。」


そこへ機関銃の射撃が加わった。


周りは死体だらけになった。


「私は帝国軍工作員、ネーベルシュタイン中尉だ!味方だ、撃つな!」


私そう言って、両手をゆっくりと上げた。


「あなたが、工作員のネーベルシュタイン中尉?」


下士官が驚いた顔で私に言った。


「そうだ。」


私はそう答えた。


「では、軍隊手帳のご提示を。」


「どうぞ。」


私は軍隊手帳を渡した。


下士官は、驚いた顔で軍隊手帳を見た。


「てっきり、男性かと思っていました。」


「そうか。」


何で私を男性だと思うんだ?


「話は、タンシュタイン艦長から聞いています。では、船へ」


下士官がそう言った。


クラウス・フォン・タンシュタイン少佐

父の親友。クルト・フォン・タンシュタイン大佐の一人息子。

私の好きな人。


私は前に会った事がある。

昔、タンシュタイン大佐の家に家族と行った時だった。


あの人は金髪碧眼で爽やかな美男だった。

まるで童話の中から抜け出してきた王子様の様な美男だった。


◇◆◇◆◇◆◇


数分後


「突入部隊500人中483人。工作員のネーベルシュタイン中尉と合流して帰還しました。」


突入部隊の隊長が、艦橋に来て私に報告した。


「艦長、敵の本軍が来ています。」


副長が私に報告した。


「わかった。撤退だ。ワープの準備をしろ!」


船が離陸した。


「3、2、1、今。」


アハトウントアハツィヒがワープをした。


それと同時に宇宙港が爆発した。


光速の彼方へと消えたその背後に残されたのは、炎に包まれた宇宙港。

瓦礫と焦土、そして何より生き残れなかった人々の残響。


艦内には沈黙が戻った。

だがその静寂は死を喚び、不甲斐なさと勝利の空虚さを反響させた。



to be continued…





【宇宙暦6409年3月30日 シュレヒト共和国 首都星 SHK(シュレヒト放送協会)首都放送局】


SHK(シュレヒト放送協会)放送


【アサクラ・シノ(メインキャスター)】

「こんばんは。シュレヒト放送協会、SHKです。現在、共和国の宇宙要塞〈チュウオウ〉にて、非常に重大な事件が発生しています。今夜は予定を変更して、特別報道番組をお届けします。」


(VTRへ切り替え)

映像:上空から映した要塞港湾区。煙と火災、逃げ惑う市民たち。警報が鳴り響く。


「午後6時頃、共和国側の宇宙要塞〈チュウオウ〉の第8宇宙港に、民間貨物船を装った帝国軍の装甲艦〈アハトウントアハツィヒ〉が強行着陸。その直後、突如武装を展開し、港湾施設・居住区・管制塔を含む広域に対して無差別攻撃を開始しました。」


画面左下に速報テロップ

《死者:推定12,000人以上 負傷者:5万人以上 市街地壊滅》


映像:市街地に逃げ込む市民、瓦礫と化した住宅地。泣き叫ぶ子どもと、遺体に覆い被さる家族。


「共和国史上最大級の民間人犠牲者が出たとされる今回の奇襲について、共和国政府は計画された戦争犯罪と公式に非難。軍事専門家の間でも、意図的な市街地攻撃の可能性が強く指摘されています。現在、緊急非常事態宣言が共和国全域に発令され、軍は戦闘態勢へと移行しました。」


【現地レポーター フジサキ・ミオ記者(チュウオウ避難区より)】

「私は現在、要塞内部の避難区にいます。外ではまだ煙が上がっており、一部区域では通信も遮断されたままです。市民は皆、『なぜここが狙われたのか』という思いで混乱しています。」


映像:避難シェルター内で混乱する市民たち。酸素マスクを抱える女性。


【政府会見・録画映像】

国会議事堂・緊急会見


【キシモト・ケンヤ首相(共和国元首)】

「帝国は我々の平和と寛容を愚弄した。彼らの刃は、子どもたちの未来をも焼き払ったのだ。共和国はこれに屈せず、正義と法によって応答する。」


映像:共和国宇宙軍の巡航艦が出撃する様子

《共和国艦隊、反撃準備か? 》


【アサクラ・シノ】

「共和国宇宙軍はすでに第一宇宙戦闘群を出撃させ、帝国領宙域近辺への警戒展開を開始しています。一方、帝国側からは現在も正式な声明は発表されておらず、緊張は急速に高まっています。」


【政治学者 アヤセ・トモヒサ氏(スタジオ解説)】

「今回の襲撃は、単なる奇襲作戦ではありません。これは“恐怖の演出”です。帝国は、自国の支配理念――いわゆる“銀河民族純化”思想を、再び宇宙全域に示威したのです。」


映像:追悼のろうそくを持つ市民たち、広場に集う人々。涙ぐむ高齢者。


《明日より共和国全域で3日間の追悼式 各都市で平和集会へ》


【アサクラ・シノ】

「市民の皆さま、どうか心を強くお持ちください。これは、私たちの“記憶と正義”の戦いでもあります。命を奪われた無数の人々を、忘れてはなりません。」


《SHKでは、犠牲者遺族への支援窓口を設置しました》


エンディング映像:

空虚になったチュウオウ要塞の市街地の夜景。かすかな灯りと、煙の影。


BGM:静かなピアノ音


【ナレーション】

「あの日、そこには何気ない日常があった。

そして今、焼かれた街の空が、私たちに問いかけている。

“このまま、黙っていられるのか”と。」


【番組終了時の字幕】

「SHKは、この惨劇を記録し続けます。すべての命が尊ばれる銀河のために。」


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【宇宙暦6409年3月30日 ヘーラウスラーゲント帝国 首都星 GTT(グロース中央テレビ)放送局】


GTT(グロース中央テレビ)放送


【クララ・フォン・ローゼンベルク報道官(女性)】

「帝国市民の皆様、ご安心ください。宇宙歴6409年3月30日、我が帝国正規軍は、共和国領にある宇宙要塞チュウオウに対し、限定的軍事行動を成功裏に実施いたしました。」


テロップ:

《作戦名:抵抗なき都市》

《参加部隊名:第八装甲駆逐艦隊、親衛隊特別任務部隊》

《作戦指揮官:クラウス・フォン・タンシュタイン少佐》


映像:

・出撃前の兵士たちに敬礼するタンシュタイン少佐。

・突入する帝国軍特殊部隊(カメラは後方から、演出された戦闘映像)。

・共和国軍の戦旗を焼却する様子。


【ナレーション】

「今回の正義作戦は、共和国政府が14年前の和平条約を踏みにじり、未申告の軍拡と反帝国プロパガンダを強化してきた事実に基づき、帝国民を守るため断固たる決断のもと発動されました。」


《共和国要塞チュウオウは、違法兵器開発と生体実験の温床であると判明》

《要塞内において、帝国民間人収容区の存在も確認(軍報告)》


【ルドルフ・フォン・フローリエルト(公爵)元帥(録画会見)】

「われわれは、ただ無辜を蹂躙する者に鉄槌を下したまでだ。帝国は侵略されるのを待たない。共和国による我が国民への長年の侮辱と挑発が、この剣を抜かせたのだ。帝国はただ、正義と秩序を取り戻す責務を果たしたに過ぎない。」


【クララ・フォン・ローゼンベルク報道官】

「帝国軍は、共和国要塞内部に潜伏していた工作員ネーベルシュタイン中尉の救出にも成功。作戦は迅速かつ的確に遂行され、部隊はすでに無傷で帰還済みです。」


テロップ:

《帝国正規軍:損失軽微/民間人への被害は最小限に留める努力》

《共和国側、情報操作を展開中(要注意)》


【プロパガンダ映像】

・子どもたちが旗を振って兵士を迎える演出

・帝国は平和を愛すというスローガンが画面下に表示

・総統の肖像画と「秩序・忠誠・勝利」の三大理念が交互にフラッシュ表示される


【クララ・フォン・ローゼンベルク報道官報道官】

「帝国市民諸君。今こそ、祖国の正義を誇るべき時です。共和国は卑劣な言葉を武器にしますが、我らは誇りと鋼鉄で応えるのです。」


《陛下から国民への特別声明:今夜21時より放送》


エンディング:帝国軍行進曲とともに


テロップ:

「帝国の剣は民を守り、帝国の意思は宇宙を導く」

【GTT放送は、真実と勝利を報じます。】




【ルドルフ・ロボーター総統 緊急演説】


「我が帝国臣民よ、今こそ結束のときが来た。

我が帝国は先般、共和国要塞“チュウオウ”において、不当なる挑発と欺瞞を受けた。

共和国は銀河秩序を乱し、我ら帝国民に対し無辜を傷付け続けてきた。


この度の秩序回復作戦──『銀翼の秩序』によって、我々は共和国の要塞を制圧し、帝国工作員を救出し、共和国の蛮行を止めた。

これは侵略ではない。銀河の秩序を回復する正統な行為だ。


共和国がいかなる声明を出そうとも、真の敵は混乱と無秩序である。

帝国は秩序と純血思想に立脚し、不倒の精神を持って銀河に臨む。


臣民たる者よ、一切の迷いを捨てよ。

グロース民族党の旗の下、真理と忠誠の矛を持ち、帝国の未来へと歩まん。


我が栄光は、我が民の一致と信念にある。

栄光あれ、ヘーラウスラーゲント帝国。秩序あれ、グロース民族。」




現地インタビュー(演出)


【ナレーション】

「帝国民は、国の行いをどう見ているのか。現地からの声をご覧いただこう。」


【少年(旗を振る映像)】

「私は誇りに思います! 大佐や中尉が帝国のために戦った。私もいずれ、秩序を守る騎士になります!」


【女性職員(涙ながらに)】

「無駄な犠牲を出さぬよう、政府の判断は正しかったと信じています。共和国の脅威に屈するわけにはいかないのです。」


テロップ:

「共和国プロパガンダに惑わされるな」「帝国の救いはあなたの誇り」




国内治安強化:内務省からの声明


秘密警察および監視体制の正当化


【クララ・フォン・ローゼンベルク報道官】

「帝国政府は、今回の事態を受けて、国内治安のさらなる強化を宣言いたします。いわゆる“共和国勢力による思想扇動”に対し、国家は全力で対処いたします。」


映像:

・親衛隊監視部のスタッフが、容疑者宅を調査する様子(演出映像)。

・街角に掲示される「国民義務:忠誠の誓い」「銀河民族純血法」ポスター。


テロップ:

「国家秩序を乱す思想運動は粛清対象」「統一思想教育の全国展開開始」




今後の展開と帝国の呼びかけ


【クララ・フォン・ローゼンベルク報道官報道官】

「帝国政府は、今回の作戦をもって《秩序の再構築》を宣言しました。今後は、銀河各地域において安定回復作戦が展開される予定です。全国の市民は、一部騒擾や不安の声に惑わされることなく、“帝国の秩序”と“純なる銀河民族の誇り”を守る義務があります。」


政府広報:

国民による“総統への鎮魂祈願”募金を開始

忠誠講習会と思想統一セミナーを各都市で開催(必須)

家庭内統制網──隣人通報・疑念者報告制度を運用開始


テロップ:

「総統を信じよ、共和国を倒せ」

「グロース民族こそ選ばれた民である」


【最後のナレーション】

「帝国は揺るがない意志を持つ。銀河における正統な秩序は、我らが護る。

全国臣民よ、声高らかに宣誓せよ。今こそ、銀河の正義と共にあらん。」



ここはこうした方がいいなどのアドバイス、誤字脱字があればぜひ感想欄に。

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