試作品001
銀河を支配し、星系間を一日で移動できる技術を手にした人類は、星間国家シュレヒト共和国とヘーラウスラーゲント王国という二大勢力による長きにわたる冷戦と戦闘を繰り返していた。だが14年前の「銀河大戦」を最後に講和条約が結ばれ、ヘーラウスラーゲント王国は崩壊し、ヴァイマルク共和国が成立する。
ところが2ヶ月前、急進的なグロース民族党が政変を起こし、ルドルフ・ロボーター総統のもと「人種的に純粋な国家」を掲げてヘーラウスラーゲント帝国が誕生。静かに軍備を増強し、再び戦火の兆しが見え始めていた。
そして現在、帝国軍の装甲駆逐艦「アハトウントアハツィヒ」が民間貨物船に偽装してシュレヒト共和国の巨大宇宙要塞チュウオウの宇宙港に侵入。艦長クラウス・フォン・タンシュタイン少佐の指揮のもと、艦内の突入部隊が無差別攻撃を開始。市民や作業員を問わず銃撃を浴びせ、港湾施設や居住区はたちまち地獄と化す。
混乱の中、共和国軍の作戦参謀カトウ・ナオキ少佐は親友で同僚のユガワ・シオリ大佐と共に逃走を試みるが、追跡する帝国軍の奇襲部隊に命を狙われる。
ネーベルシュタイン中尉と合流し撤退を図るが、戦火はますます激化。
共和国側は緊急非常事態宣言を発し、戦争状態に突入していく。
共和国と帝国、二大勢力の再燃する戦火が銀河の未来を大きく揺るがす。人々の命と信念が交錯する壮大な戦争の幕が今、切って落とされる。