聖なる海
ありがとうございます。
聖なる海、それは楽園が広がっていて天国に近い場所。
聖なる海、それは太陽がなくても光が満ち満ちている場所。
聖なる海、それは常人じゃ辿り着けない場所。
聖なる海にいけるのは何時になるだろうか。数年後、数十年後、数百年後。何年後になるのだろうか。
太陽がおはよう、こんにちは、こんばんはしてくれるのだろうか。渚が足を、それとも僕をすくってしまうのだろうか。温度は適温なのか、極寒なのか、灼熱なのか。
私はいつもそう思う。今日は曇天の空の下、ぐるぐるしくしく考えたよ。偉いでしょ。
何にもない私の現在地は生み出すことがたいへんだ。数少ない光とアスファルトを激しく打つ雨粒から必死にコネてコネて作る。それは難しくて苦しいし作ったものは誰にも干渉されないし孤独で悲しい。
それでもね、私は作る。聖なる海に案内してくれる妖精という名の子供を。産声なんて喜怒哀楽の集合体
でぐちゃぐちゃで聞けたものじゃないけど私は作る。いつか聖なる海に行けるように。いつか聖なる海で死ねるように。
私は妖精を何もない場所から風に乗せて飛行機雲として聖なる海に送っている。だがしかし聖なる海は答えてくれない。僕の子供を授かってくれない。私が気持ちよくなっても無意味なようだ。
ありがとうございました。