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『お願い!資料を見て!それか貴方が持ってかえって!誰かに知らせて!』
「ええ〜っ?なんでそんな事…」
言いかけて、誰かが戸を開けた音がする。「ひ!」
ムヅミが資料を出せと慌てながらも催促した。嫌々タンスを引き、資料やフォトアルバムごと自ら生み出した闇に放り込んだ。
「山伏式神様。どうしてここに?」
リスが廊下を爪で傷つけながらやってくる。
「あ、あの!散歩をしたくなって!」
「そうですか。よりによって、この家を訪れるとは…」
彼の顔から感情は読み取れない。「貴方も魔法使いの手先だったのですね?」
「違うわ!ムヅミとかいうワケワカンナイ魔が私をこの家まで──」
「ムヅミ。へえ、まだ生きていたか」
「あ、あ…えっと」
言ってはいけない事を口走ってしまったようだ。後ずさり、逃げれる場所がないか探す。
「ルシャ様の近親者とはいえ、なんとも雑魚な魔だ。育て方の違いだろうか」
リスが何やら小さい声で唱えると、結界が四方に張られてしまった。「あなた!ま、魔法使いなの?!」
「ああ、僕は遠方から呼ばれた魔法使いだった人間だ。今はルシャ様の門下にいる」
「やめて!殺さないでっ!な、何も悪い事してないじゃない!」
無様に命乞いするも冷徹な目で見下された。
「あのまま間抜けにルシャ様に取り込まれていれば良かったものを」
「た、食べる気だったの?!最低じゃない!」
「食べる?元に戻るだけだよ。ルシャ様の本来の形にね」
「え?え?あの、どういう…」
山伏式神はただ草薮にいた野犬を追いかけて迷い込んでしまっただけである。
「知らないのか?自らの出生を」
「当たり前じゃない!魔なんだもの!」




