第六話
どのように終わらせるか悩んでいたら遅くなりました。
「少しお待ちを確認します」
アマツ軍港の門の前で門番をしている兵士が電話を取り連絡をし始めた。
暫くすると若い士官がやって来た。
「君達が例の士官候補生たちだね」
「ハッヤガハラ候補生です」
「カトリ候補生です」
「サギリ候補生です」
「モトバシ候補生です」
敬礼すると士官も敬礼した。
「諸君が滞在中教官を担当する瀬崎中尉だ。
教官でも中尉でも呼んでかまわない」
案内するから着いてきてくれと早速軍港内を見て回ることになった。
と言っても僕の記憶が正しければアマツ軍港は駆逐艦数隻あるだけの小規模な軍港だ。
三方山と大きな湾の間にある平地となってる場所にある小さな漁村に隣接するようにある。台風の時には多くの漁船が避難してくる。ただ首都から遠く離れているから戦略的価値は低いとされ他の村や都市への往来の悪さから人は少なく無駄に広い場所になっている。
海軍では左遷先の一つとなっている。
そんな場所が今では大日本帝国軍が駐留する唯一の軍事基地だ。
「ここってアマツ軍港であってるよな・・・」
カトリが軍港内をキョロキョロ見ながら呟いた。
無理もない僕も、サギリやモトバシも記憶あるアマツ軍港と今の軍港とは違うからだ。
倉庫や兵士たちの居住施設などが増設されて湾内には戦艦が入れそうな大きな施設が三つあった。
「驚くのも無理はなな。我々が駐留してからかなり拡張したからな」
笑いながら瀬崎中尉は言う。
「艦隊と合流するのは明日だから後でゆっくり見て回るといい」
「瀬崎教官、質問をよろしいでしょうか」
「何だい?ヤガハラ候補生」
気になっていたことを聞いてみた。
「学校では日本のヤマト型戦艦をスワハラに売却するとのことですが真実なのでしょうか」
どうしても聞きたかった。
資料どおりならとても強力な戦艦をどうして売ってくれるのか、売ってしまっても大丈夫なのかと。
「真実だ。大和型戦艦の一番艦大和、二番艦武蔵を貴国に売却する。諸君は卒業後操る艦になるだろう」
真実のようだった。
じゃあもう一つの質問をしようと口を開こうとしたが先にモトバシが口を開いた。
「提供された資料に目を通しましたが、あのような強力な戦艦をスワハラに売却してもよろしいのでしょうか?日本の戦力低下をなりませんか」
「モトバシ候補生、君の質問は当然出てくるだろ。
だが心配することはない」
教官は笑顔を見せてこう言った。
「大日本帝国はすでに大和型の強化版である改大和型、超大和型を合計16隻保有しているからな」
えっ!?
ヤマト型を超える戦艦を保有している?
しかも16隻も・・・。
「そこまで強力な戦艦が必要になるほどそちらの世界地球では戦争があるのですか?」
「ある。いや、あったと言うべきか。これから先の未来に起こるであろう奴らとの戦争に備えるために必要なんだよ」
奴ら?どうやら大日本帝国は何かとの戦争に備えているようだ。
「奴らとは何者なのでしょうか」
「サギリ候補生、奴らは人でも国家でもないのだよ」
人でも国家でもない?どういうことなのだろう。
じゃあなにと戦っているのだろ?
「君達はドラゴンと呼ばれる生物を知っているかな?」
ドラゴン?たしか列強の一つのおとぎ話に出てくるだろ悪いやつだったかな
「列強の昔話やおとぎ話に出てくる翼の生えたトカゲのような生物です。それが何か」
僕らを代表してモトバシが答えた。
「大日本帝国や日本が加盟している人類連合はそのドラゴンと戦っているのだよ」
信じられないと思うがね。と言うが嘘を言っている様子はなかった。
「軍港を見回る前にドラゴンの説明を含めて少し地球の戦いの歴史を見て貰おう」
僕らは教官に連れられ本部と書かれた建物に入っていった。
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