第三話
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「艦長、目が覚めましたか」
目を開くと乗員の一人が声をかけてきた。
左右を見ると私はどうやらボートの上で横になっているようだ。
「グッ」
起き上がろうと体を起こそうとしたら頭に痛みがあった。
「申し訳ありません艦長が艦と運命を共にするとおっしゃり退艦を拒否したので強硬手段を」
申し訳なさそうに言う乗員にそうか、と言い辺りを見回す。
私が乗っているボートの他にも数隻のボートがあり離れないようロープで繋いであった。
この辺りにいる生存者は100名はいるだろうかボートに乗っているのは負傷者が多く乗れなかった者はボートか、漂流物にしがみついている。
他にも生存者がいるかもしれないが今はどうすることもできない。
食糧、水はほとんどない。救援が早く来てくれることを祈るしかない。
「艦長、我々は助かるのでしょうか」
別の乗員が聞いてきた。
「砲撃の音が聞こえなくなってかなりの時間が経過しています。ですがまだ友軍艦の姿が見えません」
確かに砲撃の音は聞こえない。海戦は終わっているのだろう。勝敗は多分こちらの敗北。
そうだとしたら友軍艦が来る可能性は低い。
「助けは来る。必ず来るそれまでなんとか生き」
「助けは来ないよッ」
皆を励まそう言ったが腕に傷を負った若い乗員が言った。
「艦長、見たでしょう?あの海戦をッ。最新鋭戦艦を含めた我が王立海軍が一方的に攻撃され次々と沈んでいく軍艦をッ。あれでは艦隊は壊滅は確実です。砲撃が、止んで暫く経つのに助けが来ないのは全滅したからじゃないのですか!!」
震えながら叫ぶ若い乗員の言葉に誰もが表情を暗くした。誰もが察していたが助けが来ると信じてた。だが限界がもう限界が近いのかもしれない。なんとかしなければ・・・。
「おい、あれを見ろ!」
誰かが叫んだ。
そちらを見ると別のボートに乗っている一人がある方向を指差していた。
その方向に視線を向けると小さいが艦の姿が数隻見えていた。
「見ろ、友軍艦だ助かるぞ!」
皆残った力を振り絞って声を出し、手を振った。
オールを持ち振る者もいた。
友軍艦も徐々に近づいてくる。
「ちょっと待てよく見ろあれは・・・ッ」
近づいたことでその艦隊のシルエットがわかるようになり私達は気づいた。
その艦艇の形は先の海戦で戦った敵艦隊と同じだったのた。
次回別の人の視点から始まる予定です。