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某大手ダンジョンをクビになったので、実家のダンジョンを継ぎました。  作者: 雉子鳥幸太郎
オブザデッドの孤島編 ~またも名刺を拾ったら~

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集結したプレイヤー

〈PLAYER:john dan〉


「話は後だ! 来るぞっ!」


あ、あれは、あめのまさん⁉

うぉおおお……自作武器クラのレジェンドが!


「ジョンジョン!」

「おぉっ!」


ルシール改を握り絞め、俺は土エルフと対峙した。


『『ギギッ、ギギギ……!』』


紅小谷と背中合わせに、少し離れてあめのまさんと花さん。

そして、ちらほらと他のプレイヤーの姿も見えた。


「紅小谷、他のプレイヤーも来てる!」

「ええ、そうね……なら、共闘して落とせるかも」


『ギギャーーーッ!』


土エルフが飛びかかって来た。


「くっ……オラァッ!」


フルスイングで土エルフの頭をぶち抜く。


『グギャッ⁉』


くぐもった声を上げ、土エルフが霧散した。


「土エルフか……初めてだけど、そこまで強くないぞ!」

「ええ! これなら……」


『んん……ラキィ?』

ラキモンがぴょんと俺の頭から飛び降り、どこかへ跳ねていく。


「お、おい、ラキモン!」


その時、岩の台座に座っている偉そうなアンデッドのエルフが持っていた杖をカンッと地に打ち付けた。


来たれ、我が同胞よ(インヴォカティオ)……』


さらに数十体の土エルフが召喚される。


「かぁーっ……あいつ倒さないと無限召喚っぽいな……」


仕方ない、ラキモンは後で探すか……。

その時、あめのまさんに向かって、数体の土エルフが一斉に飛びかかった。


「ぐあぁ……っ! こ、この……!」


あめのまさんはハンマーを横にして、土エルフ達の攻撃を押さえている。


「マズい! 誰かフォロー!」


声を上げ、周囲を見る。

だが、他のプレイヤー達も、いくつかのグループになって土エルフと戦っていた。


「きゃっ⁉」


フォローに入ろうとした花さんが、土エルフに跳ね飛ばされる。


「花さんっ!!」


クソッ、この土エルフどもがぁ……!

押し返そうとするが、そうしている間にもワラワラとその数は増え、とてもじゃないが力では押し返すことができない……!

ど、どうする……!


「苦戦してるようだな――」


フッと一瞬、視界が影で暗くなる。

誰かが俺を飛び越えて……⁉



『――――串刺しの(カズィクル・)九槍(ナインランス)!!』



地鳴りのような凄まじい衝撃――。

俺達を囲んでいた土エルフの大半が消滅した。


土煙の中から、懐かしいシルエットが……。


「リ……リーダー?」

「よぉ、ジョーン、久しぶりだな?」


「リーダー! えぇえぇぇっ⁉ な、なんでここに⁉」


見間違えるはずもない。

そこにはたしかにリーダー曽根崎の姿があった。


「仕事だよ、仕事。あめのまさんのボディガードさ」


そう言って、リーダーは座り込んでいたあめのまさんに手を貸した。


「いやぁ、助かったよ曽根崎くん。はぐれた時はどうしようかと……」

「はは、ほんとっすよねー」


「あめのまさんが言ってたプロのダイバーって……」と、花さん。

「ああ、彼のことだよ。もしかして……知り合い?」


「あめのまさん、とりあえず先にアレをやっちまわないと」


リーダーは愛槍のクライ曽根崎SPをレイズ・オベロンに向けた。


「でも、土エルフを相手しながらどうやって……」

「それなら何とかなると思うっすよ、あっちにヤベぇ爺さんいますから」


「「え?」」


皆でリーダーが親指を向けた先を見る。

すると、そこには手拭いを鞭のようにして、土エルフを粉砕する渋沢団九郎の姿が。


「わはははははーーーっ!! まだまだ若い者には負けんぞぉおお!!!」

「ほれほれ! お前らもしっかりやらんか!」

「「は、はいっ!」」


団九郎に檄を飛ばされ、周りにいた部下かSPかがそれに続く。


「相変わらず鬼すぎる……」

たしか『鬼蜘蛛の手拭い+999』とかだもんな、あれ……。


「嘘でしょ……あれがあの会長……」

「あんな優しそうだったのに……」


リーダーはクックと笑って、

「そういうわけなんで、土エルフは爺さん達に任せて、俺達はボスをやっちゃえばいいんすよ」と愛槍を肩に乗せた。


さすがリーダー、頼もしい。

さっきの攻撃といい、さらに強くなってそうだ……。


「よし、アンデッドといやぁ聖属性だよな……たしかアイテムボックスに……」


リーダーはボックスから小さな結晶を取り出した。


「それは……」

「ああ、これ和歌山の神倉ダンジョン行った時にドロップした『神石』ってやつ。538回目でやっとだぜ? キツかった~神社系はモンスもヤベぇの多いからさ」


そう言って笑いながら、結晶を見せてくれる。

結晶は勾玉のような形で青白く輝いていた。


「それ、聖属性なんですか?」

「ん? あー、まあ、神社だしな、御利益的な?」


「「「…………」」」


「え、あるだろ⁉ 御利益⁉ な、なぁ鈴音?」


「え? 鈴音……?」

花さんが驚いた顔でリーダーと紅小谷を交互に見る。


こ、ここでいきなりのキラーパスかよっ⁉

恐る恐る紅小谷を見ると、それはもう直視できないほど真っ赤になっていた。


「あ、アンタ……そんなこといってる場合じゃないでしょうがーーーっ!」


「あはは……悪い、だよな」


リーダーは困ったように笑って、勾玉結晶をピンと親指で真上に弾く。


そして、愛槍を横一閃に振り結晶を砕いた瞬間、光の粒子がクライ曽根崎SPの矛先に宿った。



「うっし、聖属性付与完了――行くぞ、ジョーン」



リーダーが走り出す。


「ちょ⁉ いきなり⁉」

「った……たわっ……もう! 曽根崎くんってホント勝手なんだから!」


花さんが紅小谷のことをチラチラと見ている。

たぶん、ふたりの関係を知らないから驚いてんだろうなぁ……。


でも、ホントのところどうなんだろ?

聞いたら殺されそうだが……。


「よしっ! 俺達は曽根崎くんのサポートに回ろう!」


あめのまさんが声を上げる。


「はい!」

「そうっすね! 行きましょう!」


俺達はリーダーの後に続いた。

ありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 一気に集まった! と言いつつ、コレで全員なんでしょうかね
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