魔術学院の転生ヒロイン
乙女ゲーム転生風味のものが書いてみたかっただけです.
唐突だが私には前世の記憶がある
生まれた時から持っていたもので、前世から今がそのまま繋がっているような感覚だ
よくある転生小説とかで気がついたら赤ん坊になっていたパターンほぼそのままだ
なぜ、今この話をしているのかというと
王都ライム地区106ー67ー2 リーザ様宛
魔術学院入学証
こんな物が届いたからだ
魔術学院は魔力を持った人物が必ず入らなければいけない学院でその99%は貴族で構成されている
……私は一応平民なんですけどね?
ああ、一応と付く理由は私が拾われた子だからで拾ってくれたのが今の父と母だからだ
本当に拾ってくれた父と母には感謝してもし足りないくらいだ
裏路地にボロ布に包まれて置かれていたらしいので捨てられる前は貴族だった可能性も無くは無いのだろうが可能性は低いのではなかろうか?とも思っている
まあその一応平民の私はどうやら魔力があったようで、入学証などというものが届いてしまった
強制で入らされる上に3年間は寮生活
今から憂鬱になるうえになんだかこういうのは転生小説によくあるパターンな気がするからそれも嫌になる
平民だからという理由でいじめられたり、大量の魔力持ちだったり、稀有な属性だったり、なんか御曹子とかに気に入られたり?
チートだとか転生前知識を利用だとかゲーム世界に転生だとか色々なものを見ていたから変な知識だけは持っている
だが読むのはいいが体験するのはごめんだ
私は平穏に暮らしたいんだ
愚痴を言っていても仕方ないし、寮生活の準備をするか……
できれば何にも巻き込まれませんように…
やってきました魔術学院
貴族ばっかりだからだろうか、やたらと目の前がキラキラしている
制服はブレザーに似たような服でデザインはかなりいい
ただ魔法を使ったりするという事で安全のために魔法低減効果のある布を使っているらしくやたら高い
平民は貴族に比べてお金が無いからという理由で制服は学院からプレゼントされるのだがそうでなきゃ借金でうちが潰れていただろう
……今年は第3王子や有力貴族の息子達が揃って入学しているという話を聞いて現実逃避している訳ではない
ついでに今目の前に居るのが第3王子だと周囲が言っているのを聞いて遠い目をしているわけでもない
うっかり周囲を観察しすぎて王子にぶつかったのってなんかイベントっぽいなとか
後ろに居るお嬢様らしき人が「ヒロイン……」って呟いたのとか
周囲の人がこっち見てて完全に顔覚えられたっぽいなとか
王子とその取り巻きっぽい人達に見事に遭遇したなとか
なんだか色々面倒なことになりそうな気がしてきてとても頭が痛い
「お嬢さん。大丈夫ですか?」
第3王子(仮)が声をかけてくる
肩ほどの長さに整えられた美しい金髪にキラキラと輝くペリドットのような瞳
美人とイケメンの中間に位置してそうな顔面と中に声優さんでも入ってそうなイケメンボイス
すっごい典型的な感じの王子様(仮)だな
「え、あ、大丈夫。です。ぶつかってごめん。なさい。そっちも大丈夫?です?か?」
敬語が微妙なのは見逃してほしい
今世で敬語使う機会なんかなかったから案内が来てからの3ヶ月で付け焼刃レベルで身につけたんだ
「こちらは大丈夫ですよ。お嬢さんに怪我がなかったようでよかったです」
手を差し出してくる第3王子(仮)
いや、これ多分手を取ったらなんか面倒なことになるやつじゃないか
「大丈夫!です。じゃあ!」
こういうのは逃げるが勝ちだしさっさと退散することにするよ
私はああいう人たちと関わらない普通の生活が送りたいんだ!!
その後魔力測定で規格外の値を出したり、それが原因で攻略対象に付きまとわれたり、予想はしてたけど悪役令嬢役の人も転生してると知ったり、実はあの行動が乙女ゲームの導入シーンそのままだったらしいと知ったりするのはまた別の話
主人公:乙女ゲームのヒロイン
乙女ゲームはやったことがないため原作は知らない
旦那(希望)が居るので攻略対象を攻略する気はない
第3王子:乙女ゲームの攻略対象
ゲーム内では優しい系担当
ゲーム補正でヒロインに惚れるがこの後(メンタルが)ぼこぼこにされる
悪役令嬢:悪役令嬢に転生した元日本人
このゲームをやったことがあり、第3王子がヒロインに取られないように色々作戦を立てていた
ヒロインが敵でない事を知ってこのあと仲良くなる
その他攻略対象者
俺様系侯爵子息、ツンデレ系宰相子息、寡黙系騎士、元気っ子系魔導師、ドS系教師