表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

侵略者

作者: 木村海斗

 けたたましいサイレンと怒号が鳴り響き、寝ていた者達も戦闘の準備を始める。

「おい、まさか」「そのまさかさ。ここまで、来たんだよ。あいつらが」ここは、最後の砦だ。あいつらが侵入してしまえば、被害は必ず出る。

「行くぞ」隊長に呼ばれ、俺は初めて最前線に赴く。怖い。でも、大丈夫だ。

 そう、思わざるを得なかった。

 俺はあいつらを初めて見た。あいつらは黒く分厚い装甲をまとい、見た事の無い黒い怪しい物体を持っていた。

 一人が何か叫ぶと響きわたる爆音と共に突然、隣の仲間が体から血を流し倒れた。何が起きたんだ。思考が回り始める前にまた爆音が響く。また一人、倒れる。

 と、これを合図に次々に爆音が響き隊長もみんな血飛沫を上げて、その場に崩れ落ちた。

 絶望した。こんなのに勝てる訳が無い。そして、俺は逃げた。「脱兎の如く」とは正にこのことだった。

しかし、俺はただの脱走兵だ。

 数日後、俺は村に戻った。建物は全てを焼かれ、仲間達は皆変わり果て、もう街の面影は殆ど無かった。

 俺の心は、怒り、憎しみ、復讐で染まっていた。いつか絶対に復讐してやる。絶対に殺してやる。全員殺してやる。

 でも、それまでは何処かこいつらのいない場所へ逃げて――――

 走る、駆ける、逃げる。と、その瞬間に目の前に広がる四角い創造物と光。

 全身の血の気が失せた。嫌だ、そんな―――― 

 そうか。あいつらからしたら俺達などすぐに掻き消す事が出来る種族だったのか。





 俺はあの日、敵の名を知った。俺達を破滅に追いやったあの、侵略者の名を。

 その名は、ニンゲン。

 俺はお前等を許さない。

 絶対に。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公は誰なんですかね…蟻かな? [一言] 面白い視点だなあと思った(KONMAI)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ