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3話  徳光の夢



徳「ふふふ・・・・ついに、この時が来たか」


人気のないリビング。そこにあるのは大きな水槽。声は、その水槽の主が発していた


徳「当初から弄られ、水槽を割られ、ハリネズミにされ、気絶させられ、置いて行かれ・・・今までの扱いは思い返してもひどいものだったが・・・ようやく、俺が主役になるときが来たようだな・・・そう!!!これは俺が主人公だ!!今こそ俺の力を存分に発揮する時が来た!!」




ま、夢なんですけどね。




徳「え・・・・??」






















「おい・・・・・起きろ!!徳光!」


「ん・・・??」


徳光が目を覚ますと、目の前に楓に似ている顔が目に入った


「楓???」


「何寝ぼけてんだよお前は。俺だ、ケディアだ」


「ケディア??」


徳光の眼には楓にしか見えないが、どうやら別人・・・らしい


「で??準備はできたのか?」


「準備??」


徳光は首を捻る。そして


「ん??人間??」


そう、徳光は人間になっていた
















「なるほど、それで今日が旅立つ日だと・・・何処のRPG??」


楓・・・じゃなかった、ケディアの話を聞くところによると、この世界の魔王キユウが、この王国の姫様であるミグメ姫をさらってしまい、それを助けるために名乗りを上げたのが徳光で、王国の精鋭4人とともに魔王城にカチコミかける日が今日らしい


そして、その四人というのが・・・




「この面子で魔王城に行くからな」


ケディアが指す方向には、三人の人間がいた


「まず一番左。女でありながら化け物みたいな力を誇る戦士、カーヤ」


「ちょっと、その言い方は失礼じゃない??」


とてつもなくデカい剣を軽々と持っているのは、どう見ても彩花


「隣の二人は、魔道の道を極めた最強の魔道士兄妹。兄のヤシズと、妹のオリカだ」


「どうも」「・・・・・・」


色違いの帽子をかぶり、片方は鉄、片方は木の杖を持った兄妹。詰まるところの静也と香織にしか見えない


「とりあえずなかむらけの子供軍団だね」


それが徳光の感想だった




「とりあえずいくぞ、まずは勇者の装備を手に入れなくては」


ケディアが先頭に立って歩いていく。残りの三名もぞろぞろとあとについて行く


「まて、俺が先頭を歩く」


ケディアの話では徳光が勇者。なら先頭歩くのは俺だといわんばかりに徳光が先頭に立つ。するといきなり地面が爆発した




徳光LV4 HP0/56










「この辺には地雷が埋まってるから気をつけなきゃ」


棺に入った徳光を引きずりながら彩花が愚痴る




「だから俺が先頭歩いたんだがなぁ・・・」




ケディアLV86 HP3058/3058




「とりあえずなおそっか、リフレイン」




徳光LV4 HP10/56




「まって!!お前たち何でそんなにレベル高いの!?」


徳光が皆のステータスウィンドウを見て突っ込む。というのも




徳光 LV4 HP10/56




ケディア LV86 HP3058/3058




カーヤ LV100 HP9925/9925




ヤシズ LV68 HP2002/2002




オリカ LV55 HP1052/1052 






「何このレベルインフレ・・・・・・」


RPGはRPGにしても、どうやらクソゲーらしい。最初っから最終エリアくらいなら余裕でクリアできるくらいレベルが高い


「特に彩花!!じゃなかった・・・カーヤ!!お前にいたっては次元が違うだろ!!何初期からMAXって!!」


「それはだってあたしだし」


「いみがわからない!!っていうか何でほぼ足手まといの俺連れて魔王城に特攻するんだよ!?お前たちだけで軽く殺れるだろ??」


「きみ以外に勇者の素質をもつものがいなかったんだよ」


唐突に、静也が喋り出す


「魔王キユウは勇者の剣でしか倒せないんだ。そしてその剣は素質のある者にしか使えない。その素質をもつものが徳光、君なんだよ」


静也の話しを聞いた徳光は


「なるほど!!つまり俺がいないと魔王は倒せないってわけね!!」


有頂天になった・・・・・・




「・・・・・・これ、殺して良い??」


オリカが非常に怖い声で呟く


「だめだぞオリカ、一応勇者だ、殺るなら戦闘中にしろ」


「ケディア、それもだめじゃないかな・・・・・・」


何というか、こうしていまいちまとまりが無いまま、勇者一行は旅に出発した








ちなみに、今までのやり取りが行われたのは村のすぐそばである














旅立ちから二日が経った




徳光たちは最初の遅れを取り戻す勢いで、というかもう明らかに早すぎるスピードで着々と魔王城に近づいていた。




現在、最初の村と魔王の城のちょうど真ん中。その名も『カマンナ村』に来ていた・・・・・・










































「それにしても・・・・・・いろいろと戦ってきたなぁ・・・・・・」


徳光がしみじみと思いにふけっている。二日で徳光のステータスは劇的に変化した。




徳光LV66  HP6230/6230






どんなインフレか、と突っ込みたいところなのだが仲間が仲間なので納得できるから不思議だ






『ボケてないで戦え!!!!』


徳光の周囲から怒号が響き渡った。ちなみに現在戦闘中である


























「おおりゃああぁぁ!!!!!!!!!!」


カーヤがとんでもない大きさの剣を振り下ろし、大量のモンスターもろとも地面を抉る。一撃一撃がえげつない威力を誇っているために、時折仲間も巻き込まれそうになっている。ちなみに彼女のステータスは


カーヤLVMAX  HP9999/9999


ATK   カウンターストップ


DEF   カウンターストップ








「・・・・・・」


その隣でケディアが無言で敵を駆逐していく。剣士のくせに針を武器にするこの男は大道芸のように動きまわりながら一瞬で敵を葬る。




ケディアLV98    HP9852/9852


SPD   カウンターストップ


ATK   カウンターストップ








「・・・ヘルボルケイノ」


オリカはオリカで禁呪クラスの魔法を連発し、モンスターを地獄にたたき落としている。普通ならかなりMPを消費するはずなのだが、気にもせずに連発している。なぜなら






「全く・・・・飛ばしすぎだよ。こっちの身にもなってよね」


後ろではヤシズが連続でマジックポーション(MPを回復させる薬品)を使用しているからだ。それにしてもこの男、一見まともにも見えるが右手でオリカにアイテムを使い、左手でさっきから禁呪を詠唱無しで放っている所から推察する通り、やっぱり化け物である






オリカ&ヤシズ




LVMAX   HP8562/8562




INT  カウンターストップ


MP  カウンターストップ






以上、仲間と書いて化け物の紹介。







「敵を倒したは良いけど村の方もいい感じに壊れてるよね。何あのハリネズミみたいな屋根、だれだよ」


戦闘が終了し、もはや災害クラスの被害を被っている村の状況。それを見て徳光が頼もしい仲間をジト目で見る。


直接的な原因は明らかにカーヤなのだが、それにしても皆やりすぎである


「まぁまぁ、良いじゃない」


快活に言うケディア。お前のせいだろ、少なくとも屋根の件は。


などという突っ込みをこらえ、徳光は魔王の城の方を睨む


「此処までチートクラスの仲間がいるんだ、魔王とか瞬殺っしょ」


「かもな、勇者の装備もそろってるし」


そう、割愛された二日の間に勇者の装備は全て回収できていたのだ。


「後は城に行くだけか??」


「そうだな、後は直前にあるゴサイ村で準備を整えてから城に特攻かけに行くぞ」




















大惨事になっている村を出てから5時間後、徳光たちはゴサイ村の前にいた


そこまでの道のりの中でも敵に遭遇したが、大抵が一撃で塵と化しているために割愛。


徳「あのさ・・・・」


ケ「言うな。何も言うな」


徳「いやでもこれ・・・・・・」


ケ「良いんだよ、黙っておけば」


カ「襲撃されてるね、この村」


徳・ケ「「!?!?」」


そう、なぜかこの村も襲撃されているのであった。それだけならまだよかった


徳「あそこであの大量の敵と渡り合っているのは何??仲間割れ??」


ケ「違うだろ、どう考えても人間だよ」


徳「あれだけの敵と戦っている村人は人間とは呼べないだろ。せめて化け物だ」


どうしてか知らないが、二人の村人が戦国無双よろしく暴れまわっていた




徳「とりあえずぶっ飛ばすか」


全「了解」






それからの話は簡単にするとこうなる






ちゅどーんちゅどーんちゅどーん


ざくざくざくざくざくざくざくざくざく


ぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・








以上、惨劇の場でした













Message body




「で、あんたたちは誰??」


最初にかけられた言葉がそれだった




群がる敵を殲滅し、落ち着いた村での会話である


「俺たちは魔王を倒すために旅をしているんだ」


徳光が質問してきた少女に返答する。が


「魔王??ああ、キユウのことか」


少女は魔王を呼び捨てにした。しかも口ぶりからすると親しげにさえ聞こえる


「知り合いなのか??お譲ちゃん」


ケディアが若干驚きながら問いかける。すると


「おい、そこのハリネズミ、今なんつった??」


キレた。何の脈絡もなく。いきなり


「魔王とお知り合いなのでしょうか、御嬢様」


ハリネズミにはあえて触れずに、恐ろしいくらい丁寧に質問しなおすケディア。しかし


「直すのはそこじゃねぇよハリセンボン。あたしのことを『お譲ちゃん』だと??あたしは16だ!!」


ハリネズミからハリセンボンにランクアップ。いやむしろダウン


「(うっそだ~・・・・・・)・・・悪かった、それでだ、魔王を呼び捨てにするなんて、魔王の知り合いなのか??」


「いんや、単にあたしは大抵の奴は名前で呼び捨てるんだよ。それだけのことだ。な、ヤクタ」


自称16歳の少女は、後ろにいた男に話しかける


「まぁ、お前はいつもそうだよな。ということなんだ。だから俺たちと魔王に繋がりはない」


ヤクタと呼ばれた背の高い男はそう言うと、けだるげに双剣を鞘に納める。警戒は解いてくれたらしい。




「ヤクタ!!大丈夫!?」


「あたしの心配はどーしたんだミア」


「リホコは基本的に大丈夫だから!!」


「・・・・・・信頼に対して喜ぶべきか投げやりな態度に怒るべきか・・・・・・」


なんかうるさいのが来た。


「あぁ、こいつは俺の妻のミアだ。うるさいが気にしなくていい」


「何それ!!酷くない??」










こうして、ゴサイ村にて一晩休み、ついに魔王城に突入したのだが・・・・・・








「さて、次行こう」


「ちょっと待てケディア、お前が今倒したの中ボス的な奴じゃないのか??」


「ん??そうなのか??」


現在魔王城5階。小突いて中ボスを撃破し、残るは魔王と四天王だけである










~第一層~




「お前らが侵入・・・・・・」


「えい」


ドガッ!!


「次々~」






~第二層~




「残念だがお前たちが・・・・・」


「邪魔」


チュどーん


「ん??なんかいたか??」


「虫??」






~第三層~




「お前たちの墓場は・・・・・・」


「・・・・・・・・・」


ぷすっ


「無言はかわいそうだよ」


「別にいいんじゃないのか?」






~第四層~




「良くここまで来たと誉めてやろう。だが・・・」


「お疲れさまでした~」


ひゅっ


「何したの??」


「キルスナイピング」


「わお」






・・・とまあこんな感じにサクサク進み、魔王城の最上階、キユウの間にたどり着いた












キ「ふぅん・・・・・・徳光の割にやるじゃんか」


徳「ひゃっほう!!最初からメタ発言だぜ!!」


キ「とりあえず、メンドイけど死んで???」


徳「お前は何もかもが悠生だな!!脈絡なさすぎだろ!!まぁいい、お前を倒して姫をすくう!!」


キ「いや、俺の妻やし」


徳「良いんだよ現実のことなんか!!だいたい――」


~チャキっ~


徳「――ちょっと、みなさん??武器を向ける相手をまちがってませんか??」


キ「ちなみに言うとな、そいつらは俺の配下で、本当の四天王だ」


徳「だと思ったよ!!」


ケ「悪いけど」


カ「お前は」


シ「ここで」


オ「死にます♪」


徳「最悪なオチだァァァァ!!!!!!!!!」












「はっ!!」


目が覚めた。体の感覚から、そこが水の中だとわかる


そう、夢だったのだ


「なんだ、夢か・・・・・・」


「さぁ?それはどうだろうな・・・・・・」


息をつく徳光の後ろから、黒いオーラを纏った声が聞こえる


「・・・楓??」


方向転換して声のした方を見ると、楓を始めとした家族の面々が笑っている。


笑っているのにプレッシャーが半端じゃない


「・・・・・・とりあえず・・・・・・死ぬ??」


「なに、こっちでも俺死ぬの??」


「・・・・まぁ、そんな所だ」








こうして徳光は、その短い生涯を終えた・・・




・・・と思ったらなんだかんだで生きていた。




相変わらずオチが微妙な徳光だった



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