わたしの好きな虹の町
わたしの居る町はとても美しい町です。
なぜなら町の至る所で虹が見れるからです。
海に虹が映って綺麗です。川にも虹が映って綺麗です。
地面も道も山も雨も壁も、見える景色がみんなみんな虹色です。
わたしの居る町は毎日薄暗いです。
お空がいつもどんよりとしているからです。
だからわたしはお空の虹は見たことがありません。
でも、お空の虹もきっと美しいんだと思います。
わたしはわたしの居る町が大好きです。
生まれてからずっと、この町で育ってきました。
でも、遠くにお引越ししないといけなくなりました。悲しいです。
お父さんもお母さんも働いていた近くの大きな工場を辞めてしまいました。
なんで引っ越すのって聞いたら、わたしのためだって言いました。
引っ越すことが、どうしてわたしのためになるのか分かりません。
わたしはわたしの居た町が懐かしいです。
目はシパシパしなくなりました。咳をコンコンしなくもなりました。
お空は晴れてて青いです。
でも、町で見ていた虹色が全然見れなくなりました。
今はもう、お空の虹がたまに見ることができるくらいです。
海も川も山も地面も空も、みんなみんな青色ばっかりで寂しいです。つまんない。