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海を漂う  作者: tomo
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三年1

 十月に入り、幾分肌寒くなってきたが、眩しい日差しにはまだ夏の余韻を感じる。


 そのためブレザーを着るにはまだ早いと思うのだが、学校指定なので仕方ないと言えば仕方ない。


 今年は異常気象とも言えた夏の暑さをひきずっているのか、昼間には半袖で過ごす人も珍しくないほどの気温だった。


 天気予報によれば、来週には平年並みに落ち着くらしいが、にわかには信じがたい。



 佐々木大祐は駅の改札を抜け、学校へと向かっていた。


 駅を出るとすぐにコンビニエンスストアが見える。


 この駅の周りだけで三店舗もあり、飽和状態に見えるがそれぞれの売り上げはそんなに悪くないらしい。


 今、目の前に見えている店にも、通勤、通学と思われるスーツや制服姿の客でまずまず混んでいた。


 その様子を一瞥して先に進むとマンションが立ち並ぶ。


 ここはニュータウンで新しい建物が多い。


 しかし、その中にも都市開発前からあるであろう団地もあり、まさに発展途上という感じだった。



 この道を通るようになってから二年半の月日が流れた。


 大学受験を半年後に控え、この道をこの季節に通るのは最後だなと考えながら見慣れた道を進んでいる。


 街路樹が色づくにつれ、その思いが強くなっていた。


 中学生の時にはそんな感情になったことはなかったが、高校生である今は強く感じる。


 年齢を重ねたということなのか、今の時間が特別なのか、自分では分からない。


 駅を出てから五分ほど歩くと比較的大きな交差点に着いた。


 信号待ちをしながら、そろそろだなと思っていると、いつもの通り高屋誠が現れた。


 佐々木と高屋は同じ高校に通うクラスメイトだ。


 高校に入学した後に初めて会ったにも関わらず、高校時代を振り返るとそのほとんどの場面に高屋が登場してくる。


 誰とでも親しくなる高屋と違い、あまり周りと打ち解けられない佐々木にとっては唯一の気の置けない友人でもあった。



 高屋とは毎日、この場所、つまり二人の通学路が交わる地点で出会う。


 傍から見れば、待ち合わせをしているように見えるだろうが、実際は待ち合わせをしているわけではない。


 それでもいつもこうして二人で登校している。


 佐々木は毎日同じ電車に乗って、高屋も毎日同じ時間に家を出ているから、結果としてこのようになっただけだ。



 佐々木はいつものように鞄を高屋の自転車のカゴに投げ入れたが、高屋の顔を見ると、様子がいつもと違っていた。


 興奮を押し殺したような雰囲気もそうだが、何より左目の上には、白のガーゼが貼ってあった。


 坊主頭で色黒の高屋の顔には、白のガーゼは非常に目立っている。


 そのせいで隣を通り過ぎる人たちがじろじろ高屋の顔を覗いてきた。


 佐々木は自分まで見世物になっているようで多少の不快感を覚えた。


「どうしたんだ、それ?」


「何だと思う?」


 高屋の顔は押し殺してあった興奮が染み出てきたように、にやついていた。


「俺が知ってるわけないだろ」


 高屋の顔は自慢げに緩んだ。


「実は昨日、俺、殺されかけたんだ」


「へえ」


「聞きたいか?」


「別に」


 興味がないこともなかったが、そのような言われ方をするとどうしてもこう答えてしまう。


「おいおい。そんなこと言うなよ」


 高屋は佐々木の意見を無視して話し始めた。


「昨日さ、予備校からの帰り道にあの公園を通ってたんだ。お前も知ってるだろ? あの公園だよ」



 高屋の予備校からの帰宅路には公園があった。


 住宅街の中にある、遊具と狭いグラウンドがある公園だ。


 そこに夜中にも関わらず集まって大騒ぎする奴らがいるから度々、住民から苦情が寄せられていた。



 佐々木は高屋のもったいつけたしゃべり方が面倒くさかったのだが、「それで?」と先を促した。


「考え事をしながら自転車を漕いでいたら、急に目の前に男が三人、立ち塞がったんだ。まさに、湧きあがってきたって言うのか、本当に突然現れたんだ。俺が慌てて急ブレーキをかけたからぶつからずに済んだけど、あれは、俺じゃなかったらぶつかってただろうな」


「それで、お前はいつになったら殺されかけるんだ?」


「慌てるなって。ここからだよ」


 高屋は顔を歪めた。


 おそらく昨日のうちに何度もどう話すかシミュレーションしてきたのだろう。


 話し方が少し芝居がかっていた。


「その三人に見覚えがないか、一人一人の顔を見てみたんだけど、やっぱり記憶になかったんだ。だからそのままよけて通り過ぎようとしたら、急に真ん中にいた男が、多分そいつが三人の中でリーダーなんだろうけど、自転車ごと俺を蹴ってきたんだ」


 高屋はいよいよ最大の盛り上がりの場面だというように声のトーンを上げた。



 一方で佐々木は不思議だった。


 どうして高屋は自分が被害者なのに、こんなに楽しそうなのだろうか。


 まさか、自分が蹴られたことよりも、他人と違う経験が出来た喜びが上回っているとでもいうのだろうか。


 気持ちは分からないでもないが、とても理解できなかった。



「蹴り倒された俺は、事態が呑み込めなかった。当然だろ。何の前触れもなく蹴られたんだから。そんな俺にそいつが、顔面とわき腹と、一発ずつ蹴りを入れてきやがった」


 高屋はその痛みを表現するように顔をしかめて、わき腹をさすった。


「それで、その時に俺を蹴ってきた奴が、『俺の女に何をした!』とか『殺してやる!』とか言ってきたんだ」


「何だ。それなら自業自得じゃないか。お前がその女の人に何かしたんだろ」



 そう言うと、高屋は慌てて否定する。


「ちょっと待ってくれよ。俺にはそんな覚えないし、そもそも俺がそんなことするわけないだろ」



 高屋の言葉に反応せず、佐々木は考えを巡らせていた。


 この話を聞いて真っ先に思い浮かべたのは、数か月前からこの近辺で頻発している強姦事件のことだ。


 夜道に一人で歩いている女を見つけて、車に引っ張り込むという手法をとっているということだった。


 最近は市をあげての厳戒態勢をとっていたので鳴りをひそめていたが、一週間前にまた事件が起きてしまった。


 と言うことは、高屋が強姦魔に間違えられたということなのだろうか。


 佐々木は一度そう考えたがすぐに、いくらなんでもそれはないだろうと自分の考えを退けた。



「あの強姦事件の犯人に間違われたんじゃないのか」


 佐々木は的外れを自覚していたが、高屋をからかうつもりで最初に頭に浮かんだことを口にした。


「ああ。今、話題のやつか。そうだとしたら、俺みたいな、見るからに優等生である奴と間違えるなんてあの三人組の思考回路が狂ってるとしか思えないな」


「お前は正常な思考回路を持った人からすると、充分、犯罪者に見えるけどな」


 実際、高屋はこの夏まで野球部のキャプテンを務めており、体格が良かった。


 女性であれば数人で束になってかかっても、軽くあしらってしまうだろう。


「お前、親友がこんなになってるのに酷いな。今日にも俺はあの三人組に殺されるかもしれないんだぞ。そう思うと昨日は怖くて眠れなかったんだ」


「嘘吐くなよ。俺よりよっぽど顔色がいい」



 その時、高屋は何かを思い出したかのようにあっという表情になった。


「そんなことはどうでもいいんだって。その後の方がもっと大事なんだ」


 途中で口を挟まれたせいで、肝心の部分を言い忘れたようだった。


「どうして、俺がこの程度の怪我で済んだかって言うと、実は、俺が二発蹴られて、これはやばいと思った時に公園の入り口の方から誰かが大声で叫びながら走ってきたんだ。その大声に驚いたのか知らないけど、その三人組は逃げだしたんだ」


 高屋はどうだと言わんばかりの顔になった。



 そういうことだったのかと佐々木は納得した。


 そのことが嬉しくて出会った時から興奮していたのだろう。


 暴行に遭う人は少なくないだろうが、その場面で助けられる人は数えるほどしかいないはずだ。


 だけど、暴行を受けたことには変わりなく、そのことを放っておいて嬉しそうに話すのは違和感があった。


「それは運が良かったな」


 佐々木はあえて何の抑揚もなくそう言ってやった。


「おい。もうちょっとリアクションの仕方があるだろ。俺のピンチに正義のヒーローが現れたんだぞ。それでもそのリアクションなのか? つまらない奴だな」


 高屋はがっかりしたことをアピールするために、大げさに自転車を持っていない方の腕を広げてみせた。


「実際にそんなに面白い話じゃないだろ」


「何をそんなに苛々してるんだよ?」


「別に苛々なんてしてないよ。いつもと変わらない」



 確かにこの時、佐々木は苛々していた。


 だが、佐々木にはその対象物が何なのか分からなかった。


 じろじろ眺めてくる人に対して? それとも、朝から昨日の出来事を自慢げに話す高屋に対して?


 答えが見つけられなかったが、そのどちらでもないことだけははっきりしていた。


 心の中に、悶々とした感情だけが取り残された。


 その後、他愛もない話をいくつかして学校にたどり着いた。


 校内では通学路よりもじろじろ見られる。


 佐々木たちの高校は、県内有数の進学校を自称するだけあって、顔に傷を負った男はもの珍しいのだろうが、やはり不愉快だった。


 怪我をしているのは高屋であるのに、あたかも怪我を負わせたのが高屋であるような怯えの目を向けられる。


 周りが通り道を開けるような雰囲気があった。



 そんな中で最初に声をかけてきたのは、上本由利であった。


「高屋君。どうしたの、その顔?」



 由利と佐々木は高校一年の秋から付き合っている。


 肩にかかる程度の髪の長さの、大きな瞳が特徴的な女の子だ。


 彼女は教室に入ってきた二人を見ると、佐々木にあいさつをする前に高屋に声をかけた。


 佐々木はその二人の方をじっと見た。


「聞いてくれよ、由利。実は昨日さ……」


 高屋は通学時にした話を始めた。



 由利が話しかけたのがきっかけになり、他のクラスメイトも話しかけてきた。


 最初は戸惑っていても、由利が話しかけたことで安心したみたいだ。


「お前、大丈夫なのか」


「警察に行った方がいいって」



 みんなが、それぞれ心配を口にする。


 やはりこのクラスでも高屋の怪我は好奇の的だった。


「高屋君、大変だったみたいだね」



 昨日の出来事を自慢げに、しかも何度も披露する高屋を冷めた目で見ている佐々木に由利が話しかけてきた。



「あいつも相変わらずだよ。昨日、怖くて眠れなかったなんて言ってるけど、あんなの誰が信じるんだよ。この話をみんなに出来ることが嬉しくて眠れなかったって方がよっぽど信じられるよ。こんな話、他人にするものじゃないだろ」


 佐々木は依然として苛立っていた。


 しかし、自分ではまだ何に対して苛立っていたのか分かっていなかった。


 そして、その苛々の原因が分からないことにさらに苛々させられた。



 だけど由利はあっさりと心の奥を見透かしてしまったかのように言う。


「大祐君は高屋君が怪我させられたことが、悔しいんだよね。でも、あれだけ元気なのは、助けてくれたおじさんのおかげだね。まずはそのことに感謝しなきゃ」



 佐々木は、そうか、と思った。


 この苛々は悔しさだったのか。由利が言うなら間違いない。


 そう思えるのは以前にもこういうことが何度もあったからだ。


 例えば、高校一年の時の卒業式のことだ。


 クラスの副委員長である佐々木は、強制的に卒業式に出席させられていた。


 三年生に知り合いもいなかったので、これほど退屈なものはないと思っていた。


 まさに本当の他人と言うべき人の卒業などに感情移入をするのは不可能だ。


 早く終わらないかとパイプ椅子に座って壇上に上がる卒業生を見ていた。


 パイプ椅子に長時間座らされていたせいで尻が痛かったことは鮮明に覚えている。



 それでも式は一応、感動的なものに仕上がっていた。


 卒業生代表が感動的な言葉を言い、それに応えるように在校生代表が言葉を返す。


 そして最後は合唱で締められた。


 形式上は上出来な卒業式だった。


 しかし、その光景には違和感があった。


 やはりそれは形式上なのだ。


 表層的なもので中身が伴っていなかった。


 その場にいるほぼ全員が涙を流さず、むしろ上の空で式をやり過ごしていた。


 こんなに卒業式って味気ないものなのかと思わずにはいられなかった。


 普通の卒業式は、生徒や保護者、先生が目を腫らして抱き合うような雰囲気の中で行われるものではないか。


 あれはイメージの中だけだったのかと失望した。


 こんなものだったらやってもやらなくてもどっちでも良かっただろうと思った。


 その違和感を由利に説明すると、「それは多分、三年生のほとんどが自分の進路がまだ決まってないからじゃないのかな。ほら、うちの卒業式って国公立の入試前にやるでしょ。だから、今は高校を卒業したけど、進学先も決まってないどっちつかずの状態なの。学校にも会社にも属していないって不安になるんじゃないかな」という答えが返ってきた。

 


 その答えには深く納得させられた。


 そして、その時に、彼女は他人の気持ちを想像できる女の子だと思った。


 だから今回も彼女が言うと正しいのだと思う。


 一通り、話を終えた高屋が近づいてきた。


 佐々木と由利の会話を聞いていたみたいだ。


 自分の話に熱中していたように見えたが、高屋にはこういう器用なところがある。


 さすがは元キャプテンだ。自分の話ばかりでなく、周りの話も聞き逃さない。


 聖徳太子が豊聡耳と呼ばれる所以となったあのエピソードが思い出させる。


 厳密には違うが、ニュアンスは似たようなものだろう。



「本当にあのおっさんには感謝しないとな。あのおっさんが助けてくれなきゃ、俺、今頃死んでたかもしれないし」


 やはりこのことを一番言いたいのだろう。まだにやにやしていた。


「まあ、死ぬことはなかっただろうけど。でも、感謝すべき人を、おっさん呼ばわりはないだろ。それにしても、喧嘩を止めに入る人なんているんだな」


「喧嘩じゃねえよ。一方的に俺がやられただけだ」


「どっちでもいいだろ、そんなの。そういうことじゃなくてさ、自分が危ないかもしれないのにわざわざ止めに入るメリットが分からないんだよ。俺だったら絶対、見て見ぬふりすると思う」


「それはあれだな。俺の日頃の善行があってこそだな」


「俺もそう思うよ」


 佐々木は真面目な話をしたかったのに、冗談でやり過ごそうとしている高屋に目一杯の皮肉を返した。


 しかし高屋は、「やっぱり?」と嬉しそうに言う。


「真面目に捉えるなよ。嫌味だよ」


 由利はこういう時は決まって、微笑を浮かべて聞いている。


 その眼差しは温かく、何かに包まれるような感覚になった。


 それは二人がくだらない会話をしている時によく見せるものだ。


 由利は二人が話しているときはあまり積極的に会話に入ってこようとせず、こうして見守っていることが多かった。



「それで、これからどうする?」


 高屋が訊いてきた。



 不意に言われたので意味が分からず、佐々木はただ高屋を見返すことしかできない。


「このままやられっ放しでいいわけないだろ。仕返しだよ」


 高屋がにっと悪戯っ子のような笑顔を見せた。



 そういうことかと佐々木は合点がいった。


「お好きにどうぞ」


「お前も仕返しするんだよ」


 高屋は当然のように言う。


「お前が仕返しすることに何で俺が関わってくるんだ?」


 そう言いつつも佐々木の胸は高鳴っていた。


「俺たち親友だろ。俺が襲われたのは、お前が襲われたも同然だろ」



 佐々木は肩をすくめてみせた。


 高屋はたまにこういう相手が気恥ずかしくなるようなことを言ってくるのだが、佐々木はそれほど嫌じゃなかった。


「それで、どうするんだよ?」


「俺が訊いてるんだよ」



 そういえばそうだったと佐々木は間抜けなことを言ってしまったことを後悔した。


「まあ出来ることと言えば、警察に行くことか、お前を襲った三人組を見つけ出すことのどっちかじゃないか。でも現実的には、警察に行くのが一番だよ。仕返しって言ったってそんなものだろ」


 そう言うと佐々木は先ほどの興奮が蘇ってきた。


 仕返しという言葉に反応しているのだと分かる。


 懐かしさを感じるその感情は、小さい時、見知らぬ土地を求めて自転車で走り回っていた時のような感覚だった。



 その幼い感情を隠そうとして、また言葉を続けた。


 多少、不自然な言い方になってしまったと自分でも分かった。


「もう一つ、あるな。お前が、強姦魔になってしまえばいいんだ」



 今度は高屋の言葉が出てこない。


 何を言っているんだ、と言いたげな怪訝な顔をしている。


「お前が本物の強姦魔になってしまえば、殴り殺されても問題ないだろ」



 そう言い終えると同時に、SHRの開始を告げるチャイムと担任の木島が扉を開く音が共鳴する。


 木島はいつもチャイムと同時に教室に入ってくる。


 そして、これまたいつもと同じ、「席に着け」という言葉を間延びした声で発してくる。


 木島の行動のあらゆることには感情を引っ掻いてくるような不快感があった。


 しかも、傷跡を残さない程度のものだから何が気に障るのかということが分からないことに余計に腹が立つ。


 しかし、嫌いな人間と言うのはそういうものだろう。


 木島の指示に従い、クラスメートはそれぞれ自分の席に着く。


 みんなと同じように佐々木は自分の席である一番後ろの窓際の席に向かった。


 起立、礼、と高屋の声が教室に響き渡る。


 そして、木島が出席を取り始めた。


 出席が終わるとまた、木島のくだらない話が始まるのだろう。


 県内有数の進学校であるこの高校の中でも、このクラス、つまり選抜理系コースは特に期待が大きかった。


 そんなクラスの担任を任せられたら、木島も力が入るのだろうが、それにしても、毎日毎日、受験は気力の勝負だ、であるとか、受験は最後まで諦めなかった奴が合格する、であるとか何十年も前から使い古されて、味のなくなったガムさながらの精神論を平気で振りまくのは聞くに堪えない。


 聞いていても仕方がないので、意識を現実から離れたところに置くために窓の外から見える誰もいないグラウンドに目を遣る。


 誰もいないグラウンドと言うのは真っ白いキャンバスのようで想像力を掻き立てる。


 それをぼんやりと見ていると、高屋がさっき、二人を親友だと言っていたせいで、初めて出会った二年前の春のことを思い出した。

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