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第2話「ミニーと危険な安価」

「こんにちは✨

 さっきはありがとね(≧∀≦)」

スマホの画面に表示された返信。それを見た瞬間、俺――石黒孝之は全身の力が抜けるような安堵感を覚えた。


「返事、来た……!」


クラスでも人気の村田あやからLINEの返信が来ただけで、俺の夏休みの始まりは最高のものになった。

とはいえ、ここからどう会話を進めていくかが重要だ。勢いよくスレに報告する。


88: 名無しさん@おーぷん

「返信きたああああああ!」


94: 名無しさん@おーぷん

「やべええ名前消し忘れた……」


一瞬、脳裏に過ぎったのは、村田さんのアイコンや名前をしっかり確認せずにスクショをスレに貼ってしまったことだ。

「これ、やばくないか……?」

頭を抱えながら、次の安価に備える。


100: 名無しさん@おーぷん

「ミニー」


「ミニー……?」

掲示板の安価が指し示すその一言に戸惑うが、スレの流れを無視するわけにはいかない。これまでだってスレのアドバイスに助けられてきたんだ。ここで無視するのは筋が通らない。


俺はそのままメッセージを打ち込む。


「ミニー」


送信ボタンを押した瞬間、再び「既読」がつくまでの緊張タイムが始まる。だが、村田さんの返信は意外にも早かった。


村田あやの返信:

「ミニー? あ、アイコンね(笑)ディズニー好きなの♡」


「あっ、そういうことか!」

確かに彼女のLINEアイコンにはミニーマウスが描かれていた。なるほど、これは話題のきっかけとして悪くない。スレに報告すると、住人たちの反応も上々だ。


117: 名無しさん@おーぷん

「ディズニー好ききたぞ!次のデートの伏線か!?」


122: 名無しさん@おーぷん

「いいね、次の安価頼む!

>>125」


次に掲示板で投稿された安価は……俺の心臓を止めるには十分すぎる内容だった。


125: 名無しさん@おーぷん

「ところでエッチって興味ない?」


「いやいやいやいや、無理だろ!」

思わずスマホを放り出す。さすがにこんなメッセージを送ったら終わりだ。だが、スレはそれを全力で推してくる。


129: 名無しさん@おーぷん

「送れ!勇気を見せろ!」


133: 名無しさん@おーぷん

「ここで攻めるのが男の器だろ!」


「いや、器ってなんだよ!」

心の中で叫びながら、俺はスレの圧力に屈するようにして、ゆっくりとメッセージを打ち込む。


「ところでエッチって興味ない?」


送信ボタンを押した瞬間、全身が冷や汗でびっしょりになる。

「やっちまった……これ、本当に送っちまった……」


部屋の空気が異様に重く感じられる中、ついに画面に「既読」の二文字が表示された。


「終わった……俺の高校生活、ここで終了だ……」


スレに現状を報告する。


146: 名無しさん@おーぷん

「既読きた!次で何とかなる!」


153: 名無しさん@おーぷん

「神頼みだ、奇跡を信じろ!」


しばらくの沈黙の後、スマホが震えた。恐る恐る画面を覗くと、彼女の返信が表示されていた。


村田あやの返信:

「え……? 唐突だね随分(笑)

うーん……興味はあるけどって感じかな(^^;

せっかく初LINEだし普通の話しよ(≧∀≦)」


画面を見た瞬間、俺は呆然とした。このままアウトかと思ったが、意外にも彼女は冷静だった。いや、それどころかちゃんと会話を続けてくれそうだ。俺はスレに全力で報告した。


239: 名無しさん@おーぷん

「おいおい、神対応じゃねーか!」


246: 名無しさん@おーぷん

「お前、運良すぎだろ!」


「これは……まだ終わってない!」

失敗もあったが、こうして俺はまた一歩彼女に近づいた気がした。この波乱に満ちた夏、果たしてどうなるのだろうか――。

次回予告:

あやちゃんの「ディズニー好き」という言葉をきっかけに、石黒はデートの計画を立て始める。しかし、スレの安価がまたしても波乱を呼ぶ!?

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