第32話 裏切り
いつもながら更新遅くなり申し訳ございません。あと今回は場面が結構変わっていると思うのでわかりづらかったりしたらすいません。
ーゴブリン達によって王都が襲撃される少し前ー
王場内リアーナの部屋
「まったく、あのお姫様にも困ったものだ。今回の襲撃を気に人質となって貰おうと思っていたのだがな、まさか入れ替わっているとは」
「それはご愁傷様、それで何であんたはあのお姫様裏切ったのよ?まさかゴブリンフェチ?」
リアーナの部屋でゴブリンの資料に目を通していたマナは後ろから現れた人物・・・リアーナの付き人の様に常に側にいた騎士によって剣を突きつけられていた。
「・・・黙ってその壁に背をつけろ。残念だがお前はここでゲームオーバーだ。色々と知りすぎた」
「やってみなさいよ。あんたの剣が届く前にこの城ごと、あんた吹き飛ばしてやるわよ」
「世迷言を、と言い切れぬのがお前達魔法使いの恐ろしいところだな」
「あら、よくわかってるじゃない。理解してるのならとっととこの剣しまってくれる?」
その時だった、王都中から火が上がり人々の叫び声がリアーナの部屋まで聞こえてきた。
「何!?」
「どうやら始まったようだな。ゴブリンによる王都襲撃がな」
「はぁ〜!?」
あまりにも突拍子もない言葉にマナは少し高い声をあげて驚いた。それもそのはず、王都には世界中から腕の立つ冒険者が集まってきており、更には王宮直属騎士団までいる正直ゴブリン達が勝てる可能性はゼロに等しい。
「あんたバカなの?ゴブリン程度が勝てるわけないじゃないの」
「お前はどうやら奴ら、ゴブリンの恐ろしさを知らないんだな」
「どういう、」
「おしゃべりはここまでだ」
騎士はマナの命を断とうと剣を振りかぶろうとした。しかし、その剣はマナに当たることなく、マナの前で止まった。
「なに!?」
「あんた、言ったはずよ?魔法使いは恐ろしいってね!!!」
そう言ったマナは片手に魔力を溜めて打ち出そうと騎士に放った。しかし突如、壁から現れた女性がマナの放った魔法を掻き消した。
「あら、何をやっているのかと思ったら」
「あ、あ、あんたは!!?何で!?」
「何でとは、失礼ね。あなたに会いたくて帰ってきたのよ?」
その女性はマナがユウ達と共に聖光の守護者と戦った時に全身を燃やした筈であり、現在も城で治療中
である筈のイーナだった。
「くっ、あんたもまさか」
「ええ、そうよ。彼と同じゴブリン達に協力しているの。因みにリアーナちゃんが作ってたその資料の住処の場所は本当のものよ?」
「何が目的なのよ」
「目的?そんなの私にはないわよ?まぁ強いてゆうなら強がってる子達の顔を絶望に歪ませたいってとこかしら?アリサちゃんも紫雲ちゃんもすっっっごくいい顔しそうじゃな〜い?」
ハァ…ハァ…と息を吐きながら涎を垂らし何かを想像していた。マナはその隙をついて二人を一撃で倒せるだけの魔力を溜め放とうとした。
「あんたのその気持ち悪い野望なんてここで私が潰してあげるわよ!」
「ふふっ、残念だけどあなたはここで脱落よ?足元見てごらんなさい?」
マナが下を見てみると足元からドンドンと自分が凍っているのに気がついた。
「・・・これはまさか"氷牢永獄"!?」
「そうよぉ、発動したら最後、永遠と凍らせる魔法よぉ。悪いんだけどあなたにはそこで一生凍ってて貰うわぁ」
(・・・これはダメね。詰んだわ、ごめんユウ、カケル)
心で謝罪をしながらマナはリアーナの部屋で完全に氷漬けにされてしまった。完全に凍らされたマナを見て騎士は疑問をイーナに問いかけた。
「捕らえなくて良かったのか?見たところかなり優秀な魔法使いの様だったが?」
「あらぁ、もうすでに私がいるのに鞍替えなんてされたら最悪でしょぉ?」
「まぁいい。それより聖光の守護者の奴らの方はどうなったんだ?」
「さぁ?今頃みんな死んでるんじゃないかしら?」
――
洞窟内
ゴブリンが王都に襲来している頃、洞窟に閉じ込められたアリサ達は洞窟からの脱出のため動き出していた。
「さて、そろそろ私達もここから出るとしようか」
「大丈夫そう紫雲?」
「アリサよ。誰に向かってその様な事を言っている。私の剣はこの程度の土砂など簡単に貫くわ」
「わかったわお願い。みんな少し離れて!」
アリサの命によって塞がった洞窟の入り口から団員達は距離をとり一人残った紫雲はその場に座り込み瞑想を始めた。
「あのー、アリサさん」
「?、どうかした?」
「紫雲さん何してんですか?」
「あぁそう言えばリョカは見るの初めてだったね。あれは瞑想といって、心身を落ち着かせる紫雲のいた国でよくされているものらしいよ」
「紫雲は瞑想することによって気を増幅させることができるの。そして増加した気はひとつひとつが小さな刃の形になって、それを紫雲は自由自在に操ることが出来るの」
「なんか瞑想しないといけないなんて不便そうですね」
「聴こえているぞ!別に瞑想はしなくても出せるが気を落ち着かせることによって数が増えるからやっているだけだ!」
そう言った紫雲は目に見えるほどの気をその身に宿らせ、剣を抜き気をまとわせ放ち、洞窟を塞いでいた土砂を跡形もなく消し去った。
「そうゆう使い方なんですね」
「まぁな、普段は一定範囲に入ったものを自動で追尾して細切れにさせるんだがな」
「発動すればべんりぃな感じなんですね」
「アリサさん!お、王都の方面から煙が!」
「!?、直ぐに急行します。皆んな急いで準備して!!!」
洞窟から脱出し、アリサ達はすぐに王都に向かおうとした。しかし一人の団員がそれを見てしまった事によって状況は一変することになった。
「ん?何だこ、れ、ってえ?あ、足?」
その団員が見たのは人間の片足だった。そしてその先を見てしまった団員は驚愕し、すぐにアリサ達に伝えようと声を上げた。
「アリサさん!!!こ、ここに!ご、ゴブギュェ」
「!?」
全団員がその声に一斉に振り返った、そして見たのは自分たちを完全に包囲しているゴブリン達の群れだった。
「洞窟で待ち伏せをせず外でとはな」
「この感じだと分断されて先に王都に帰した部隊は多分コイツらにやられましたね」
「分断して私達を殺そうとしたってこと?ゴブリンがいくら悪知恵が働くと言ってもそんな」
「理解できないことであっても事実だ。切り替えてとっととこいつらを討伐するぞ」
「ええ、勿論。皆んなこいつらを討伐して王都へ行きます」
アリサ達は武器を構え迫り来るゴブリン達を討伐する為に動き出した。
――
王都ギルド前広場
「お、驚きましたね。相変わらずの力ですねカケルさん」
「多頭の魔物の時の話は聞いていましたがここまでとは」
「か、カケルさん怪我なかったですか?」
広場にて巨大ゴブリンに襲われていたユウ達はカケルが救援に来たことによって助かった。カケルは助けに来るなり、すぐさま巨大ゴブリンを一撃で粉砕して討伐し、その後来た骨の兜を被ったゴブリン達も難なく下した。
「俺は何ともねーけど、ユウお前は大丈夫なのかよ。いつもの事ながら重症だな」
「こ、これくらいならもう慣れました」
「慣れちゃダメなのよそれ」
「カケルさん現在の状況をわかる所まででいいので話してくれませんか?」
「いいぜ、まずは俺が飯食ってた店の店主がゴブリンだったんだ。で襲いかかってきたから倒してから外出たらゴブリンがいっぱいいたからここに来るがてら何体か倒したぜ!」
「え、えーと、そ、そうゆうのではなく、王都の状況ですよ。騎士達のこととか」
「そんなこと俺は全く知らん!」
腕を組みふんぞりかえりながらカケルは答えた。そして誰もが疑問に思っていたことを言おうとしたその時だった。
「そもそもこいつらマジでどこか、お前ら伏せてろまた新しいお客様だぜ」
カケル達の隠れている場所の少し離れた所には大量のゴブリンを引き連れたローブを来た人物が立っていた。
「あ、あのローブは」
「そうだ、あん時のゴブリンの女だな。よぉ、久しぶりだな!何だ早く人間になりたーいって思って王都に来たのか?」
「っ、黙れ!私は人間なんかじゃない!私は、私はゴブリンだ!!!」
そう叫ぶとローブの少女は斧を持ち立っていた地面がえぐれるほどの脚力でカケルに向かっていった。




