第29話 それぞれの一日
最近忙しくて投稿頻度の方が二日に一回とかになってしまい申し訳ございません。しばらくは恐らくこれくらいの頻度での投稿になります。
公園の噴水前
「はぁ〜、何でこんなことに・・・」
ある日の昼下がり、ユウがギルド近くにある噴水が目印となっている公園の椅子に座っていた。
『そんなのあんたの自業自得でしょ。最初からあんたが断ってればあんたも私をこんな目に合わなくて済んだのよ』
「でもせっかくの王女様からの依頼ですよ?報酬の方も今までとは桁違いな額ですし」
『まぁまぁ、今そんなこと言っても後の祭りってやつだ』
『あんたはやる事ないからそんなこと言えるのよ!てゆうか、これどう考えても私の負担が一番大きいでしょーが!?』
ユウ達は現在それぞれが離れた場所で活動を行っていた。その為、遠隔通信魔法を使いそれぞれの脳に直接語りかけていた。
『とにかく、そろそろそっちに行くわよ。いい?絶対危ない真似させちゃダメよ!』
「ユウさーん!申し訳ございません。マナさんと中々入れ替わる瞬間がなくて、時間がかかってしまいました」
「い、いえ!ぼぼぼ僕もい、今きたところですからき、ききにしないでいいですよ!」
ユウの元に現れたのは、姿こそ違うがこの王都に住んでいる人なら誰でも知っている人だった。
「あ、あのほんとにこんなことしちゃって良かったんですか?見つかったら大変なことになりますよリアーナ姫」
「大丈夫ですよ。見つかればの話なんですから、それよりもこれからどこに行きます?実は私、前々から行ってみたいケーキ屋さんがあって」
何故ユウがリアーナ姫といるのか、それは場内での出来事まで遡ることになる・・・
――
「え、えーと、つまり姫様は一日だけ外出がしたいと?」
「はい!その通りです」
「いやダメでしょ。あなた一応この国のお姫様なのよ!?」
「そうなのですが、ほら毎日毎日仕事をして、街に出ても護衛の方のせいでゆっくり出来なくてたまには羽を伸ばしたいなぁーって思ってたんですよ」
アリサ達との一件があった後、ユウ達はリアーナに連れられてリアーナの部屋にきていた。
「い、いやでも、もしも姫に何かあったら大事ですよ?」
「大丈夫ですよ?私以外と強いんですよ?」
結局、僕達はリアーナ姫に押し切られる形で一日だけマナさんが入れ替わって姫として一日活動し、僕とカケルさんはリアーナ姫の護衛として共に街を回ることになった。
『まぁそこはいいんですけど・・・、何で僕がリアーナ姫と一緒に回る係になってるんですか!カケルさんの方が絶対適任じゃないですか!?』
『いやいや、俺は他にやる事があるからさ。それに俺よりも歳が近いお前との方が楽しめるだろ』
「ユウさん?どうかしたんですか?」
「え、あ。す、すいません、き、緊張しちゃってて・・・」
僕の顔を覗き込んできた、リアーナ姫の顔にドキドキしながらも僕はリアーナ姫と共に行きたがっていたケーキ屋にまで向かった。
――
一方、その頃リアーナに変わり、変身魔法によって姿を変えていたマナはリアーナの仕事を行っていた。
「あんの姫様、仕事がうんたらとかいってた癖に全然仕事してないじゃないの!溜まりに溜まってんじゃない!この前来た時は隠していたわねあの姫がぁぁぁぁぁ!!!」
リアーナの机に山のように置いてあった資料などを愚痴を言いながも仕事を黙々とこなしていたマナは一つの資料に目が留まり手を止めた。
「これって、あの姫がこの前依頼してきたゴブリンについての資料じゃない・・・」
その資料には、今まで襲われた荷物や人達についてやゴブリンの住処として考えられる場所の地図など様々なことが書かれていた。その時だった、扉を叩く音がして扉からこの前もいた騎士が部屋に入ってきた。
「失礼します姫様。お茶の方をお持ちいたしました」
「え、あ、あ、ありがとうございます!」
「?は、はい。珍しいですね。お茶を持ってきただけでお礼を言うなんて」
「え!?ま、まぁたまにはね」
「は、はぁ、、、まぁ何かあれば何でも申してください。外で待機しておりますので」
「はいはーい」
(もぉ〜嫌だ!早く帰ってきなさいよユウゥゥゥゥゥゥゥ)
――
ケーキ屋前
「着きましたね」
「はい!うわぁここ王都内でも有名な店で一度でもいいから行ってみたかったんですよね!」
「えぇそうだったんですか、それは楽しみですね!」
「はい!さぁ早く行きましょう!」
「え、あ、は、はい」
手を繋ぎ僕らはケーキ屋に入って行った。店内はシーリングライトで明かりを灯し、落ち着いたイメージのした内装になっていた。僕達は早速ケーキを注文して席に座り食事を始めた。
「た、確かにこれ美味しいですね!今まで食べてきたケーキで一番かもしれません!」
「ふふっ、そんなに喜んでくれたら来たかいがありましたね」
「ところでユウさんが住んでいた場所はどんなところだったんですか?」
「僕達のですか?僕達の住んでいた村はそうですね、これと言って特徴がない村ではありました。あ!でも村の周辺にはモンスターも何も余りいなくて、周辺の村からは世界で一番安全な村って言われてましたね」
「とてもいい村だったんですね。ユウさんが育った村、いつかまた今日みたいな日があれば連れて行ってくれますか?」
「は、はい!勿論です!」
そんな会話をしながら僕達はしばらくケーキを食べて店を出て行った。
店を出た後、僕達はリアーナ姫が次に行きたいと言っていたギルドに行くことにした。
『だ、大丈夫なんでしょうか』
『何が?』
『何がって、ギルドなんかに行ってもしも、何か問題が起きたらやばいじゃないですか』
『あー確かに』
『でしょ!?か、カケルさんもきてくださいよ!?』
『俺今無理』
『何でですか!』
『ご飯食べてるから』
『何してんですかーーーー!!!』
『うるさいなぁ、仕方ないだろ俺だって腹が減るんだもん。食ったら行ってやるから待ってろよ。じゃ』
そう言ってカケルはユウとの通信を切り食事に戻った。出された食事を食べながらカケルはふとマナが通信に参加してないことに気がついた。
(あいつしくじったか?いやそれだったとしても通信はすぐにできる筈何だけどな)
カケルが現在食事を行っている場所はお城とユウ達がいる位置の両方の中心となる場所となっており、何かあれば直ぐに動き出せるようにしていた。
そんな事を考えていたカケルの元に出されたのは黄金のように輝く脂を滴らせるステーキだった。
「うまいな!なぁなぁ、何の肉なんだ?」
「これかい?これは北東に生息してる何たらってモンスターの肉だよ」
「へぇー詳しいなあんた」
「そりゃ僕がこの店の店長だからね」
「マジか、若そうなのにすごいな」
「ありがとうございます。当店は他にもおすすめの食事があるので是非食べてってください」
そうしてカケルが食事をしている時だった。店の外から悲鳴が聞こえるのをカケルは耳にした。店内でもその悲鳴を聞いた人達が多かったのか先程よりもざわついていた。
「あ?何だ?」
店内がざわついているのに気がついたカケルは席を立ち外を見ようとしたその時だった、
「・・・ギギ」
カケルは何者かによって後ろから襲われた。
――
リアーナ姫の部屋
「ふぅーだいたい片付いたわね。それにしてもあの姫様なんでこんなに仕事溜めてたのかしら」
マナがリアーナの仕事をしている時に気がついたことがあった。確かに色々と仕事は溜まっていたがそれがある日からしていないことに気がついた。
「その原因と考えられるのがこれね」
それは先ほどマナが見つけたゴブリンの資料だった。
「何であの姫様がこんな物調べてたのかしら、しかもかなり細かく」
調べ上げられた資料を一枚一枚めくって調べていた時だった。
「そこまでだ、それ以上お前が知ることは許されない」
「誰っ!?」
不意をつかれたマナは謎の人物によって、首に鋭い剣が突きつけられた。




