第23話 全てが終わり・・・
青葉の洞窟の地下に存在していた大空洞での戦いが終わった後、僕たちは青葉の洞窟の入口近くまでカケルさんが開けた大穴から這い出て戻ってきていた。
「な、なんとか戻って、こ、これまし、たね」
「ほんともう懲り懲りだわ」
「聞いてる感じ結構大変だったんだな〜」
「そんな呑気に言わないでくれる?殺意しか湧かないわよ」
「ま、まぁまぁ・・・」
「・・・ん?あそこにいるのってまさか?」
アリサが入口付近で倒れている人影を見つけ、その人達の所に行ってみるとその人達はアリサが先頭に立ち共に向かった救援隊の人達だった。
「皆んな・・・!?なんで?まさかまだ敵が?」
「ちょ、ちょっともう無理よ!」
「く、くそ!今度こそこの俺様が!」
「バカか!魔物だったら私達じゃあ無理だろ下がっているぞ!」
「わーい、アカネちゃん完全復活〜」
「あ、ごめん。それ俺だわ」
カケルさんの一言によって、皆んなが一斉にカケルさんの方を向いた。
「あ、いやね俺さ、ここから途中で迷ってね。そしたらユウの幼馴染ちゃん達がこっちの方来てたから、ついてったのよ」
「それで何で皆んなが倒れてるの?」
「いやさ、なんかアリサがトラップに引っかかっちまったとか、何やら言って騒いでたからね、話聞こうとしたら部外者が黙ってろとかFランクがしゃしゃり出んなとかうるさかったわけよ」
「それで?」
アリサは静かに剣を抜きかけるの喉元に突きつけていた。
「ちょ、ちょっと待てって、あんまりうるさかったからちょっとだけこづいただけだって!で、デコピンでね!」
「この人達がいたらもっとずっと楽に攻略が出来てた。それこそあなたの力が必要ないほどに。どうりで遅いと思ってた!」
「いやーそれはどうだろうな。普通の奴ならともかく、あの顔多いやつは無理だったと思うぜ?」
「もうどうでもいいじゃない。そいつがこいつら全員背負って帰るってことで手打ちましょ。早くお風呂入りたいのよ私」
「お、おいおい、そんなの無理だって」
「そうね。そうしましょう」
「か、カケルさんがんば」
「え、ちょ、少しくらい手伝って!ね!お願い!今度行きつけちょっと、えっちな店の名前教えてあげるからさぁ!場所は教えないけど」
「なら尚のことお前持ってけよ」
「そうだな。話を聞く感じお前のせいだしな。・・・お前誰だ?」
「アカネちゃん気絶してたもんね〜」
「それ俺のセリフってか。お前ら役に立ってないんだから手伝えよ!ちょ、ちょ!おーい!待ってってばぁ〜」
カケルさんの嘆きを無視しながら僕達は王都に帰還した。
――
五日後
王都に帰ったから僕は真っ先にヴァリオルト・アースお抱えの病院に直行しベッドの上で寝かせられた。全身打撲で魔法での治療がなかったら全治二ヶ月だったらしい・・・危なかった。後ここに来てから既に五日が経過しており、その間に色々とあったらしい。
カケルさんは早速、救援隊の人達を気絶させた事を上の人達に咎められたらしく、報告書&反省文を監視付きで書かされているらしい。アリサが色々とフォローしてくれたらしく何とかそこで落ち着いたとか何とか。
そのアリサは今回の地下大空洞の件を上の人達に報告して、他にもそう言った場所があるかも知れないと言うことから他のダンジョンのランクの見直しなどを現在行っていて、大変そうであった。
バン達に関しては、今回の事と前からのバンの不評などもありランク降格などのペナルティを受けていて、バンがギルド内でブチギレていらと言う。
「今は大体こんな感じよ」
「な、なるほど。皆んな大変そうですね・・・特にアリサ大丈夫かな」
「あの女なら、そうそう死にはしないでしょ。タフそうだし。それよりも決めたの?私をあんたのパーティに正式に加入させるかどうか」
今僕の病室には先程の情報を教えてくれたマナさんがいる。マナさんから僕は青葉の地下大空洞の時に言っていた、パーティ移籍の事をこの数日間しつこく聞かれていた。
「え、えぇ、そ、それは流石に・・・バンにも悪いし」
「いいのよ、あんな奴。まぁ帰ってから抜けるって言ったら、ギャーギャーうるさかったけどそこはアレよ、魔法でドガンで黙らせたから」
「えぇ・・・でもだったら他のパーティー行った方がいいんじゃ・・・」
「あんたねぇ!わ・た・し・が、ここがいいって言ってんだから入れなさいよ!何?嫌いなの?」
若干涙目になりながらマナさんは大声で怒鳴った。ここ数日、ここに来てはこうなるのが恒例行事になっており、同じ病室の人達からもやれやれと言った感じで、温かい目で見守られている。・・・なんでだよ。
「ぐすっ。とにかく入れてくれるまでここに通い続けてやるから!覚悟しなさい!」
そう言ってマナさんがいきよいよく病室から出ようとした時だった。カケルさんがお見舞いに来て、マナさんとぶつかった。
「つぅ〜いったいわねぇ!どこに目ついてんのよ!」
「え、え、お、俺のせいなの?え、怖いこの子」
「あ、カケルさんお勤めご苦労様です」
「出所じゃねぇよ!俺は何も悪いことしてねぇよ」
「なんか、騒がしかったけど、何?痴話喧嘩?なんか病室の雰囲気が暖かい感じなんだけど・・・」
「あ、いえ。え、えーとじ、実はマナさんが僕達のパーティーに入りたいらしくて・・・」
「なんだそんなことか。いいじゃん入れてあげれば。この子結構強いし」
「え、いいんですか?」
「俺が反対すると思ったか?ちょうどいいじゃん魔法のこと、この子から教われよ」
いつもの軽い感じでマナさんの加入に賛成した、カケルさんはそんなことよりもと言う感じで汗を垂らして後ろにいた人に道を譲った。
「お久しぶりですね?ユ・ウ・さ・ん?」
「え、あ、え?」
そこに居たのは怒りマークをつけて、今にも噴火しそうな雰囲気を宿した、受付嬢のリリスさんだった。
「り、リリスさん・・・ご、ごめんなさい」
「私言いましたよね?行ってはダメだと。カケルさんにも散々言いましたけど、我々が付けたランクはその人の実力を適切に測るための物となっているんです。それを無視して勝手にいって、死にそうになって・・・」
「うっ、す、すみません・・・僕が軽率でした」
「まぁそのランク全然適切じゃあなかったんだけどな!魔物いたしな!」
いらない一言と共にマナさんがカケルさんの足を思いっきり踏み変な音が鳴ると共にカケルさんは床で転がり込んだ。
「まぁカケルさんのその通りです。私達のせいで今回は多大な迷惑をバンさん達にもかけましたから。本当にすみません」
「いいのよ。あいつらにはちょうどいいお灸だったでしょ。そんなことよりも私のパーティー加入の件どうなったのよユウ!」
「いってぇ〜。なぁなぁユウから見て?腫れてないね?ねぇこれ腫れてね!?」
「あ、そうでした。ユウさんにもペナルティ勿論あるので病室にいる間にこの反省文しっかり書いてくださいね!あ、あと!」
「え、あ、ちょ、ちょっと!いっぺんに話さないでくださーい!」
そうしてマナさんからしつこく、パーティー加入のことを聞かれながら、リリスさんのお説教を聞き、カケルさんを無視して一日は終わりを告げた。
その日の夜、僕はリリスさんに渡された反省文を書きながらマナさんのパーティー加入の事について考えて眠りについた。
――
数日後
「なぁなぁ、本当にやんのか?」
「はい、ぜひお手合わせ願います」
「まぁ俺は構わないけど、女であっても加減とか一切しないぜ?」
「構いません。では行きます!」
(ど、どうしてこんなことに・・・)
僕は今アリサとカケルさんの決闘を見ている。何故こんなことになったのかそれは退院してから数日後、この日から数日前に遡ることになる・・・。




