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第19話 大空洞の正体?

 魔物の一撃を防ぎ、僕達を守ってくれたのはアリサだった。


 「アリサ・・・な、何で君が?」

 「リリさんが救援部隊を緊急で招集してたのちょうど暇だったし参加してみたら、ユウが先行してるって聞いて急いできた」

 「あ、アリサ来てくれたんだな」

 「わーい!アリサ久しぶりー」

 「ん、久しぶり。皆んな下がってて」


 そう言ったアリサは剣を構え自身に相対する相手を睨みつけた。


 「王都からもそんな遠くないここに何で魔物がいるのかはわからないけど、とにかくまずは貴方を討伐させて貰う」


 そう言うとアリサは瞬時に魔物の背後に回り、魔物を刺し貫こうとした。しかし魔物もそれに反応し横に避けながらアリサを引き裂こうとし、アリサは剣で受け止めて後退した。


 「くっ!なるほど・・・初めて戦うけど、想像してたよりもずっと早くて強い」

 「グゥゥゥルルル」


 アリサと同じく、魔物も目の前の獲物が先ほどまでの獲物とは比べ物にならない程を力を持っている事を見抜き警戒心を更に高めた。


 「ユウ達はできるだけ早くこの場から離れて、守りながらとかになったら勝てない」

 「ダメだ、アリサ!まだ奥にもそいつと同じ魔物が沢山いるんだ!」

 「え、どうゆうこ、ッ!」


 一瞬の隙を見逃さなかった魔物はアリサに近づき強靭な爪で吹き飛ばした。寸前で剣で攻撃を受け止めたアリサでだったが、この攻撃は直撃したら死ぬと改めて分からせた一撃となった。


 「アリサ!!」

 「くっ!だ、大丈夫。群れが来る前には終わらせるから、ユウ達は先に行って!」

 「な、アリサ一人でなんて無茶だ!」

 「何してるの!ユウ行くわよ私達がいても足手纏いにしかならないんだから早く地上に出て救援隊と合流して助けに戻るのよ!」

 「で、でも・・・」

 「ユウ。私なら大丈夫だから。あの約束果たすまで私は絶対に死なないから」

 「アリサ・・・。わかったすぐに戻るから!絶対助かるから!」


 そう言ってユウ達はその場を去っていった。一人残ったアリサは息を大きく吐き、立ち上がった。


 (ユウ達は・・・もう少しで見えなくなる。問題は群れで行動していると言うこともあるからこいつに時間を割いてる余裕もないこと。なら・・・これでやるしかない)

 「"吸血化(ヴァリアゼーション)"」


 そう唱えると、アリサの髪の毛が白くなり、瞳も燃え上がるような赤へと変化した。吸血化(ヴァリアゼーション)、上位種の一人であり、かつて討伐隊を一人で壊滅させたある吸血鬼に対抗する為に、人類が作り出した擬似的な不死と再生力、吸血鬼と同等の身体能力を与える力。強力な力ではあるがその分デメリットもあり、適合段階で死ぬ可能性が非常に高い技術となっている。


 「気をつけてね。この姿になると歯止めが効かないから、でも安心して苦しませずに一瞬で終わらせてあげる」


 そしてアリサは、魔物の前から一瞬で姿を消し、魔物の真下へ潜り首を切り落とした。


 「ごめんね。さようなら」


 何故アリサがこの危険な力を手にしたのか。それはひとえにユウとの約束の為である。幼少期に王都のギルドへスカウトされてから、今までずっとアリサはその約束の為に強くなってきた。とアリサは考えるようにしていた。自身の本性に気づきながらもその本性を否定する為に・・・


 (ふぅ何とか気持ちを抑えないと・・・この奥にまだ群れがいるならそれこそ他の皆んなと合流した方がいいかもしれない。いや一度王都に帰り再編成していく方がいいか)


 ユウ達と合流する為に歩いていたアリサだったが、ふと一つの疑問が生じた。


 (そもそもここは何なの?わかりやすい所にわざと設置されていた入口の機能をなしたトラップに、人為的に作られたとしかしか思えない大空洞、おまけに魔力探知もしづらい、あと魔物が群れを成しているし・・・)


 「まさか、何らかの実験をしていた?」


 ――


 アリサが一つの結論に辿り着いていた頃、アリサと別れ最初にここへ落ちて来た場所に辿り着き上を見上げて見てユウも疑問を感じていた。


 「・・・マナさん一つ聞いてもいいですか?ここに落ちた時、皆んなは怪我とかした?」

 「してないわね。私が魔法を使って衝撃を弱めたし」

 「その時って、何か違和感って有りませんでした?」

 「そうね。違和感・・・あ!そう言えば私が発動する前から何かの魔法が発動してたわ。あれ多分、私と同じ衝撃を和らげる魔法だと思うわよ。あと魔力探知がしづらいことかしら」

 「やっぱり最初に疑問に思ったんですよ。僕なんて魔法も何も使わずにここに落ちたのに腕が折れてるだけで済んだのがおかしいなって」

 「それがどうかしたの?あなたまさか・・・」


 マナはユウが言わんとすることは何となく察しがついていた。だがその考えはあり得てはならないものだった。


 「そもそもだトラップにこんな魔法がかけられてるのはおかしいし、トラップだって今思うとあからさまに設置してありました。まぁ僕は普通に引っかかったんですけどね」

 「このバカもそうね。そもそもあんな分かりやすいのに引っかかる奴、それこそDランクに昇格した冒険者じゃああり得ないレベルよ」

 「だからですよ。だからこそこのダンジョンのあの場所に()()()()()()()()()設置されてたんですよ。Dランクに上がった人じゃあまず持って引っかかることがないトラップをね」

 「お、おい!何どうゆうことだよ!分かるように説明しろよ!」

 「あーなるほどねー」


 バンと未だ気絶しているアカネを除く三人は既にアリサと同じ結論に辿り着いていた。この大空洞は人為的に作られ、誰かが魔物の実験を行っている場所だと考えた。


 「ここまで出来るのはかなり上にいる人物ですね。しかも王都で暮らしている人です。この辺りで家が見つかったとかならまた話は変わって来ますけど」

 「いったい誰が何の目的でここを作ったのかしらね。魔物の培養?それとも従わせるつもりなのかしら?」

 「い、いや流石にそこまでは分からないですけど、ともかく中々厄介な事になりそうなので、早くアリサと合流して一旦王都に帰った方がいいかもですね。これ以上厄介なことが起きないう・・・え?」

 

 ユウはその時、見てしまった。この大空洞の半分もあるデカさを持った多頭の狼とその内の一匹の口に噛まれている血まみれのアリサを・・・

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