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第18話 救援

いつも見てくださってありがとうございます。今回も更新遅れて申し訳ございません。

それと第17話なのですが色々と修正する必要がある場所があった為、少し前に修正しました。失礼いたしました。

 マナを囮にした後、俺達は出口を探すために馬鹿でかい空洞を歩いていた。しかし数時間出口を探しても一向に見つからなかった。


 「おい、どうするんだよ。このままだとあの魔物に追いつかれちまうじゃねーか!?」

 「それは困ったね〜」

 「だいたいお前があんな単純なトラップに引っかかるのがいけないんだろ!しかもせっかい仲間になったマナまで見捨てて」

 「見捨てたんじゃねーよ!時間稼ぎに使っただけだ、あいつなら少しは時間持つだろうからなぁ!」

 「お前という奴は・・・だいたい私は最初から反対だったんだ!マナは帰還用のアイテムを持っていたんだぞ!」

 「は!?いつもはアカネが持ってるじゃねーか!」

 「お前がパーティー入ったばっかの奴は俺達の持ち物全部持つのがルールだっていって私から取ってマナに渡したんだろうが!」

 「し、知らねーし!お前の責任だ俺は悪くねぇ!」

 「まぁーまぁー二人とも落ちつこーよー。ほらあそこ岩場あるよー」


 ユーリャが見つけた岩場に身を隠したバン達は軽い休息を取りこれからのことを話し始めた。


 「まずは救援を待つべきだ。私達では魔物の相手はできない」

 「は?は?そんなこと出来るわけないねーだろ?この俺様がいるのに何で逃げなきゃ行けないんだよ!」

 「じゃあお前が魔物を倒してくれるのか?」

 「ぐっ、そ、それは・・・や、やっぱ出口を探すぞ!はい決定!」

 「おい!勝手に決めるな!今は隠れるべきだって!なぁユーリャ!」

 「んー私はどっちでもいいかなぁー」

 「な!?お、お前まで何をいってるんだ!?」

 「へへーん、これで決まったな!さぁ行くぜとっとと出口を見つければいいだけだって!」

 

 そう言ってバンはユーリャと共に岩場を出て更に奥に進んでいった。アカネも渋々二人について行くことにした。しばらくして歩いていると奥で何かが蠢いていた。


 「おい!アレ見ろよ誰かいるぜ!おーい!」

 「おい待て、まだ人かもわからないんだぞ!」

 「バン相当焦ってるなぁ」

 「おーいって!俺だ!バンだ!おい聞いてんのか!バンだっ・・・え?」


 バンが声を上げながら近づいてみるとそれは黒い毛皮を纏い、赤い瞳をした狼型の魔物の群れだった。


 「ひ、ひぃぃこ、ここにもな、なんでだよ!」

 「うわーこ、こはやばーい・・・」

 「そ、そんな・・・なんで」


 バン達の声に反応した魔物の達は一斉に獲物を視認し、バン達を囲んだ。


 「な、く、くそ。何でこんな目に遭わないといけないんだよ!俺は世界を救う英雄になる男だぞ?ふざけんなよ!こうなりゃ宝具よ!我に力を!・・・あ?何で何でだよ!?おい!こら!起動しろよぉぉぉぉぉ!!!」

 「いやだ・・・もう嫌だ!怖いよママ!パパ!助けてよ私これからもっといい子になるから!悪いこと何てもうしないから!嫌だ嫌だ嫌だ!まだ死にたくない!死にたくないよぉぉぉ!誰が助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 「はぁ!?何言ってんだアカネ!しっかりしろよ!おい!おいってば!クッソが何で使えないんだよぉ!」

 「あっはは!死んだねこれ!」


 この絶望的な状況にアカネは恐怖にかられ、ユーリャは諦めていた。ただ一人無謀にも自分をいづれ世界を救う英雄になる男だと信じてやまないバンだけは宝具を何度も起動させようとしていた。しかし宝具は起動することすらせず、何も起こらないままだった。


 「なんでだ!まさか本当に偽物だったのかよ!?」


 バンはあの時、マナに言われたことを思い出していた。


 『王都じゃあ鑑定士なんて胡散臭いのも星の数ほどあるわよ』


 あの時の言葉が本当ならば、バン達が自身の宝具を鑑定してもらった人間は偽物だったのか?と・・・


 「くそ!くそ!何で!何で俺がぁぁぁぁぁぁぁ!」


 (俺が死ぬはずないんだ!俺はあいつに振り向いて貰う為に今まで何度も何度も何度も剣を振ってきた!何にいつもいつもあいつはユウばかりを見ていやがった!あんな何もできない男ばかりを見て俺の事なんて見てなかった。だから俺は振り向いて貰う為に努力し続けた毎日血マメができることなんて当たり前なほどに・・・!!!なのに結局彼女は王都に行ってしまった。俺を最後まで見ることもなく彼女はいなくなった。だから俺は彼女を振り向かせる為に王都に来た。その為に邪魔だったユウだって運良く現れた魔物の餌になってもらい殺した。・・・つもりだった。あの男はしぶとく生きていやがった。何で俺の思い通りにいかないんだ?俺はこの世界の英雄になる男なのに?それなのに何で今俺が殺されそうになっているだろうか?)

 そんな時だっただった、上空に大きな光が放たれて、アイツが俺の目の前に現れた。


 「大丈夫だった!?バン、アカネ、ユーリャ!」


 ――


 魔物の群れに突撃しようとしたユウはマナによってもう一度止められた。


 「うぐっ!?何するんですか!早くしないと!」

 「落ち着きなさいよ!このまま行ったとしても無駄死によ!」

 「でも!」

 「今速攻で考えた作戦があるの・・・聞く?」

 「え、マナさん・・・.まさか」

 「今だって理解はできないけど、このままあんたがみすみす死ぬのをほっとくなんてできないわよ」

 「・・・ありがとうございます」

 「ふ、ふんっ!別にあんたの為じゃないわよ!このままだと、め、目覚めが悪いなって思っただけよ!」

 「いい?私の最後の魔力でアイツらの目を眩ませるわ。その間にアイツら助けなさい。わかった?」

 「は、はい!」


 そう言うマナは残り少ない魔力で呪文を唱え始めた。


 「我が魔力よ!敵を撹乱せよ!ーーー"フラッシュ"!」


 そう唱えると光り輝く玉が上空にあげられ、破裂し洞窟全体を明るく照らした。流石の魔物達も唐突に起きたこの光によって目をやられたらしく、その隙を縫って僕はバン達に近づいた。


 「バン、アカネ、ユーリャ無事!?」

 「お、お前なんで?」

 「話は後で今はここから逃げるよ!さぁ早く!」


 そう言って僕は三人を連れてマナさんの所まで行き五人でその場を後にした。


 「こ、ここまでくれば安心でしょ。まったく本当に今日は散々な日だわ!」

 「すいませんマナさん。でもマナさんのお陰で助かりました。僕だけなら確実にあそこで死んでいましたしね」

 「おい!何でユウお前がいるんだよ!」

 「ユウは私達を助ける為に来てくれたのよ」

 「は?そんなん頼んでねぇし。お前程度に助けられるなんて!」

 「ハァ…まったく・・・あんたのそのバカっぷりには飽き飽きだわ。決めた悪いけどあんたのところのパーティー抜けるわ。ユウあんたところ入れなさい」

 「「え!?」」


 あまりに唐突な発言に僕とバンはびっくりして声を上げてしまった。


 「お、おいちょっと待てよ!抜けるのはまだしも何でこんな奴の仲間に・・・?」

 「そんなの簡単でしょ?あんたよりユウの方が何百倍もマシだからに決まってるでしょ」

 「ふ、ふざけんじゃねーぞ!俺は認めねーぞ!絶対に認めねぇぇ!」

 「あんたの許可なんて要らないわよ。ユウあんたはどうなの?」

 「そ、そんなこと言われても・・・て、あ、そのとにかく今は生きて出る方法考えましょうよ!」

 

 僕はこの状況に耐えきれず何とか話題を変えようと思った。


 「それもそうね、悪いけど私はこれ以上の魔法は使えないわよ。魔力が見事にすっからかんだからね」

 「あ、ユーリャ!アカネはどう?」

 「あっはは完全にダメだね。気絶しちゃった!」

 「じゃあ今戦えるのは僕とバン、ユーリャか・・・詰んだ」

 「あ、諦めるんじゃないわよ!早くしないとそろそろアイツらの目も治って・・・くる・・・と、こ・・・クソあいつを忘れてたわ」


 マナさんが見ている方向には、この洞窟に入って最初に出くわした魔物が立っていた。このままじゃあ全滅する誰もがそう思った。そして今ここで戦えるのは僕を含めバンとユーリャしかいない。ならばやる事は決まってる。


 「皆さん僕があいつの注意を引くのでその間に何とかできるだけ遠くに逃げてください」

 「ユウ!あんた何言ってんのよ!」

 「このままじゃあ全滅です。ならば僕が何とかあいつを抑えてその隙に逃げてください。そしたら少なくともここでの犠牲は僕だけでっ!?」


 僕が言うよりも早くに魔物は動き鋭い爪で攻撃をしてきた。当然僕は避け切ることも出来ず、マナさんが叫ぶ中死を覚悟した。今までの思い出が走馬灯のように蘇って最後にアリサの顔を思い出した。


 ・・・ごめんアリサ


 そう心で謝りながら僕は静かに目を閉じた。・・・その時だった。

 光り輝く斬撃が狼型の魔物を切り裂いた。そしてそこに立っていたのは僕にとって最愛の人であり、目標としている人でもあるアリサだった。


 「無事だった?ユウ?」

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