第15話 行方不明の幼馴染
ダンジョン攻略前ギルド内にて
「行けません!ユウさんとカケルさんはまだFランク冒険者なんですよ!?バンさん達が今から行くのはDランクもあるダンジョンです。許可しかねます!」
バン達が誘いカケルさんは乗る気であったことから断らずに行こうとした時だった。リリスさんがそんな僕たちを止めた。
「リリちゃんさぁー。いいじゃん俺らがいるんだぜ?何の心配もないってそれに俺にはこの宝具があるんだぜ?」
「宝具のあるなしじゃありません!ここのルール何です。それを守ってもらえないというのならこちらも然るべき対応をバンさん達にさせていただきます!」
リリスさんは釈然とした態度でそう告げた。その姿に流石のバンも気圧とされてしまい舌打ちをしながらその場を後にした。
「なぁほんとにだめなのか?」
「い、いえ、厳密にはダメと言うわけじゃありません。ですがバンさんはその・・・素行の方に問題が多々あると上の方から報告が来ていまして」
「同じクエストに行った人達とも毎回必ず揉め事を起こしたり、周りと足並みを揃えずに戦うらしくて連携が取りずらい、報酬を一人だけ多くもらうなどをしているらしくて」
「お前の幼馴染結構やるな」
「彼は昔からそんな感じです。ご迷惑おかけします」
「いえいえ、ユウさんが謝る事じゃありませんから。むしろ私の方もご友人を悪く言ってごめんなさい」
「いや事実だと思うので」
「まぁとにかくあいつにはあんまし関わんなって事だろ?」
「あ、そ、そうですね。まぁつまりは挑発にはならないようにしてくださいね。と言う事です!」
僕とカケルさんはリリスさんに強く釘を刺された後にギルドから出た。
「でも惜しいよな〜Dランクってどんくらい強い奴出てくるか気になったんだけどな」
「いや無理ですよ。僕なんてすぐ死んじゃいますって!」
「それはその通りだな」
「ウッ!本当のことだけど正面からそう言われるとダメージくらいますね・・・」
「ところでよ、俺達何にも依頼受けないで出て今どこ向かってんだ?」
「え!?カケルさんがどっか行こうとしてたんじゃないんですか!?僕そうだと思ってついて来てたのに」
「俺もそうだぞ」
僕らはお互いの顔を見て足を止め、そそくさギルドへもう一度戻った。
――
僕達が王都に来てあれから三日がたった。初めて来た時よりは王都での生活にも慣れて来て、僕達はダンジョンの探索や王都での依頼をこなしながらゆったりと暮らしていた。
そんなある日のことだった。僕達がいつものようにギルドでリリスさんと談笑していると恐らく、別の受付穣の背の小さいふわふわした感じの人がリリスさんに耳うちをして急いで他の場所へいった。
「何かあったんですか?あの受付の人かなり急いでるみたいだったんですけど・・・」
「そうですね。ユウさんにはお話しづらい案件なのですが・・・実はバンさん達があの日ダンジョンに行ったきり帰って来てないんです・・・」
「・・・え?それって・・・いやでも結構難航してるだけじゃないですか?だってダンジョン行く時は緊急脱出を必ず持っていくのがルールですし、バンはともかく後の人達がそれを置いてくとは思えませんし・・・」
「確かにユウさんの言う通りです。ですが今回バンさん達が受けたダンジョンは既に攻略済みの奴なんですよ。その場合は見落としがないかの最終確認をしてもらうだけであった場合は直ぐにこちらに連絡するということになっていますので、三日も掛かるような物ではないんです」
「なんかのトラブルに巻き込まれたか、起こしたかじゃないか?その可能性も充分過ぎるほどあるだろ」
「恐らくはそうだと思います。現在救出隊を選定中なのでユウさんもし」
「助けに行かなくちゃ!」
僕はリリスさんが言うより早くにバン達を助けるために僕は立ち上がりギルドを出た。
「な!?ユウさん!ダメです!貴方はってもういない」
「まぁまぁ俺が連れ戻してくるよ」
「カケルさんくれぐれもダンジョンには行かないでくださいよ」
「ん?おう!任せろや!」
そう言ってユウを追いかけてカケルはギルドを後にした。
「よし!ダンジョンに行くか!」
先程の忠告をガン無視してカケルはバンたちが依頼したダンジョンに向かう事にした。
そしてユウの方では、バンが今どこにいるのか、そもそもダンジョンが何処にあるのかを知らないことに気がつき足を止めた。
「バンがこの前見せびらかしたときに確か場所の名前が書いてあったような・・・そうでないような?う〜ん」
バンがどこへ行ったか、その答えを知る術は何もなかった。今からでもギルドに戻りダンジョンの名前をリリスさんから聞くか?いやでもそんな事して行くのを止められたりしたら助けに行く事ができない。そうこうして僕が頭を悩ませていると遠くの方で見覚えのある子が走っているのが見えた。
「ん?あの人って確かさっきリリスさんと話をしていた人?」
「あのー!すみませーん!」
僕の声に気がついたのか先程リリスさんと話していた人は立ち止まり僕の方を見た。
「あのさっきリリスさんとお話をしていた人ですよね?バン達が行方不明だって・・・」
「・・・?」
「えっと・・・あ!僕はつい最近ヴァリオルト・アースに入ったユウと言います。先程リリスさんとお話をしている時に貴方がリリスさんに耳打ちしているのを目にしまして・・・」
「あ〜入団した初日からガワードさんを蹴飛ばしたかたですね〜」
「あ、そっちとはまた別なんですけど、それよりも!あの、バンが行ったダンジョンってどこにあるんでしょうか!」
「え〜と〜貴方は今何ランクなんでしょうか〜?入団したばかりと言うのならFランクだと思うのですが〜」
「あ、え、えっとぼ、僕は実はあのアリサさんと同じでスカウトされて実はもうBランクなんです!」
かなり苦しい嘘をついた気がする。僕からアリサやガワードといった実力者のような気迫がある訳ではないし、真実味がまるでないが・・・
「あ〜なるほど〜そうゆう事でしたらお教えしますね〜」
信じちゃったよ・・・この人絶対詐欺とかのカモにされるタイプだ・・・
「私の方も〜今ギルド長が王国の方にいるのでそちらまで報告しに行く必要があるので手短にお話しますね〜」
「バンさん達が行ったダンジョンは青葉の洞窟と呼ばれている場所で王都を出て北に進んだところにあるダンジョンで〜最深部に巨大なダンゴムシがいた事以外はこれといった特徴がないダンジョンです〜」
「ありがとうございます!青葉の洞窟ですね!」
「あら〜気をつけて下さいね〜」
彼女の声に手を振って反応して、バン達が行ったダンジョンを聞いて僕はすぐに走ってそのダンジョンに向かった。




