第11話 助けたのが王女様って王道すぎませんか!?
レノバ村を後にした僕達は王都に今度こそ辿り着こうとしていた。
「かなり時間かかったな」
「カケルさんのせいですからね」
「まぁまぁいいじゃないか。そのおかげであの村の人達に会えたんだしよ」
「ま、まぁそうなんですけど」
こんな会話を繰り返しながら王都まであと数キロと言うところで僕達は少し遠くのところでゴブリンに襲われている馬車を発見した。
「カケルさんあれ!」
「わかってる行くぞ」
「え、あ、ちょ、あ・・・」
僕が言うより早く動いていたカケルさんはすぐに馬車の方まで走って行ってしまった。僕はあまりの速さに唖然としていたがすぐに我に帰り僕も急いで走って行った。
――
「くっ、何でこんなところにまでゴブリンがいるんだ!」「喋ってる前に手を動かせこのままでは、あの方が危ない!」「このやろう!」「数が多すぎる!早くしないとやばいぞ!」
ゴブリンに襲われていた馬車には数十名の護衛が付いていたが既にその数が四人となっていた。反対にゴブリンの方はほとんど数が減っておらず護衛達は防戦一方となっていた。
「ギ・・・ギギ・・・ギ」
「クソッ!ゴブリン程度に俺たちがやられるなんてありえないだろ!」
「ぐぁっ!あ、ま、まてやめろ!い、いぐぁ!」
「な、セリル!くそ不味いぞ!このままでは」
このままではゴブリンによって殺される。誰もがそう感じていた。その時だった、とてつもない速さで男がこちらに向かってきてゴブリンの頭を砕いた。
「すげぇな、これがゴブリンか」
「な、何者だ」
「そんなことより、とっととこのゴブリン達やるぞ。話はそれからだろ」
そう言うとその男は圧倒的な力でゴブリンを蹴散らして行った。
「ちょカケルさん!早いですよ!」
「悪りぃ悪りぃ」
先ほどの男の仲間が遅れて護衛の助けをしてくれたことによりゴブリンの数はまるまるうちに減って行った。
「ゴブリンだからって油断すんなよユウ!」
「わかってますよ!僕だってそこまでのバカは、て、あ!折れたぁぁ!!!」
そう言って叫びながらユウはゴブリンの攻撃によって馬車の方まで吹き飛ばされた。
「だからいっただろ!」
「す、すみませ〜ん」
「あ、あんたら手伝ってくれるのはありがたいがその馬車を壊してみろ?打首だからな!!!」
「あ?助けてやってんだからそれくらい大目に見ろよタコ!」
「大目に見れないレベルの人が、その馬車に乗ってるんだよ!」
そうして戦いながらかなりの数のゴブリンが減った時だった。
「な、何なんだこいつ!?あ、ありえぶがぁ」
「た、隊長!た、たすげぐぎゃっ」
「「「!?」」」
護衛の二人が斧を持ってローブを着ている何者かによって殺られたのである。
「セシル、リュードォ!貴様ァ何者だ!」
ローブを着た人は何も言わずに、次はカケルさんに向かって突進していった。まだゴブリンと戦っていることもあり、カケルさんは接近されていることに気づいていなかった。
「カケルさん!!危ない!」
「!!?」
僕は咄嗟に叫び、カケルさんはそれに反応したことで何とかローブの人の斧を受け止めた。
「あっぶねぇ。何もんだテメェ!?」
そう言いながらカケルさんは腹部に素早く蹴りを入れローブの人を岩場の方まで飛ばして距離を取った。
「・・・お前」
「だ、大丈夫ですか!?カケルさん!」
「あぁ、俺は大丈夫だ。なぁユウこの世界のゴブリンってどんな生態だ?」
「え、えっと確かゴブリンは群れでの生活が基本で集団で村を襲うことだってあり、食糧などは勿論のこと自分たちの繁殖の為に女性を捕まえたりもしてます。大変狡賢くて例え一人で行動している時であっても油断はしてはならないってあったはずです」
「だいたい俺の世界と同じか・・・じゃあよ何でおんながゴブリン側にいるんだ?」
そう言われて思わずローブの人の方を見ると、確かにそこにいたのは女の子だった。見たところ僕とそんなに変わらない歳の子であり、ゴブリンはどんなに小さな子であったとしても繁殖の為に問答無用で犯す筈が、その子はゴブリンをまるで守るようにして武器を取りこちらを睨んだ。
「よぉ!お前何でゴブリンと一緒にいるんだ?人間だろ?」
「・・・がう」
「あ?何だって」
「違う!!!アタシはゴブリンだ!!!」
そう叫んだ女の子は地面に斧を力いっぱい振り土煙を起こしてゴブリン達と共に逃げて行った。
「どうなってんだ??」
「さ、さぁ?」
「まぁいいか。おい!あんた大丈夫か?」
とりあえず、その事は後回しにしてまずは自分たちが助けた馬車の安否の確認をする事にした。
「あぁ、こちらは無事だ姫様には傷一つないよくやってくれた。礼を言う」
・・・今彼は何と言っただろうか?
「え、えっとカ、カケルさん今あの人、ひ、姫様って!?」
「いったね。ラッキーじゃん報酬がっぽりだぜ?」
「そ、そ、そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!?姫様ですよ?」
「はい、その姫です」
「え?」
振り返るとそこには、金髪で宝石のような輝きをした瞳の美しい女性がいた。
その後、僕達は姫様の馬車に乗せてもらいながら王都に向かっていた。
「改めて、先ほどはありがとうございました。私はフェルセリス王家、第2王女リアーナ・フェルセリスと申します」
「ぼ、僕の名前はユウとい、言います」
「俺カケルよろしく」
「無礼者!姫様に何と口を聞く!」
「いいじゃん助けたんだしさ。な?ユウ」
「え、えーとあははは・・・」
「なんだよ〜その笑いはお前は俺の味方だろーが!このやろう!」
「いたっ!ちょ、ちょっとまってくださいつっ痛いですってば!」
「ふふふ。気にしなくていいんですよ?助けていただいた恩もありますしね」
僕はカケルさんに髪の毛をくしゃくしゃにされ、それを見ていたリアーナ姫は静かに笑っていた。
「お二人は王都へどんな御用で?」
「ぼ、僕達はギルドに入団したくてき、来たんです」
「まぁ!そうだったんですね。ではお二人は冒険者になると言う事ですね!頑張ってください。お二人ならきっと大活躍しますよ」
「は、はい!」
「おう!」
そうこうしているうちに僕達はついに王都へと辿り着いた。
「す、すごい」
「でけぇー」
「見ろよユウ!美味そうな店が沢山あるぜ!あとで行こうぜ!」
「そうですね。けどお金あまりないですよ?」
「よろしければ少しくらいなら私がお礼として・・・」
「いけません姫様!姫様はお城に帰ったらやる事が沢山ありますよ!」
「サボれませんか?」
「ダメです。そう言って一昨日からやってないでしょ」
「あ、あははは。き、気持ちだけ貰っときます」
「そうだな。ギルド入ってなんか討伐したら金入るしな」
姫様の以外なところを見て苦笑しながら、僕はここのギルドへと入団してアリサと再会するんだと心で強く思い拳を握った。
・・・そのためには強くならないといけない。あ、あと新しい剣も買わないと行けないな・・・




