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第10話 領主をぶっ飛ばして解決します

 フー・フェン兄弟を倒し、寝ていたカケルは何かが動くような音が鳴ったことによって目を覚ました。


 「ん、ん〜はぁ、何だぁこの音?」


 立ち上がり背伸びながらカケルは歩き出した。そしてしばらくして歩いていると通路が塞がれている場所に着いた。


 「なんだこれ?」


 別に道があるのかと思ってドアを開けて確認してみたがそんなものは全くなかった。


 「どうゆうことだ?塞いだのか?そんな事ができんのか?ん〜???」


 しばらくそこでカケルが考えていると微かだが屋敷のどこかが揺れている事に気がついた。


 「何の揺れだ?屋敷が動いてる?いやだったら俺の足元も何かしら揺れるよな???」

 「考えても仕方ないか。壊せば解決だな」


 そう言ってカケルは壁を破壊して先に進んだ。しかし屋敷は外で見た時よりも明らかに構造が変わっていた。


 「あれ?こんな感じだったか?外から見た時となんか違うような???」


 その時だった。パンッと何かを打ったような音が微かだがカケルの耳に聞こえた。それが領主が持っていたピストルだと分かるまで時間はかからなかった。カケルは音が聞こえた方の壁を壊し一直線でその場所まで走った。


 「カケルさん!」


 そしてそこに居たのは予想通り、この世界に来て初めて出会った少年だった。


 「悪いなユウ、まさかシブゥリが地形変えれるなんて思わなくてよ」

 「いえ。僕なら無事ですから。足をちょっと怪我したくらいです。ニアさんには手を出させませんでしたよ」

 「そうかなら上々だ。よくやったな。さてシブゥリ年貢の納め時だぜ?お前の部下達はみんな俺がやっつけたぜ?」


 カケルはシブゥリの前に立ち睨んだ。


 「バカな?!我が兵はともかくあのフー・フェン兄弟を倒しただと?!」

 「だからそう言ってんだろ?何だお前耳まで脂肪だらけで聞き取れねぇのか?あ?」

 「き、き、貴様?!!この私にどこまで無礼を働けば気がすむのだ」

 「死ぬまでだよ。じゃあ俺達も王都まだ行くっていう目的もあるし、ぼちぼち終わらせるか」


 そう言ってカケルさんは拳を握り締めシブゥリに一歩一歩近づいていった。シブゥリはそんなカケルを見て恐怖しながら一歩一歩後ろ足で下がっていった。


「く、来るな!!来るなぁ!私を誰だと思っていらんだ!私はこの鉱山を牛耳るシブゥリだぞ?!貴様が手を出していい身分では無いのだぞ?!そ、そ、それでも?!」

 「うん!ぶっ飛ばす!」

 「いやだああああああああああああああ!!?」


 満遍なく笑みで迷いなく答えたカケルさんはシブゥリの腹部に向けて拳を振り抜きシブゥリは天井、床、天井、床とジグザグに吹き飛びながら最後は屋敷の壁に激突した。


 「よしこれで解決だな!」

 「え、ええ・・・」

「じゃあマスターのところまで帰ろうぜ。疲れちまったよ」

 「え、でも捕まえなくていいんですか?」

 「あ、そっか。なんか適当な縄探すか。どうせ暫く起きないだろうけどな」

 「じゃあついでに私達から徴収として取った飲み物も探してくれる?私も手伝うから」

 「おお!いいねぇ村に帰って皆んなでパァーっとやるか。そうと決まれば探そうぜ」

 

 そう言って僕たちは屋敷中を探して、シブゥリが奪った飲み物や食べ物、高価な物などを回収して、ついでにシブゥリ達に縄を縛って村に帰ることにした。


 「・・・どうでもいいことなんですけど。カケルさん」

 「ん?なに?」

 「シブゥリを縛ったやり方あれなんですか?初めて見ましたよ」

 「亀甲縛りのことか?あれはな知り合いに縛られるの好きな奴いてなそいつがよくしてもらってたからさ、それ見て覚えたんだよ。苦労したぜ汗でぬるぬるしてよ」

 「は、はぁ」


 何となく嫌な予感がしたからそれ以上追求しないことにした。

 村に帰ると村中の人が集まっていた。どうやら僕たちだけに行かせたのが忍びなかったらしく皆んなで屋敷を襲撃しようとしてたらしい。


 「無事だったのかニア!よかった、本当によかった!」

 「うん心配かけてごめんなさい。後これ見て今まで奪われていた物全部取り返して来てくれたのよ!」

 「この二人が!」

 「そうかぁあんたらには世話になりっぱなしだな」

 「い、いえそんなことないですよ。僕たちは当然の事をしたまでですよ。・・・て僕は何もしてないんですけどね」


 苦笑しながらカケルさんの方を見るとカケルさんはシブゥリの屋敷があった、僕たちが帰ってきた道の方をジッと見ていた。


 「カケルさん?」

 「ん?あぁ悪りぃ悪りぃ。そうゆう事だこれであんた達は自由だよ。まぁ元からシブゥリが力づくで従えてたから元から自由みたいなもんだったんだけどな」

 「そんなことよりアイツは無事なのか?」

 「アイツと言うのが元王宮直属騎士団元第九騎士団副団長の私のことかな?」


 そう言って村の人をかき分けて出て来たのは、あの時シブゥリに撃たれて倒れたドレッドだった。


 「おぉ!あんたも無事だったか!よかったぜ」

 「君に負けたままなのは嫌だったしね」

 「それに命を救われた恩を返したかったしね。勘違いしないでくれよ?私は反省したとか後悔したとかではないよ。あの時はあれが正解だったのだよ。私はあくまで騎士、主君が悪ならば悪をなし、主君が善ならば善をなすだけなのだからね」

 「前のご主人様はいいのかよ?」

 「あっちから私を捨てたからね。クビみたいなものだろう?」


 ドレッドに関してはシブゥリの部下だったこともあり、命を助けるのに反対した人や命は助けるがここから追い出す人、そして命を助けてこれからはここを守るために働いてもらおうとする人で意見が割れたらしい。しかし、ドレッドはあくまで中立を保ってはいたらしく。主君の命令よりも少ない徴収をしたり、誤魔化したりなどをしていた事を知り村を守ってもらう事でこの件は片付いたらしい。

 カケルさんが「お前の騎士道って結局どんなんだよ」って聞いていたが笑って誤魔化されていた。そしてその日は村で祭りをして楽しんで終わった。

 ・・・ただ一つ気がかりなのはシブゥリとフー・フェン兄弟が逃げ出したことだった。フー・フェン兄弟に関しては金で雇われていただけと言うことからこれ以上この村にはこれ以上手を出すつもりもないとドレッドは断言していたがシブゥリに関してはまたいつここを襲うかわからないと言うことから少数ではあるが周辺を祭り中に探してみたが、不思議なことに何の痕跡もなかった。不思議だったがドレッドもここを全力で守ると誓ってくれていたからここはその言葉を皆んなが信頼することにした。


――


次の日


 「じゃあおせわになりました。これから頑張ってください」

 「あぁ君達も王都で元気にやるんだぞ」

 「色々ありがとうね。今度来たら次は盛大に歓迎するから!」

 「私が次にリベンジするまで誰にも負けないでくれたまえよ?」

 「あんたこそな」


 次の日には僕達はここを後にすることにした。王都までは東にまっすぐ進めばいいらしく、食べ物や飲み物を少し貰って旅に出ることにした。


 「じゃあ!また!」

 「ばいび〜」

 

 そう言って僕達はレノバ村を後にして今度こそ王都に向かう道を歩いて行った。

いつも見てくださっている方、今日初めて見てくださった方、いつも読んでくださりありがとうございます。

あとは番外編を書いて第1章が終了となります。明日からは第2章を一日一話更新で書いていこうと思います。

よろしければブックマークと評価をよろしくお願いします。


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