届かぬ物資ー確認ー
魔人が石灰ボールに手間取っている間に、支配人は槍の男性に問いかける。
「怪我の具合は?」
「出来るだけ急所は避けるようにしたんですが、やはり数が……ぐぅっ!?」
槍の男性自身が言っているように確かに急所は外れているが、数が多く、出血が多いように見える。
(時間が経つにつれ危険な状態になるな)
「すまないが、刺さっている矢が止血の役割にもなっているから辛いだろうがこのままにさせてくれ」
槍の男性は軽く頷く。
「彼と一緒に荷馬車のところまで行けるか?」
「大丈夫です!……けど」
女性の視線が後ろにいる魔人に向かう。
「あいつのことは気にしなくてもいい。大した問題じゃあない」
女性は一瞬呆気を取られたが、支配人の目が本気であることを察し、槍の男性と一緒に荷馬車のほうへ向かう。
彼らを見送った支配人は魔人のほうを向く。
「義理や人情があるとは思えないんだが……話している間に掛かって来ても良かったんだぞ?」
「はぁぁ!?調子に乗るなよ、人間。お前らを殺すことなんて簡単なんだよ!!」
(人間?妙な言い回しをするな。……あぁ、あの眼。そういうことか)
「彼らの実力で賊相手にあのような状態にはならないと思っていたが……お前が魔人ってやつか」
「さぁ?どうかなぁ?……これから死ぬお前に答える義理はねーな!」
魔人は槍の男性との戦いでは見せなかった本気の速度で支配人に迫る。




