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届かぬ物資ー先着ー
彼の周りに何本かの矢が落ちているため、槍を回転して弾いたのだろう。
しかし魔人との戦いで受けた傷や疲労によって、全てを弾くことは出来なかった。
その結果、彼の身体には多くの矢が突き刺さっていた。それも落ちている矢よりも多い数が。
「……無事か?」
掠れ声で確認する槍の男性に何度も頷く女性。
無事を確認できた槍の男性は一瞬ニコッと笑ってからその場に崩れ落ちる。
槍の男性に女性が駆け寄っている姿を見ながら、魔人は鼻で笑う。
「結局、俺に大した傷もつけれないくせに、さらにくだらないことをする人間だったってことか」
そんな魔人をキッと睨む女性は、魔人の頭上に何かがあることに気付く。
途端、頭上の何かが破裂した。中には白色の粉状のものが大量に入っており、魔人は粉まみれになった。
「誰だ!?……ぺっぺっぺ……なんだ、こりゃ!?」
「これは『石灰ボール』といって、お前がくだらないといった彼が俺に贈ってくれたものだ」
魔人が粉で見えていない間に、魔人と槍の男性たちの間に石灰ボールを投げた本人——セイヤの知り合いの支配人が立っていた。




