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理の継承者  作者: 鈴本 流幸
第六章
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届かぬ物資ー破綻ー

 魔人が槍の男性の一撃を最初と同じように腕で防ぐのと同時に、数本の矢が魔人目掛けて飛来してきた。

 その場から離れようとする魔人に連撃を繰り出す槍の男性。

 女性の攻撃が加わったためか、槍の男性の攻撃や矢を先ほどとは打って変わって、腕などで防ぐことはせず、回避するようになった魔人。

 回避に専念している相手とはいえ、何度かは攻撃を当てることは出来ている。

 しかし二人という人数的に有利であるにもかかわらず、何度か攻撃を当てることしか出来ていない。


「あまり効果がないように見えるが、攻撃は当たっている!このまま攻撃し続けよう!」

「!……えぇ、わかったわ!」


 士気を下げないようにお互いに鼓舞し合う中、先ほどから黙っていた魔人が口を開く。


「なぁ」

「……なんだ?」

「お前じゃねーよ。後ろの女に言ってんだよ」

「……なによ?」

「さっきから俺に向かって矢を放っているが……あと何本残ってるんだろうなぁ?」

「!?」


 魔人に言われて、指の感触だけで本数を数える女性。最初は数十本あった矢も残り数本しか残っていなかった。


「残り少なかったか?だったら……」


 魔人は口角をかなり上げてニヤリと笑いながら、右腕を前に出す。


「この矢、返してやるよ」

「「!!?」」


 魔人の手にはかなりの数の矢が握られていた。

 ここで槍の男性たちは気付く。回避に専念しているのに、なぜ攻撃が当たっていたのか。

 理由は簡単。攻撃が当たることを全く気にせず、矢を掴んだり、拾っていたからだ。


「ほぉら、しっかり受け取れっ!!」


 魔人は手に持っていた矢を女性目掛けて、振りかぶって投げた。

 矢の速度は女性が放った矢の速度よりも数倍早く、女性の技量では躱すことは不可能。

 それを悟った女性は目を瞑る。

 目を閉じている中、何かを弾く音と何かが刺さる音が聞こえてきた。

 女性はゆっくりと目を開けると、まず自分の状態を確認すると、刺さっているはずの矢が一本も無かった。

 とすると、あの音が何だったのか予想は簡単に出来た。

 恐る恐る目線を前に向けると、「あぁ、やっぱり」と目を潤ませながら見つめる。


 そこには——槍を水平に持ったまま立ち尽くす槍の男性が立っていた。

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