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理の継承者  作者: 鈴本 流幸
第六章
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届かぬ物資ー攻防ー

 槍の男性は咄嗟の反応で槍を突き出し、魔人はそれを腕で防ぐ。

 槍と腕の交差のはずが、硬質の音が響く。


「なんて硬さだ!?」

「へぇ…ちょっとは楽しめそうだな!」


 槍の男性と魔人との攻防が始まる。

 だが両者には大きな違いがあった。

 槍の男性はほぼ全力で対処しているのだが、魔人はまだまだ余力が残している感じがしている。

 今までは槍と素手という間合いによって保っていた拮抗も、じわじわと崩れ始めてきた。


 (魔人には当たっている。当たっているが…全く効いてない!!)


 槍の男性の攻撃は確かに当たっているのだが、魔人には大した傷つけることが出来ていなかった。

 このことに焦りを感じ、槍の男性は精細さが欠けた攻撃を放ってしまった。

 これを見逃すほど魔人は甘くなく、槍の男性の攻撃を難なくかわし、魔人の間合いに入る。

 槍の男性が気付いたときはすでに魔人の右拳が腹部にくらっており、身に付けていた鎧が粉々になりながら数メートル吹き飛んでいた。


「鎧があったとはいえ、腹を貫けなかったとは…なかなか良い鎧だな。

 いや…秒で終わると思っていたが、なかなか楽しめたから、お前自身の技量もあったってことかもな?」


 魔人はゆっくりと槍の男性のもとに近づいていくが、その槍の男性はまだ立ち上がるのは難しい状態だった。

 槍の男性がなんとか立ち上がろうとした、そのとき。

 槍の男性の後方から魔人目掛けて飛来するものがあった。

 魔人はそれを掴む。——飛来してきたのは、矢だった。

 次々と飛来してくる矢を後方に大きく跳躍して躱す魔人。

 その少しだけの合間に矢を放った人物——仲間の女性が槍の男性に声をかける。


「大丈夫!?」

「ありがとう、助かったよ…」


 女性の肩を借りて、なんとか立ち上がった槍の男性。


「あの方の護衛は?」

「彼が守っているから安心して大丈夫よ」


 荷馬車のほうを見ると、強面の男性が商人を守るように構えていた。

 こちらに気付いた彼は「こっちは任せろ」というように親指をグッと立てた。


「後ろは問題なさそうだな。こっちはあの魔人に一人では勝てそうにない…一緒に戦ってくれるかい?」

「もちろんよ!」

「ありがとう、ではいつもの戦型でいこうか」


 槍の男性は自分に喝を入れ、魔人に向かって駆け出し、速度を落とさず勢いをのせた一撃を放つ。


「はああぁああっ!」

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