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理の継承者  作者: 鈴本 流幸
第五章
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ヘヴン ー入店ー

「いらっしゃいませー♪」


 予約時間になって入店すると、天使のように可愛い女性がお出迎えしてくれた。

 女性と金髪の男性を見て、考えこむ店員。それも一瞬のことですぐに笑顔で声をかけてきた。


「当店と病院のご予約はお済みでしょうか?」

「え?」

「お店はしてるっす。病院はしてないっすけど問題ないっす」

「え?今のやりとりっておかしいよね?」

「かしこまりましたー♪二名様ご案内でーす♪……一人は夢の世界(あのよ)へご案内」

「最後なにか怖いことボソリと言ったね!?ね!?」

「さっきからうるさいっすよ。ここはお店の中なんすから。ほら、席にいきましょ」

「えぇ……おかしいのは私なのか?」


 金髪の男性は自信を無くしつつも周りに流されるように着いていく。


 店員に案内され、席に着く二人。

 席は全席完全個室となっており、また()()()()となっていた。


「個室なのは嬉しいけど、何故防音機能が必要なんだい?」

「周りのお客様の声などが気にならないようにしたためです♪」

「あぁ、確かに他のお客さんの声が気になる人もいるだろうからね」

「その通りです♪……叫び声とか」

「また何かボソリと言ったね!?」

「それではお待ちくださいませ♪」


 綺麗なお辞儀をして去っていく店員。


「もう、さっきから騒ぎすぎっすよ……楽しみなのはわかるんすけど」

「いや楽しみで騒いでるわけじゃないんだけど……あれ?やっぱり私がおかしいの?」


 ワクワクと楽しそうに待っている女性に対して、金髪の男性はうんうんと悩んでいた。

 しばらくすると、料理が運ばれてきた。


「お待たせしました♪『チョコキャラメルハニーシロップコットンキャンディヨーグルトプリンデスホイップパンケーキ〜カラフルアイスとフルーツ盛り合わせ〜』です♪」

「わぁ♪待ってましたっす♪」

「……え?」


 (私の聞き間違いか?)


「それではごゆっくりとお過ごし下さい」


 金髪の男性はふと店員と目が合うと、満遍の笑顔を向けられ、そのまま何も言わずに行ってしまった。


「何も言われないと逆に不安になるよ!?」


 そんな男性に構わず、女性は目の前のパンケーキ(?)を食べる準備を始めた。

 まず運ばれてきた料理のホイップクリームの量が凄かった。

 高さは50cmに及んでおり、山のようになっていた。

 パンケーキ自体はホイップクリームで隠れているため本当にあるのかはわからない。

 このホイップクリームにチョコソースやキャラメルソース、蜂蜜、シロップなどが大量にかかっていて、そしてお皿の底辺には新鮮なフルーツやアイスが綺麗に並べてあった。

 ヨーグルトやプリン、コットンキャンディ(綿アメ)はどうなっているのかというと、ホイップクリームに雑に埋まってあった。


 (こ、これは……人が接種して良い量の甘味なのか!?)


 金髪の男性の疑問をよそに、女性は食べ始めた。

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