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理の継承者  作者: 鈴本 流幸
第五章
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会議後

「さて、今日はこのくらいかな。皆、お疲れ様」


 様々な議題を話し合った彼らだが、金髪の男性の言葉で一気に緊張が解けた。

 そんな中一人だけまだ緊張を解いていない者がいた。

 その者は立ち上がり、腰を直角になるくらい曲げながら言う。


「親方様。最初の無礼、大変申し訳ございませんでした」

「最初の?あぁ、あれかい?気にすることはないさ」

「いいえ!親方様が許そうともワシはワシを許せません!ここは腹を掻っ捌いてお詫びを!」

「私の声聞こえてる!?」


 今まで凛としていたのだが、今は錯乱している男性は懐からナイフのようなものを取り出し、自分の腹を刺そうとしていた。

 次の瞬間、持っていたはずのナイフが手から消えていた。

 そしてカランと金髪の男性の前に音を立てて置かれていた。


「……影か」

「ちょっと!この家で変なことするのやめてくれる!?てか、警備のものはなんでこれ没収していないの!?」


 連帯責任として、今日の警備にあたっていた者全員の減給を心に決めた金髪の男性。


「さっきも言ったように気にすることはないよ。君が言ってくれたことは君だけでなく、ここにいる全員が思ったことだろうし」


 誰からも否定の言葉出ていないことが如実に語っていた。


「私相手に忖度なく言ってくれる人はごく僅かだからね……君達のような存在は私には貴重なんだ。だからこれからも変わらず接してくれると嬉しいな」

「親方様の寛大なお心に感銘を受けずにはいられません!」

「ボスちゃんはほんとに器が大きいよねー」

「さすがボス。ボスを信じてこれからも精進していきます」


 金髪の男性の言葉に各々が称賛の言葉を送っていく。


「大袈裟だよ、君達」


 そう言いながら金髪の男性は立ち上がる。


「それじゃ、皆。これからも宜しく頼むよ」


 金髪の男性が踵を返すと、他の全員が最敬礼で見送りを行っていた。

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