表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
理の継承者  作者: 鈴本 流幸
第五章
62/78

とある館にて

 セイヤたちがいる大陸の遥か北。

 いくつかの山を越え、深い森を抜けた先に迎賓館のような大きな館が立っていた。

 この館の中を赤いショートヘアで切長の目をした女性が歩いている。

 長い廊下を歩き、階段を上がり、また長い廊下を歩く。

 豪奢な両開きの扉の前に立つとノックもせずに扉を開ける。

 部屋に入ると扉と同じように豪奢なテーブルやベット、棚などがあったが、中には誰もいなかった。

 しばらく部屋を見回した後、部屋の奥のほうへ向かう女性。

 向かった先にはバルコニーがあり、そこには白い椅子が二脚と白い丸テーブルが一卓置かれていた。

 テーブルの上にはヴィンテージワインが置かれてあり、ガウンを羽織った男がワインを楽しみながら椅子に座っていた。


「ここにいたのね、ホムラ」


 ホムラと呼ばれた男はワインを一口飲んだ後、女性に返事をする。


「よぉ、カナ。どうした?」

「今年もアレをやるなら、そろそろ準備しないといけないわよ?」

「あぁ、もうそんな時期か。招待状を作らないとな」

「まぁ……今年も同じでしょうけど」


 そうだな、と返事をしようとした瞬間、ホムラの脳裏に光がよぎる。

 しばらく呆然とした後、ニヤリと笑うホムラ。


「……どうしたの?」

「カナ、今年はひと味違うかもしれないぜ?」

「なんですって?」


 ホムラはグラスに残ったワインを一気に飲み干し、グラスをテーブルに置いた後、勢いよく立ち上がった。


「ようやく現れたな、青天の継承者!」


 嬉しそうなホムラを見たカナは心の中でため息をしていた。


 (そう、青天のが……今年は荒れそうね)


 部屋に戻ったホムラは着ていたガウンを勢いよく脱ぎ捨てた。


「今年は楽しくなりそうだ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ