表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
理の継承者  作者: 鈴本 流幸
序章
1/71

プロローグ

 「あら、また壊れてしまったわね」


 盤上にある壊れている駒を見ながら、楽しげに話す女性。


 「……ああ」


 壊れた駒の欠片を辛そうな顔で集める男性。


 「この駒をなおしに行ってくるから、少し待ってて」

 「そうね、その駒が無いとバランスが悪いものね。わかったわ、いったん休憩にしましょう」

 ただしと女性が続ける。

 「今までも同じだから言うこともないでしょうけど、完全になおるまでは待たないわよ。すぐに戻ってくること、いいわね?」

 「……わかっているよ」


 男性は女性に背を向けて、重い足取りで歩いていく。


 「次の駒はどんな感じになるかしら……今から楽しみね?」


 歩いていく男性に向かって、愉快そうに話しかける女性に対し、


 「……そうだな」と返答した。——駒の欠片を強く握りしめながら。




 優しい木漏れ日の中を沈鬱な気持ちで歩いて数十分。

 男性の目の前には泉があった。


 泉は底が見えるほど透き通った水でできていて、大きさは小池程度。

 泉の中心部には自然に出来た台座があり、その上に金色の杯が置かれていた。


 男性は金色の杯を手に取り、泉の水を杯一杯に汲み、駒の欠片をその中に入れた。


 「あと何回これをすることになるのか。私が至らないばかりに……すまない。願わくば——」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ