友人からの手紙
「お嬢様、そろそろお昼の時間になりますが……」
「もうそんな時間なのね、じゃあ家に戻りましょうか」
私とルイザは家に帰って来た。
「お嬢様、お帰りなさいませ。 お嬢様にお手紙が来ております」
「私に? 誰からかしら?」
「念の為に中身を確認させていただきましたが怪しい物ではございませんでした。 差出人はミッシェル・コンテルト様と書いてありましたが」
「まぁ! ミッシェル様は隣国に嫁がれた第1王女様よ!」
ミッシェル様はこの国の第1王女だが1年前に隣国に嫁がれた。
あの王家の中では唯一まともな感覚の持ち主で私の数少ない味方である。
私は部屋に戻り早速手紙を読んだ。
内容は近況報告と近いうちに帰ってくるので会いたい、との事だった。
「そういえばこの1年間全く会う事も無かったわね」
私が婚約破棄したのは隣国までに届いたようでミッシェル様はすぐに謝罪の手紙を出してくれた。
因みに王家からの謝罪はミッシェル様のみでこの1年間正式な謝罪を受け取った事は無い。
王家は基本的に人に頭を下げないのだが態度ではなく言葉でも欲しかったのだけど結局貰えなかった。
ミッシェル様もそんな王家の態度が嫌で早々に王家から出て行った。
隣国に留学してそこで旦那様と出会い結婚した。
しかも相手は隣国の王族では無く一男爵家というのが彼女らしい。
彼女が嫁いだ男爵家は元々はそんなに裕福ではなかったのだがこの1年で右肩上がりになった。
それも全てミッシェル様の手腕によるもの、というのだからどれだけ優秀か、というのがよく分かる。