気持ちのいい朝
「う〜ん、良い天気ね」
翌朝、パッチリと目が覚めた私はベッドから起き窓を開けた。
朝の冷たい空気が部屋に入ってきて気持ちが良い。
「お嬢様、おはようございます、ってもう起きられてましたか」
「おはようルイザ、王都にいた頃より目覚めが良いのよ」
「やはり王都での暮らしが性に合わなかったのですね。起きられる時はため息を吐きながら朝の準備をしてましたから」
「えっ、私そんな事してたの?」
「はい、学園や城から帰宅して明るい顔をした事は無かったですし唯一スイーツを食べていた時が等身大の表情をしておりました」
ルイザは私が幼い頃から仕えていたメイドで年齢は私の一つ上、私にとってはお姉さんの様な存在だ。
つまりは私の表も裏も知っているのだ。
「無意識の内にストレスが溜まっていたのね……」
「何度お嬢様にお声をかけようかと思いましたが……、多分弱音を吐かないだろうと」
確かに、公爵令嬢たるもの決して他人に隙を見せてはいけない、と家庭教師に教わってきた。
まぁ、家に帰ったら隙は見せまくりだったんだけど。
「……ありがとうねルイザ、いつも側にいてくれて」
「何をおっしゃいますか、お嬢様の幸せが私の幸せです」
私は本当に身内に恵まれていている。