やっぱり故郷は最高です
王都を出て1週間後、私達は領地へと戻って来た。
「旦那様、お嬢様お帰りなさいませ」
「出迎えありがとう、スタンカ」
執事長のスタンカさんが出迎えてくれた。
「いえいえ、旦那様とお嬢様がご無事に戻ってきて安心しております。 今回の王家の横暴は領民の耳にも入っていて国に対する不信感が募って来ております」
「そうか、まずは安心させないといけないな。 すぐに主たる者達を集めてくれ。 エレシア、お前は自室でゆっくりしていなさい」
「わかりましたわ、お父様も無理なさらないでくださいね」
「あぁ、落ち着いたら遠出でもしよう」
お父様はスタンカさんと一緒に執務室へと向かい私は自室へ向かった。
「うーん、やっぱり領地は最高ね!」
自室に入った私は窓ガラスを開け新鮮な空気を吸い込んだ。
窓から見える景色は緑豊かな田園風景で畑仕事をしている領民の姿が見える。
お父様がお母様の療養の為と私の教育の為に元々の場所からこの地に移り住んだ、と聞いた事がある。
小さい頃は野山を駆け回り川遊びをしたり木登りをしたりと自由気ままに遊んでいた。
婚約者になってからは王妃教育で王都の家で過ごす事になりこっちに戻ってくる事は少なくなった。
それでも、私は領地の方が性に合っている。
まぁ、王家とも距離は取ったし傷物になった私に婚約の話は無いだろうし時間はたっぷりある。
これからはのんびりと過ごす事にしよう。