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女友達と仲良くしたら、親友の男の娘が壊れた話  作者: 黒髪
第一章:日常が崩壊するまで
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 嫌なことがあったら寝て忘れろと、ホリエモンが言っていた。今日一日は悔しくても、明日からは気分を入れ替えて頑張れって話だ。合理的だ。悩んでも何も変わらないからな。その通りに実行してみたのだが、現実は変わらなかった。どうなってんだ、マジで。


 翌日の朝。


「ほら、一緒に行こ。寄道」


 俺とさやかは一緒に学校へと登校している。

 以前までは俺がさやかの家に迎えに行っていたものの、高校に入ってからはさやかのほうが来てくれるようになった。人間、歳を重ねると怠惰になるものだ。


「と、その前に……寄道。ちょっとこっちに来て」


「あ?」


 さやかに言われるがままに、少しだけ近付いた。

 すると、さやかは顔を寄せてきた。それに手も伸びてきた。


「………………」


 俺は黙っていることしかできなかった。

 突然伸びてきた手に対して、抵抗すればよかったかもしれないが。


「ほんと、寄道は僕が居ないと何もできないんだから」


 言いながら、さやかは俺のネクタイを整えてくれた。


「もうぉー。僕がずっと面倒見てあげるから安心してね」


 安心できるはずがないんだが?

 逆に安心できる要因を教えてくれ。

 特に俺の貞操とか。倫理観とか。危険すぎるんだが。

 てか、女子よりも可愛い笑みを浮かべるんじゃねぇー。

 好きになっちまうだろうが。俺はノンケだってのに。


「ねぇー。寄道、僕に謝らなきゃいけないことあるよね?」


 さっきまでの可愛らしい何処へやら。

 大好きなイケメンが消えたあとの、ギャルみたいな態度豹変。


「謝ること……? 何かしたっけ?」


 さやかに対して悪いことはしていない。

 多少、気色悪いとは思っているけど。まだそれはバレてないはずだ。


「僕ね、寄道が昼匙さんと喋ることは認めたけど……」


 さやかは一度言葉を区切った。

 怒りを露わにした表情を浮かべて。


「一緒に帰っていいとは一言も言ってないよ?」


 一休さんでも驚くとんち話をしてきやがった。

 ていうか、どうしてお前がそれを知ってるんだ。

 先に帰ってたはずだろうが……それなのに。

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