表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女友達と仲良くしたら、親友の男の娘が壊れた話  作者: 黒髪
第一章:日常が崩壊するまで
2/14

 靴を履き替えて、校門へと向かう。

 部活動生の掛け声が聞こえてきた。

 運動に励む学生生活も楽しそうだが……。


「俺、鼻くそでも付いてる? もしくは鼻毛??」


 俺の背丈よりも小さいさやかが、見上げてきているのだ。


「やっぱり寄道はスポーツがしたいんじゃないかなって」

「……まだあのときのことをゴチャゴチャ言ってるのか?」


 中学時代、俺はさやかを助ける為に、大きな怪我をした。

 それ以来、激しい運動をすることができなくなり、スポーツ少年だった俺は唯一の長所を失ってしまったわけだ。

 未練があるかないかで言えば、確かにあるかもしれない。

 でも、俺の心は決まっている。


「お前の笑顔が見れるなら、俺はそれだけで十分だよ」

「………………」


 黙り込んだあと、さやかは顔を真っ赤にした。

 俺に見られるのが恥ずかしいのだろうか、ほっぺたまで抑えている。本当に可愛い奴である。



「今日もお二人は仲良しそうだね〜♪」


 真横から鈴が鳴るような声が聞こえてきた。

 相手は————。


「ひ、昼匙さん!?」

「カレンでいいんだよ? 気軽に名前で呼んでも」


 昼匙カレンは、俺たちのクラスメイト。

 勉強もスポーツも何でもござれの完璧超人。さっぱりとした性格で、誰とでも仲良くなれるスクールカースト最頂点だ。


 ボンキュッボンを体現した身体を持ち、多くの男子生徒がお世話になっているらしい。


 俺は一度も使用したことないけどな。


「いやいやいや……名前を呼ぶってのは。なぁー、さやか?」


 隣に居るさやかに同意を求めてみた。

 だが、さやかは反応を示さなかった。

 俺のことなど全く眼中に入ってないのか、ただジィッと昼匙カレンを見ていたのだ。


 いや、違うな。睨んでいたのだ。

 瞳を三角定規形に変えて。


「うん。昼匙さんでいいよ、ずっと」

「そうそう、さん付けで十分だよな」

「じゃあ。そういうことで、じゃあね」


 話をさっさと切り上げたいのか。

 さやかは歩みを止めることはない。


「おい……さやか。何急いでるんだ?」

「ん? 別に?」


 少しだけ前へ進んださやかが振り向く。

 笑顔なのだが、妙に固い表情だ。


「寄道くん。話があるんだけどいいかな?」


 昼匙さんが訊ねると、さやかが空かさずに言う。


「今日は忙しいよね? 寄道」

「わたしは寄道くんに聞いてるんだけど」

「僕と寄道は忙しい。はい、これで終わり」


 さやかは両手をパンと叩いてから。


「残念だけど、昼匙さんの話は聞けないよ?」

「おい。勝手に話を進めるな。さやか!」


 相手は昼匙カレンだぞ。

 少しでもお近付きたい気持ちがあるんだよ、俺は。

 こんな完璧超人な女子生徒と少しでもな。


「だって、今日は忙しいじゃん」

「何かあったか?」

「遊ぶ約束したの忘れたの? ひ、ひどい」

「遊ぶことは忙しいに入るのか?」

「入るに決まってるじゃん」


 さやかと遊びたい気持ちも山々だけど、昼匙さんの話ってのも気になる。てか、俺は昼匙カレンに叶わない恋をしている。少しでもキッカケが作りたいのだ。


「悪いけど、今日遊ぶの中止でいいか?」

「えっ……? どういうこと?」


 信じられないと言った表情になるさやか。

 驚きを通り越して、怒ってるようだ。


「昼匙さんの話を聞こうかなと思ってさ」

「ふーん。僕より昼匙さんを選ぶんだ」


 唇を尖らせて、さやかは「ふんっ」と顔を背けてくる。

 腕を組む姿を察するに、余程怒っているらしい。


「寄道は僕を捨てるんだね」

「捨てるって……お、お前な」

「わたしを選んでくれたんだ、寄道くんは」

「昼匙さんも被せてくるな!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ