表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女友達と仲良くしたら、親友の男の娘が壊れた話  作者: 黒髪
第一章:日常が崩壊するまで
11/14

11

 男の娘から告白されても現実は変わらない。時間が過ぎれば、嫌な記憶なんてもう忘れちまって、良いことだけが残るはずだ。

 そして、平穏な毎日が繰り広げられて。

 俺の日常は元通りになるはずだったのに!


「あ、寄道!! やっと来た!」


 俺より少し前に学校へと到着していた、さやかは、教室へ入ってきた俺を見て、駆け寄ってきた。周りの奴等が奇異な眼差しで見てくるんだが……これは一体何だ?


 疑問に思ったが、一瞬で謎は解けた。

 どんな事件でも解けるコナンくんだとしても、この謎だけは絶対に解きたくないだろうが。


「実はね、みんなに報告がありますー!」


 さやかは俺の腕を引っ張り、教卓の前へと立った。黒板にはデカデカと文字が書かれていた。


 祝カップル結成とか書かれてるんだが?

 信じがたい内容だった。ウソであれ。


「僕たち昨日から付き合うことになりましたー。えへへ、寄道は男の娘が好きなんだよ」


 おい、テメェ。

 何を言ってやがるんだ?

 男の娘好き? んなわけねぇーだろ!

 女子全員ドン引きしてるじゃねぇーか!!

 と思ったけど、一部女子の奴等が「きゃあーー!!』とか黄色い歓声を上げてるんだが?


「というのは半分冗談で、半分本当なんだけどね」とさやかは呟いてから。


 今まで一度も見たことがないような怖い顔をし、教室に居る奴等を睨みつけた。

 温厚な性格で、ドジっ子みたいな奴だと思っていたのに。意外とこんな表情もできるんだな。とか、感心するのも束の間。


「寄道にさ、これ以上ちょっかい出さないでくれるかな? 僕の悪口を広めてる女子が居るっぽいんだけど……ほんとウザいから」


 本題はこっちだったのね。

 さっきのは冗談だってことだよね?

 周りの気を惹きつけるためだったんだよね? そうだよね、だって男同士で付き合うとか、普通に考えてありえないんだもん!!


 ピキーンと教室が凍りついてやがる。

 このままでは空気が悪いぞ。

 てか、俺とさやかに対する視線が冷たい。


「えーとだな。今のは全部ウソだからな!」


 誤解を解かなくてはいけない。

 あくまでも、俺たちにはないとな。

 雰囲気悪くするのはよろしくないからな。


「ほんとだよ?」


 さやかが空かさず疑問を提唱してくるが。

 とりあえず、口を押さえ付けて黙らせた。

 一安心だと思ったら、ペロペロペロ。


「うっ……こ、コイツ!!」


 俺の手を舐めやがってる。

 躊躇いも何もなしかよ。

 むぐむぐむぐみたいに声を出そうとしているところは、多少可愛かったけど。


 舐めるの。テメェはダメだ。


 担任が教室に入ってくるまで、無事にさやかの暴走を止めた。黒板の文字は消せなかったけどな。お前ら付き合ってるのかとか訊ねられ、さやかは「そうです!」とキッパリ答えてやがるし……マジでやめてくれ、本当。


 あとさ、自分の席に着く前に。

 さやかが言ってきたんだ。

 ほっぺたを少しだけ赤らめて。


「ごちそうさま、寄道」


 アイスでもキャンディでもないんだ。

 今後、俺の手を舐めるのは禁止だな。

 てか、クラスの奴等に避けられてる気が?


「むふふ、寄道は僕の側に居ればいい」


 さやか。

 俺はお前の恋心を受け入れる気はない。

 だがな、俺の日常を壊すのはナシだろ?


「僕はただ……寄道に好きになって欲しいだけだよ? それだけを願うのもダメなの?」


 流れ星に願うぐらいならやっていいさ。

 テメェがやってることは、ただの迷惑行為。これしっかり覚えてな。テスト出るから。

次回から加筆修正版です。現在進行形で精一杯執筆中でございます。

明日までには投稿できると思うのでお楽しみに( ̄▽ ̄)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ