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「くっそ、ふりだしか!」
「なあなあ、数字の痣の奴探してんの?」
「そうだけど……」
「何なら俺、手伝うぜ!」
その申し出は非常に助かる。
皇くんめっちゃコミュ力高いし、私なんかよりもすぐ見つけてくれそうだし。
「ほんと!?お願いしても……」
「モブさん」
「茂部ですけど」
「まあそんなことはどうでもいいんだ」
「私にとってはどうでも良くないですけど」
「仲間探しのことなんだけどね」
「おい聞けよ」
「無関係な人は出来るだけ巻き込まないようにして欲しいんだ」
「えっ」
「ヒーローの研究も、誰にもバレないように私一人で進めていたものだからね」
「誰にもバレないようにって……それ無理ゲーでは……?」
「大丈夫大丈夫!ヒーロー達は零号に自然と集まるようになってるからさ!飛んで火に入る夏の虫のようにね!」
「何かもっといい例え無かったんですか!?」
「という訳で、よろしく頼むよ!」
「いやほんとそれ無理ゲーでは!?」
……ダメだ!!
すっかり忘れてたけど、会長にダメって言われてた!!
「ごめん!要らない!」
「え?でも一人で大変だろ?」
「私一人で探すから大丈夫!!」
私は再度、皇くんから逃げるようにその場から走り去った。
いや改めて考えると協力者無しで痣と零号の微妙な能力だけで仲間を探すって無理ゲー過ぎない……?