2-2
「こ、ここまで来れば……!!」
逃げた先にたどり着いたのは屋上だった。
は、初めて授業サボっちゃった……!
なんかこれだけでも教室にいるだけのモブキャラから変われた気がする……!!
「おー、邪魔してんぜー?」
「な、何でいるの!?」
今は授業中であり、誰もいない筈の屋上に……出たな皇紅蓮!
というか教室から飛び出したの私の方が先だったよね!?何でこいつが先にいるの!?
「多分来るならここじゃねーかなあと思って」
「よ、読まれてた……だと……」
私はガックリと膝をつく。
ああもう、関わりたくなかったのに。
「で、俺にお願いがあったんだろ?」
……………
そうだった!!!!痣の確認!!
ってことは二人きりになれた今は絶好のチャンスじゃん!!
「皇くん!身体のどこかに数字の痣とかってない!?」
「え?数字の痣?」
「ほら!こーゆーの!!」
私は首のチョーカーを取って、数字の痣を見せた。
「すっげえ!ボーカ〇イドみてえ!」
「確かに私自身それは思った!!この痣それっぽいよね!!」
オタクの特徴。
自分の好きなジャンルだと早口になる。
ってか、皇くんみたいなスポーツ少年でもボカ〇とか好きなんだ。ちょっと意外。
「え!?俺にもそれあんの!?マジで!?」
言うやいなや皇くんはシャツを捲り上げる。
「ちょ、何してんだーーーーー!!」
私、一応女子なんですけど!!
男子に免疫のない私には上半身裸なだけでも耐えられないんですけど!!
「えー?何処にもないぜ?モブちゃんと同じとこにはねーの?」
「茂部ですけど」
一応首も確認してみたけど……痣っぽいものは無かった。
「うわー!外れか!!」
「外れ!?当たったら何か貰えんの!?」
ヒーローという称号が貰えます。
……なんて、ふざけてでも言えないけれど。