6-10
「悪者って!違うでしょ!?倒さなきゃいけないのは怪人じゃない!!」
「……怪人。知らない、そんなの。それよりも、キアラを襲おうとした奴の方が、俺を虐めて来た奴の方が……よっぽど悪者じゃないか」
神谷くんが男を睨みつける。
「虐めって……。じゃあ今まで傷つけてきた人は全員……」
「……俺を虐めてきた屑共」
そんな……そんなのって……。
「……直接虐めてきた奴も、見て見ぬふりした奴も、俺は、全員許す気は……無い。全員に、復讐、してやる、から」
「ま、待って!お願い!そんなことやめて……!!」
何とか彼の暴走を止めないと。
そうじゃないと、また被害が……!!
「……大丈夫。ずっと味方だった婆ちゃんと、キアラだけは、助けてあげるから」
「違うの、そうじゃないの……!お願い、私の話を聞いて……!!」
私がそう言うと、神谷くんはむすっとした表情を向けた。
「……キアラが止めろって言うから、そいつは殺さないであげる。……今は、な」
「ま、待って……神谷くん、話を……」
「……大丈夫。キアラにも、そのうち分かるようになる、から」
だめ。行かないで。
これ以上、悪いことしちゃダメだよ……!!
止めたいのに、声が出ない。動けない。
私は、去っていく神谷くんの後姿を見送ることしか出来なかった……。
第六話 終われ。




